涙が、でそうです。
鳥達の声も、わたしの頭上では響きません。
野を駆ける動物たちも、わたしには背中を向けるだけなのです。
地上には、こんなにも生命の輝きが溢れているのに・・・
コンクリートの森を渡る乾いた風だけが、わたしの心を慰める囁きなのです。
ひとりぼっちは、罰なのでしょうか?
生まれた事は、罪なのでしょうか?
賑やかな生命の大地で、わたしは寂しさに震えていました・・・
涙が、でそうです。
わたしは、ひとりぼっちじゃありませんでした。
暗い地の底から、わたしを迎える瞳が七つ。
この人たちは、わたしを認めてくれる・・・
この人たちは、わたしに背を向けないでいてくれる・・・
哀しみは、きっと此処で終わりです。
寂しさは、きっと今日でおしまい。
なみだが、溢れました・・・
ぽたっ・・・ジュ〜ッ
「熱ッ・・・っくぅ・・・」
「碇くんっ! 」
「アスカッ、どいて!! 」
喜びが溢れます。
涙に滲んで何も見えません。
生まれてきて、良かった・・・
後から後からこみ上げる涙を、わたしは心地よいと感じていました。
ぼたぼたぼたっ・・・ざっばぁ〜っ!!
「うっぎゃああああっ!! 」
「あちあちあちっ! うわあああっ!? 足がっ? 腕があああっ!!? 」
「もう・・・ダメなのね・・・あちっ! 」
(沈黙)
涙が、とまりません。
・・・また、ひとりぼっちです・・・