使徒との戦い、そして ゼーレとの戦い が終了し

ネルフと その職員達が全員 無事に 保護された

しかし、人類を 滅びの道まで あと一歩のところまで おおいやった事には 変わりがない

その為に、国連主導の形で エバァと その技術は 永遠に封印され

ネルフは 解体される事になった

 

・・・当然 その資本も 没収されたのである

幸いな事に、マギのハッキングにより 職員の個人データーは 全て 破棄されたが

彼等の金は 既に 凍結され、ほとんど 無一文の状態で 放り出されたのである。

 

 

 

マイ スイート ホーム

愛しの我が家

 

 

その会社は 中堅どころに 位置している 総合商社だった

営業部は 一番 活気にあふれている 部署である

その中心になっている 人物が ひとり

まだ 入社して 3年目の若手であるが、その手腕は 弱小商社だったその会社を、わずかな間で 中の上まで 引き上げた事が 証明している

若いながらも、会社の看板になっている その人物

みんなから 『 碇 課長 』 と 呼ばれていた。

 

 

「 はい、ゴダール社との契約は それで良いと思います。・・・あっ 河野君、4時に ウイルソン社長が見えるから 説明 よろしく!・・・それで、今年のサトウキビの 値段なんですが・・・」

両手に 受話器を持って、仕事に邁進する 碇課長

同時に 複数の仕事を手がけて、しかも 失敗も無い

会社も その仕事ぶりを認め、1年目に 主任、2年目には 係長、そして 今年は課長と 精一杯 評価している

サラリーも はっきりいって 重役並みに 支払っていた

しかし 碇課長は、それを遥かに 上回る実績を上げていたのである。

「 本当に、碇課長は 凄いよな〜 」

「 うん、うん♪ 俺達より 年下なんだけど はっきり言って 頭が下がる思いだよ・・・」

「 俺だって、あっという間に 追い越されちゃって・・・でも、心から尊敬するよ・・・」

「 同僚や 部下の面倒見も良いし、上司の受けも 抜群だしな・・・」

「 この会社の半分近くが、”碇 派閥”になってるわよ。私も ファンだもの・・・」

「「「 本当、凄い人だよなぁ〜〜 」」」

 

やがて ベルの音が、終業の時間を知らせる

すると 手早く デスクの上を片づける 碇課長

「 課長! 早いですね〜・・・どうですか? 今夜あたり 皆で 軽く一杯とか・・・」

部下の誘いに、課長は軽く 笑って

「 ごめんね。今日も ちょっと・・・金曜日には 付き合うから・・・」

と、手早く 鞄を持ち上げる

「 又ですか・・・」

ぼやく部下だったが、碇課長は その手の接待とか 付き合いとかは 金曜の夜に 限定し、平日は すばやく 帰宅するのが 常だった。

「 それじゃ、皆! お疲れさん♪」

部屋の扉を 閉める 碇課長

その後ろ姿に、社員達は・・・

(((( やっぱり、凄いよなぁ〜〜 )))) と 感心する事、 しきりであった・・・

 

 

第3新東京市、郊外

碇課長は、電車で40分程の駅に降り立った

その辺りは、静かな 住宅街

まだまだ 緑地や 畑も多い街だが、それゆえに 最近 人気も高くなっている

駅から降りて、商店街を通り過ぎる

「 おや、もう お帰りですか?」

「 やぁ、碇さん。今度の野球大会なんですがね・・・」

「 碇さぁ〜ん♪ この間の アレ・・・とても 美味しかったって 伝えておいて下さいよぉ〜」

と、あちこちから 声がかかり、その度に 笑顔で返していた

やがて、坂道を登り とある 大きな建物の前に辿った

その玄関には 大きな文字で ”ヒカリ幼稚園 ”と 書かれている

看板の下の部分には、泥だらけの幼児の手形が くっきりと残っていた

「 くすっ♪」 と 笑うと その角を曲がり、裏門から 入る

そこにある建物は、木造の大きな屋敷

幼稚園は その半分を間借りしていたのである。

「 だだいまぁ・・・」

玄関を開けて リビングに入ると、 一人の女性がお茶を飲んで居た

蒼い髪の毛で 紅い瞳の 美女

彼女は 静かに答える

「 ・・・お帰りなさい、アスカ・・・」

碇課長は 答えた

「 ただいま、レイ 」

 

