いつもの店、いつもの席
いつも待たせてばかりのアタシが、今日は待ちくたびれてる
腕時計はテーブルに伏せたまま
読みかけの本はバッグの底で横倒し
2杯目のカップもとっくに空
皿の上にはチーズ・ケーキの残骸
『ゴメン』って
受話器から聞こえてきたアイツの声
何度も何度も繰り返すから
電話の向こうで頭を下げているのが見えたから
ついついアタシも苦笑い
開け放たれた窓の向こう側
街のざわめきを眺めながらふと気付いた
木々の香り、陽の暖かさ
風に運ばれてくる季節の横顔
そうか
いつも
きっと
こうしてアイツは待ってたのね
たまにはいいか
慌てなくていいわ
無理なんかしなくていい
ココで待っててあげるから
でもね?
感謝の気持ちと
『ごめんなさい』のKiss
それがなきゃ赦してあげない
微笑みかけてなんかあげない
わかった?
バカシンジ