天使の涙

 

 

 

 


 涙が、でそうです。
 
 鳥達の声も、わたしの頭上では響きません。
 
 野を駆ける動物たちも、わたしには背中を向けるだけなのです。
 
 地上には、こんなにも生命の輝きが溢れているのに・・・
 
 コンクリートの森を渡る乾いた風だけが、わたしの心を慰める囁きなのです。
 
 ひとりぼっちは、罰なのでしょうか?
 
 生まれた事は、罪なのでしょうか?
 
 賑やかな生命の大地で、わたしは寂しさに震えていました・・・
 
 
 
 涙が、でそうです。
 
 わたしは、ひとりぼっちじゃありませんでした。
 
 暗い地の底から、わたしを迎える瞳が七つ。
 
 この人たちは、わたしを認めてくれる・・・
 
 この人たちは、わたしに背を向けないでいてくれる・・・
 
 哀しみは、きっと此処で終わりです。
 
 寂しさは、きっと今日でおしまい。
 
 
 なみだが、溢れました・・・
 
 
 
 
 
 ぽたっ・・・ジュ〜ッ
 
 
 
 
「熱ッ・・・っくぅ・・・」
 
「碇くんっ! 」
 
「アスカッ、どいて!! 」
 
 
 
 
 喜びが溢れます。
 涙に滲んで何も見えません。
 生まれてきて、良かった・・・
 後から後からこみ上げる涙を、わたしは心地よいと感じていました。
 
 
 
 
 ぼたぼたぼたっ・・・ざっばぁ〜っ!!
 
 
 
 
「うっぎゃああああっ!! 」
 
「あちあちあちっ! うわあああっ!? 足がっ? 腕があああっ!!? 」
 
「もう・・・ダメなのね・・・あちっ! 」 
 
 
 
 
 
 
 (沈黙)
 
 
 
 
 
 
 涙が、とまりません。
 
 ・・・また、ひとりぼっちです・・・
 
 

 

 

 

 


管理人のコメント
 喰う寝る36さん『Luna Blu』一周年念記念に頂いてしまいました♪
 本来、この場合管理人が記念式典をするものですが……
 ごめんなさい!(^^;
 
 絶好調な天使シリーズの第四弾です。
 今回登場していただいたのは、マトリエルさん。
 そうだったんだ。寂しかったんですね。
 でも、どうやらマトリエルさんの涙はとっても危険なようです。(^^;
 
 
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