アスカと呼ばれた 女性は、2階の自室に戻り 普段のラフな姿になると 再び リビングにやってきた

すると そこには もう一人、眼鏡をかけた 黒髪の美女が増えて、テーブルの上で 書き物をしていた

「 あれ? マユミも 居たの?」

彼女は 眼鏡をちょっと直すと、

「 えぇ。締め切りが 来週ですから・・・」

「 すると、 又 しばらく レイとマユミは 缶詰になるのね?」

「 すみません。いつも いつも・・・」

すまなそうな顔する マユミだったが、紅い目の女性は

「 ・・・気にする事ないわ・・・私達の家だもの・・・」

と、無表情

会社では、碇課長と呼ばれていた 彼女が 怒鳴る

「 レイ! これ以上、 人を増やして どうするのよ!」

レイは 冷静な声で

「 ・・・問題ないわ・・・」 と 喋った

 

レイ・・・ネルフの元ファーストチルドレン、綾波レイ

彼女は ネルフ解散後、文芸の道を志した

最初 2年程は こつこつと あちこちの雑誌に投稿していたのだが、やがて 同好の士 山岸マユミと 再会して ふたりで 執筆する事になった

すると その 共同作品が とある 雑誌のコンクールに 当選し、その以後 『 山岸 レイ 』の名前で プロの作家になる

・・・と 言っても 表舞台に上がるのは マユミだけであった

いくら ネルフの個人データーを消したからといっても、レイの容貌は 極めて特徴的で 下手すると その正体がばれるから だ。

それでも、レイは気にしないで マユミと 共同で 書き続ける

山岸 レイ の作品は 割と好評になり、シリーズ物さえ あった

・・・ただ、何故か 少年同士の恋愛モノばかりであったが・・・

 

そして、締め切りが近づくと 『 缶詰 』 と 称して この家に泊り込むのも いつもの事であった。

彼女の部屋は 2階の 窓が大きな部屋である

 

 

「 まったく ただでさえ この家には 変な人間ばっか 居るってのに・・・」

ぼやく アスカに、マユミは 申し分けなさそうなのだが・・・レイは

「 ・・・変な人間・・・そう、あなたも ね ・・・」 (ニヤリッ)

「 レイ!」 アスカの怒号

「 ・・・問題ないわ・・・この家の建設資金、わたしも 出したもの・・・」

「 あの 妖しげな同人誌 売ってね!」

レイが とある場所で 売り捌いた 同人誌・・・いわゆる 男同士の 指定モノである

気弱な少年と 妖しい美少年の 危ない恋(濃い)

それは 建築資金の1割になった 大ヒット商品だった

・・・実は その会場で、レイとマユミが 出会ったのである・・・

 

アスカの指摘に、涼しい顔のレイ・・・そしてオロオロするマユミ

そんなリビングのドアが 大きく開いた

そして 元気な女性の声

「 おっはよぉ〜〜、みんな!」

彼女は 脳天気な挨拶をすると、すぐに 冷蔵庫のドアを開けた

そして、中からあるモノを取り出す

プシュッ

クビッ、クビッ、クビッ・・・

「 ぷっはぁぁ〜〜♪ 人生 この時の為に あるのよね〜〜♪」

アスカも レイも 呆れ顔

マユミだけが 静かに つぶやいた

「 ・・・ミサトさん、相変わらずですね・・・」

 

葛城 ミサト・・・元ネルフの作戦部長

ネルフ解散後、その格闘技術を生かして 女子プロレスラーとして デビューする

さすがに 覆面で 顔を隠していたが、リングネームは ”ボンバー・レディー”

・・・その名の通りである。

ボンバー・レディーは そのテクニック、豪快な駆け引き、そして 男達を魅了する見事なボディーで 一躍 人気者となった

キャラクター グッズも 売れまくり、CM( 当然、ビール )出演も決まった アイドルレスラー

しかし、ベビーフェイス(善玉)でなく ヒール(悪玉)なのが ミサトらしいと いえた。

さすがに年月が過ぎ、ミサトの体にも 人気にも 陰りが見えてきた が、まだまだ 健在で チーム ”毒女同盟”の纏め役になっている

なを、この家の建築資金の3割以上を出している為、アスカも レイも あまり強く出れなかった

ミサトは 一階の南側、トレーニング室の隣に 住んでいた

 

