真夏の第3新東京
朝も8時を過ぎると、気温も ぐんぐん 上昇していく
その日は なんと 30度を越えていた
「 ・・・遅れる・・・遅れる・・・」
蒼銀の髪をなびかせた 紅い瞳の少女が 走る
年の頃は 10代前半だろうか?
幼さと 女らしさが 同居している 不思議な年代
彼女は 中学校の制服を着て 疾走していた
うだる様な 暑さの中
少女の額には 滴の汗が 流れ落ちる
「 ・・・転校初日から遅刻・・・問題あるわ・・・」
道ゆく人達が みな 振り返るのは、彼女が 美しいからだけでは なかった
走りながらも 両手に 持っている モノ
右手に 箸
左手には・・・丼?
走りながら
盛大な汗をかきながら
彼女は 丼から ラーメンをすすっていた
ずるずるずる♪
タッタッタッ・・・
もし ここで 彼女に 『 なんで ラーメンなんか 食べているの?』
と、聞く者が居たら、こう答えていただろう
『 ・・・私には それしかないから・・・ 』
真夏の路上で 走りながら ラーメンを食べる 美少女
ずるずると 麺をすすりがら 突進する曲がり角
そして・・・
ドカッ♪
「 わぁー!」
「 ・・・つっ 」
ゴロンと 路上に転がったのは、少年と 少女
黒髪の少年 シンジと 蒼銀の少女
「 痛っっ・・・」
腰をさすりながら 身を起こした少年の目に飛び込んできた光景は・・・
白い 細身の 素足
捲れ上がった スカート
そして その奥に・・・
思わず 顔を寄せた彼を、誰が 責める事が出来よう(力説)
健康な男子なら 当たり前の反応である(断定)
しかし・・・
運の悪い事には 定評な彼
差し出した頭の上に・・・丼が 降ってきた
ベチョ♪
逆さまになった丼は 見事 シンジの頭の上に かぶさり
ラーメンの汁やら麺やらが、彼の顔に降り注いた
「 ・・・先、行くから・・・」
少女は まるで 逃げるようにその場を離れ
全身ラーメンだらけとなった 情けない少年は 一言だけ つぶやいた
「 ・・・ニンニクの臭いがする・・・」
ラーメンの「 R 」です(爆)
なおのコメント(^ー^)/
「これは……」
そういって、シンジは目を閉じ、鼻をひくつかせる。
どこかで、感じたにおいだった。
遠い昔にあった、懐かしさに満ちたにおい。
そうだ。今朝、女の子とぶつかったときに……
目を開けると、目の前に紅い瞳が飛び込んできた。
「君は……」
続きません。(汗)