map_sさんの
KISSの温度「H」Edition

 とある週末。
 ネオン煌く街中を、並んで歩く男女が一組。
 初々しいカップルに見れなくもないふたり。
 だが、その場所においてはやや若すぎたのかも知れない。
 ふたりとも、会話を交わす事なくやや俯き加減で歩いている。
 
 そして、とある建物の前で立ち止まるふたり。
 
「・・・ね、ねぇ・・・・・ココでいいんじゃないかな?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・洞木さん?」
「え・・・・?あ、ゴメンなさい・・・・何、碇君?」
「だから、その・・・・・ココが良いんじゃないかなぁ、って・・・・」
「え・・・あ・・・・そ、そうね・・・・・」
「だ・・・・大丈夫?」
「う、うん・・・・・ちょっと・・・・刺激が強すぎたかなぁ、って・・・・」
「・・・・・・・・(真っ赤)」
「ヤ、ヤだ・・・・照れないでよ、碇君・・・・・・」
「し、仕方ないだろっ!?」
「・・・・・・・・(真っ赤)」
「・・・・とにかく、その・・・・・入ろう・・・・・か?」
「え、そ、そう・・・ね・・・・」
「こんなトコ、他のヒトに見られたら・・・・・・大変なコトになっちゃうし・・・・・・」
「・・・・・そうね・・・・・」
「じゃ・・・・・行こう・・・・・か?」
「・・・・え、ええ・・・・・・あっ!」
「ど、どうしたの?」
「碇君!早く・・・・こっち!」
「・・・・あぁ!隠れなきゃ!」
 
 こそこそこそこそ
 スタスタスタスタ・・・・・・・
 
「・・・・・はぁ、ビックリした・・・・・・まさかミサトさんが通るなんて」
「・・・・・生きた心地がしないわ・・・・・・・」
「・・・さっさと済ませなきゃ・・・・・・・」
「・・・・・・(真っ赤)」
「・・・・・洞木さん」
「・・・・・え?(ヤだ・・・・真剣な表情で見つめられたら、私・・・・・)」
「・・・・行こう(ぐいっ)」
「・・・・・・・・・・(こくっ)」
 
 そして、ふたりは
 手を固く繋いだまま
 その建物の中へ
 吸い込まれるように入っていった・・・・・・・
 
 
 
 
「「ただいまぁ・・・・・」」
「遅いよぉ、ふたりともぉ! ドコまで行ってたのよ、まったくぅ!」
 
 葛城家へ帰宅したふたりを待っていたのは、タンクトップにショートパンツといういでたちの赤鬼・・・・・もとい、アスカ嬢。
 片手を腰に、もう一方の手をシンジ君の目の前に突き出し、玄関に立ちふさがっています。
 そんなアスカ嬢に、シンジ君はいつものように謝るかと思いきや・・・・・
 
「な・・・・何言ってるんだよ、アスカ!
『夜食がインスタントなんてイヤ』って言い出したのは誰さ? そのおかげで、勉強の時間を削ってまでして繁華街にある24時間のスーパーまで買出しに行ってきたんだよ!?」
「そうよ、アスカ! あのお店、その・・・・・・周りに色々あって・・・・・恥ずかしかったんだから・・・・・」
「う゛・・・・・わ・・・・・悪かったわよぉ・・・・・」
「「わかれば、宜しい」」
 
 いくらアスカ嬢と言えど、自分の我侭に付き合ってくれた想い人&親友のW攻撃には敵わないようで。
 不承不承ながらも謝りの言葉を口にしました。
 ヒカリ嬢が味方になった事で、いつもよりちょっとだけ優位に立ったシンジ君。
 ついつい・・・・というか、珍しく余計な一言をオマケしてしまいました。
 それが悲劇の幕開けとはつゆ知らず・・・・・
 
「あんまりブーたれるんなら、アスカの分はナシだからね!!」
「な・・・・・・・ナマイキ言ってンじゃないわよ、バカシンジぃっ!」
 
 ぶわっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!!!
 
「ぐはぁぁっ!?」
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・むにゅ?
 
「えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・?(絶句)」
「・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・(真っ赤)」
 
 シンジ君がアスカ嬢のフラッシュビンタ(笑)を受けたのは左の頬。
 彼の右側には、ヒカリ嬢が並んで立っておりました。
 となれば、当然のお約束ということで・・・・・・・・
 
 
 その夜、葛城家が阿鼻叫喚の巷と化したとかしないとか。
 
 哀れなり、シンジ君(爆)
 
 
 


管理人のコメント

 今回は弾みで、ヒカリちゃんと……
 アスカさんといい、レイちゃんといい……シンジ君、うらやましい状況です。(笑)
 しかし一歩進めば、これは……やぱり今話題の「LHS」 というものになるのでしょうか?
 うちにも上陸する日は近い?(汗)


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