「 まったく、体が資本の仕事している癖に・・・そんな酒浸りで どうすんのよ!」

アスカの怒りの声にも、ミサトは平気な顔

「 あら、知らなかったの? アタシのエネルギー源は こ・れ・なのよ〜♪」

と、もう1本 冷蔵庫から 取り出した

ちなみに その冷蔵庫は、ミサト専用で 中は ビールだけ

ミサトは CM出演のギャラ代わりとして、エビチュ 1万本 貰っていた

当然 その半分はもう飲み尽くしている・・・アスカ達のアルコール制限が無ければ 全部無くなっていただろう・・・

・・・時々 アスカ達も 黙って 失敬しているのは 知られてはならない秘密だ

勿論 ずぼらな彼女が 気づく筈ないのだが・・・

 

ため息と喉を鳴らす音だけが流れる部屋の中に、付けっぱなしのTVから そのミサトのCMが聞こえてきた

・・・激しくぶつかり合う女体、・・・きらめく汗と怒号・・・リングの中央で喝采を受けるボンバー・レディ

・・・そして、控え室で腰を降ろした彼女が 手にしているモノ

『 ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ・・・ぷっはぁぁ〜〜〜♪ やっぱ、コレよねぇぇ〜〜〜♪

ビールを豪快に飲み干すミサトのCM

「 ・・・まだ、このコマーシャルやってたの?」

「 えぇ、5月までね♪ 夏から又 新しいCM撮るから・・・今度は エビチュ1万5千本だって!」

本当に嬉しそうな 葛城 元作戦部長

彼女は、戦う相手と エビチュさえ在れば 幸せだった・・・

 

 

「 よっ、こんばんわぁ〜♪」

呑気な挨拶で 入ってきたのは 無精ひげの男

「 ・・・なんだ、加持。あんた 又 来たの?」

ミサトの冷たい視線にも、加持は動ずる気配さえ 見せない

更にその後ろから 2人の男と 1人の女性も 入ってくる

「「「 お邪魔しま〜す!」」」

アスカも 思いっきり 苦い顔

「 ・・・アンタ達、又 たかりに来たのね!」

「「「 てっ へっ へっ・・・」」」

てれ笑いを浮かべるのは・・・霧島マナ、ムサシ、ケイタの 脱走兵トリオである。

「 又、晩飯 ご馳走になるよ。」

加持は 爽やかな笑顔を見せた

 

加持は あの脱走事件の後、密かに この3人を匿っていた

しかし、ネルフ解散後 加持まで 無一文状態になってしまう

今更 政府のスパイとして 復帰できる筈もなく、若い3人を抱える彼には 体を粉にして働く以外 道は存在しなかった。

そして、この家の庭先の一部にプレハブ小屋を建てて ”探偵事務所”を作った

4人は その事務所兼住宅で すごしているのだが・・・

なんせ、荒っぽい4人組の事である。月に一度は大騒動を引き起こして 報酬をはるかに上回る必要経費を計上してしまった。

・・・何故 行方知れずの愛猫探しで 工場が一つ焼失するのかは 謎であったが・・・

探偵事務所は、おかげで いつも 赤字すれすれ

加持達が、プレハブ小屋で わびしすぎる食事をしていたのを、 見るに見かねたこの家の優しい住人が 食事に誘った・・・という次第である

・・・勿論、アスカでも ミサトでも レイでもない

 

「 アンタ達、最近は 毎日じゃないの?」

「 はぁ、面目ない・・・」

ミサトと加持の問答に、レイが口を挟む

「 ・・・この人達・・・葛城さん達が出てから、朝食にも 昼飯にも来てるわよ・・・」

なんせ、レイは 自宅で仕事してる人間なんで、その辺もよく知っている

「 いやぁ〜、この家の飯は 美味くてね・・・」

「 アンタ等ねぇ〜〜・・・」

ミサトは痛むこめかみを 指で揉んでいる

「 大変ですねぇ〜♪ 」とは、人の良いマユミ嬢

ムサシが ぼやく

「 ・・・先月も、マナが車1台 廃車にしちゃったからな・・・」

「 うん、うん 」 うなづく ケイタ

「 だ、だって、相手が いきなり撃ってくるんだもの・・・」

マナの言い訳だが、声が少しづつ小さくなる

「 大体、マナはいつも やり過ぎなんだよ。」

「 何よ、ムサシだって この前 依頼人の邸宅を燃やしちゃったくせに!」

「 あ、あれは 俺じゃない! ケイタだ!」

「 ひ、酷いよ!僕は 加持さんの指示通りに・・・」

「 ・・・俺は何も 丸焼けにしろ・・・とは言わなかったがな。」

「 だって、ムサシが 灯油と間違えて ガソリン撒くから・・・」

「 あれは、マナがまぎらわしい所に置くから・・・」

「 ひ、ひっど〜い〜! 私の所為にするのね!」

互いに罪の擦り付け合いが 始まろう・・・とした瞬間

部屋の中は 闇に包まれた

「 何?」

「 ひっ!」

「 ・・・はぁ〜、停電か・・・」

ミサトのため息が洩れる

「 ・・・又、赤木博士ね・・・」 暗闇の中、レイの静かな声が 響いた

 

その時 家の 地下室では 2人の女性が居た

「 きゃぁぁ〜〜〜〜! 丸2日かけて 作ったデーターがぁぁ〜〜〜!!!」

「 ・・・わ、私じゃないわよ・・・」

「 先輩! マギを立ち上げている時は、電子レンジを使わないでください!」

「 ・・・無様ね。・・・あぁ、母さん。 私はどうすれば良いの?」

白衣の金髪美女は、冷たい たい焼きを握り締めていたらしい

 

この2人、言わずと知れた ネルフの技術開発部の 幹部

赤木リツコ博士と 後輩の伊吹マヤ

ネルフ解散後、引く手数多の勧誘を無視して 2人で コンピューターゲームソフトの会社を興した

名前は ”ネコ にゃんにゃん”

そして 最初に作ったゲームは、ロボットの格闘ゲーム

シュミレーションと ロールプレイングを組み合わせた3Dゲームで、通信対戦機能まである

その素晴らしいシステムと機能で 大ヒット商品となった

・・・思えば これが失敗だったかもしれない

自分の才能に 絶対の自信を持ってしまった リツコ

次に発売したのは ロールプレイングゲーム

システムは秀逸なのだが・・・数多い ダンジョンは、平均地下階数が 2千階

ゲームクリアまで、主人公に必要なレベルアップが 1万以上

ゲームバランスが、目茶苦茶だった

なまじ面白いゲームだから はまってしまって、寝不足で体を壊す人、単位が取れず留年する学生、卒論が完成せずに就職浪人となった者等が 続出する

一種の社会現象にまでなってしまった

その他にも、ひたすらネコを愛でて 繁殖させるゲーム、悪の科学者となって 世界征服を企むゲーム、怪しい薬を開発するゲーム など

ひたすら マニアック路線を突き進んだ

当然 赤字

結果、最初のゲームの利益を食い潰す事になる

今では 会社を この家の地下室に移転させて 細々と営業しているに過ぎない

従って 家庭用のコンセントで マギシステムを起動させる・・・という 馬鹿な状態に陥ってしまったのである。

 

加持が 電源のブレーカーを直して 数分後

疲れた顔の リツコとマヤが 階段を登ってきた

2人を迎える皆の視線は どことなく冷たい

「 ・・・リツコ、又 やったでしょ。」

「 相変わらずだな〜、りっちゃん。」

「 アンタ達、本当に優秀な科学者だったの?」

「 ・・・クス クス クス・・・赤木博士、へっぽこ・・・」

肩を降ろす 彼女の姿には、かつての 天才科学者の面影は どこにもなかった・・・

 

 

ぷっぷぅ〜〜♪

幼稚園の送迎バスの クラクションの音

「 あっ、ヒカリ達が 帰ってきたわ。」

アスカは 車庫のガレージを開ける

数分後、リビングには幼児の迎えに行ってきた トウジとヒカリの姿があった

「 なんや、皆 おそろいか?」

「 えぇ、なんか 皆 集まっちゃったのよね 」苦笑するミサト

「 丁度ええわ! 帰りに偶然 ケンスケと合ってな・・・」

と、後ろの男性を迎え入れた

「 お、お邪魔しま〜す!」

カメラのバックを抱えた ケンスケが 入場する

「 ・・・又、余計な人間が・・・」 頭を抱える アスカであった。

 

トウジとヒカリは、あれから数年後 一緒になり、今では この家の離れに暮らしている

そして もう一人の人間と 共に、幼稚園の職員になっていた

しっかり者のお姉さん、頼れる関西弁の兄ちゃん となり、毎日 園児達の世話に追われていた。

ただ、幼稚園の収入も 余り多いモノでもなく、開園費用のローンも残っている為、彼等にも 金に余裕がある訳でもない

従って 食事時になると 皆 一緒という事になってしまっていた

一方、ケンスケは カメラマンとして 近所に住んでいる

ただし、あまり 売れてない

という事で 彼も貧乏で、時々 飯を食べに来ていた

 

「 いやぁ〜、いつも 悪いなぁ・・・」 済まなそうな ケンスケ

「 良いのよ、相田くん。そうだ!今度の幼稚園の記念アルバム・・・お願いしようかしら?」

ヒカリの提案に トウジも賛成する

「 おぉ、そら ええ事や!」

「 任してくれよ! 格安で良い写真 撮ってあげるからさ。」

和気あいあいの3人組

雰囲気は 学生時代 そのままである

「 ・・・ア、アタシのサラリーは・・・コイツ等の食費に消える訳ね・・・」

( ・・・ アタシは 何の為に働いているの?)

アスカの苦悩は 深かった

 

リビングに集まっているのは、アスカ、レイ、マユミ、ミサト、加持、マナ、ムサシ、ケイタ、リツコ、マヤ、トウジ、ヒカリ、ケンスケの13人

その賑やかさは 家中に響き渡る

そして、当然 屋根裏部屋にも 届いた

薄暗い屋根裏部屋には 男が2人

「 ・・・碇、そろそろ 晩飯だぞ。」

「 ・・・あぁ、問題ない・・・」

「 ・・・いつも、その台詞だな。」

「 ・・・ふっ 」 ( ニヤリッ )

「 それにしても・・・ここの環境、何とかならんのか?」

屋根裏部屋は 面積は広い

しかし、高さがないので 冬月は、天井の柱に 頭をぶつけてしまう

ゲンドウは いつもデスクに座っているから その心配は少ないのだが・・・

「 冬月先生。我々は、 所詮 過去の遺物ですよ。・・・未来は あの子達のものです。」

何やら 悟ったような 台詞を吐く ヒゲ親父

窓から漏れる 月明かりに照らされた その顔は 不気味だったが・・・

「 しかしな・・・せめて 電気くらいは 点けたらどうだ?」

薄暗い屋根裏で、ゲンドウは 微笑んだ

「 ふっ・・・勿体無い・・・」

 

 

 

 

 

その頃、坂道をゴトゴトと登っていく 1台の車があった

国産の中古車・・・しかも 軽自動車

車体もボロボロで 製造してから かなりの年月が経っている

運転しているのは、黒い瞳の優しそうな青年

「 遅くなっちゃったかな? でも、割引セールだから しょうがないよね・・・」

何やら 言い訳めいた事を口走っている

後ろの荷台には スーパーの袋や 食材が詰まっている買い物篭

そして、ふたりの幼児が 眠っていた

青年は 暖かい目で 幼児を見つめる

栗色の髪に、開けば青い目をしている筈の男の子

その脇には 蒼い髪した 女の子

「 ・・・リオ、寝ちゃった?」

幼児からの返事はない

彼は、 楽しそうな息を洩らすと 坂の上を 見上げる

小さな灯りが 見えてきた

そこには 大きな 木造の家が一軒

そして、彼の大切な家族が、友人達が 暮らしている

「 さ、起きなさい・・・」

優しく幼児達を 揺り起こす

「 う〜ん・・・パパァ?」

「 ・・・まだ、眠い・・・」

男の子と 女の子は、愛らしい仕草で 目をごしごししている

「 家に着いたよ。 ママ達も 待っているからね♪」

子供達を抱き上げて、玄関のドアを開けた

「 ただいま〜!」

すると 走ってくる 二人の女性

子供達の声が 響いた

「 ただいま〜♪アスカ ママ!」

「 ・・・ただいま、レイ ママ・・・」

「「 おかえりなさい ♪ 」」

 

シンジにとって 愛しの我が家であった。

 

 

 

 

 

 

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ども、どらこです。

なおさん、5千ヒット 及びに HP開設3ヶ月 おめでとうございます!

え〜、これは 某紙の漫画を ネタにしました

他人が寄り添って 一軒の家で暮らす コメディです

・・・しかし、なんか 某漫画も 混ざっているし(笑)

 

これからも 頑張って下さい

 

 

 

 


 なんとっ!

 いつもお世話になっている どらこさん から 5000ヒット&開設3ヶ月記念のお話を頂きました。
 しかも『Luna Blu』にとって初投稿作品です。

 エヴァのキャラがオールキャストで総出演。うむ豪華だ。(笑)
 総勢18人をアスカがほとんど一人で養っている。
 しかもゲンドウ、冬月まで ……(笑)
 それぞれに個性がありうまく彼らの魅力が出ていて、どらこさんならではの"ほのぼの"コメディタッチに仕上がってます。
 
 アスカの子供と、レイの子供。
 どっちがリオかなぁ。(爆)
 どらこさん 素敵な小説をありがとうございましたぁ!
 
 
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