どらこさんの
KISSの温度「P」Edition 2nd

 要塞都市、第3新東京
 その地下深くの 空洞に作られた 人類の最後の砦
 ネルフ本部
 ここは 様々な謎と驚異に満ちた世界である・・・
 
 ネルフ本部 通路
 何故か 不思議な音が木霊している
 
 キュッポ、キュッポ、キュッポ、キュッポ ♪
 
 その音の発生源は ピンク色だった
 通路の半分程を占拠し、元気にスキップしている ソレ・・・
 後ろでは 尻尾が勢いよく 跳ねている
 ずんぐり むっくりした 体
 肉球らしきモノが付いている足の裏から 愉快な足音が流れている
 
 キュッポ、キュッポ、キュッポ、キュッポ♪
 
 正面から見たら、口を大きく開けた・・・怪獣
 そのマヌケな顔は あの ガチャピンと相通じるモノがある
 そして その口の奥から見える 一人の愛らしい女性の顔
 そう・・・あの 『先輩(はぁと♪)』一筋の 伊吹 マヤ ちゃんであった
 
 
 キュッポ、キュッポ、キュッポ、キュッポ♪
 
 怪獣は とある部屋の前で 立ち止まった
 部屋のプレートには 『 立ち入り厳禁! 特に マヤ 』 と書かれているが
 怪獣は気にも留めずに 部屋のノブを回そう・・・として
「 ひぃ〜ん、掴めませ〜ん♪ 」(涙)
 着くるみの怪獣の手には、ちょっと 小さ過ぎたようだった
 バキッ♪
「 あれ!? ・・・取れちゃった♪」
 怪獣は 手の中の残骸・・・かつて ノブだったモノ・・・をしばらく見つめていたが
「 なんだ、すぐ壊れるなんて ヤワイですね♪ 」
 と、ポイッと 放り投げる
 ・・・ちなみに そのドアは特殊合金製で バズーカ砲にも耐えられた筈なのだが・・・何故 壊れたのかは 不明である
 怪獣は 破壊された ドアを潜り抜けて、部屋の中へ そっと 侵入した
「 ・・・せんぱ〜い♪ 居ませんか〜? 」
 何故か 悪い事でもしているかのように 抜き足 差し足 忍び足
 そして、彼女は 待望の 『 先輩(はぁと♪)』を 発見した
 かの 『先輩(はぁと♪)』は、机にもたれて 仮眠中
 どうやら 又 徹夜で仕事をしていたらしい
 机の上には ネコ印のコーヒーカップが 鎮座している
 底にわずかに残った コーヒー滓
「 もぅ〜♪ 先輩ったら〜」
 怪獣は 頭をふりふり 眠っている先輩を責めるが・・・彼女が 徹夜になった原因の最たるモノは 怪獣の失敗である
「 でも・・・先輩(はぁと♪)たら・・・可愛い♪」
 うっとりと 寝顔を見つめる 怪獣
 見つめられた先輩の 何故かそれだけ黒い眉毛が ピクピクと動く
 眉間にしわがより、苦しげな顔だ
 眠りながらも 何かを察知したのだろう
 さて しばし 愛しい先輩(はぁと♪)の寝顔に トリップしていた怪獣であったが、やっと その苦悶の表情に気づいた
「 先輩!? ・・・先輩 どうしたんだろ?」
 怪獣は 首を捻って 考え込んだ
 そして 結論
「 あ!? 寒いんですね、こんな所で寝ていたら、風邪ひいちゃいますぅ♪」
 両手をポンと合わせると 部屋の奥に向かった
「 確か・・・ここに 毛布があった筈・・・あっ、ありましたぁ♪」
 嬉しそうな声をあげると、急いで 先輩(はぁと♪)の元に 戻ろうとした
 足音も短い
 キュッポポポポポポポポ♪
 さて、着くるみを着たまま 走ると、非常に危険である
 特に 『先輩の命が 危ない』等と 焦っていると なおさら
 で、どうなるかと 言うと・・・
 キュッポポポポポ・・・ドテッ♪
 ・・・けつまずく
 机の先輩に向かって走っていたので、結局 それは 『フライング ボティ アタック 』
 怪獣の頭突きが、先輩(はぁと♪)の頭に命中
 ガキッ♪「 ぎゃん♪」 「 くっ♪」
 丁度 額と額を ごっつんこ
 更に先輩(はぁと♪)にとって 不運な事に
 ぶつかった衝撃で、怪獣の口が大きくバウンドした
 開けっ放しの口が 勢いよく 閉じられる
 ガブッ♪
 ・・・何故か 肉を挟む音
「 うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 」
 
 寝起きにいきなり 怪獣に噛まれた リツコであった・・・
 
 
 
 ・・・これでも キスって 言うのかな?(笑)
 
 
 
「 ・・・先輩〜 」
「 ・・・ 」(怒)
「 すみませんですぅ♪ 」
「 ・・・ 」(怒)
「 あの・・・許してもらえませんよね・・・」
 涙混じりの マヤちゃんの声
 その泣声に ようやく リツコの心が納まってくる
「 まったく・・・しょうがないわね 」
 クルリッと振り返ると、マヤちゃんの瞳が 一瞬大きく見開き、そして下に俯いた
「 うっうっうっ・・・」
 じっと 下を見たまま、体を細かく震わせている
 その姿に 可哀相になったのであろう。やっと リツコの声が穏やかになった
「 わかったわ。許してあげるから もう 泣かないで・・・」
「 うっうっうっ・・・」
 怪獣の震えが 更に大きくなった
 泣き出すと ヤバイと思ったのだろう 。リツコの声が優しくなる
「 マヤ、もう良いのよ・・・」
 やっと 顔を上げる マヤちゃん
 顔を真っ赤に染めて、肩をぎこちなく 震わせている
「 せ、先輩・・・」
 そして・・・爆笑した
「 ヒィー♪せ、先輩の顔ったら〜〜〜 」
 ゴロンゴロンと 体を転がせて、大爆笑
 リツコに ハッとして 側にある 鏡を覗いた
 そこに映ったのは・・・
 リツコの顔面に くっきりと残った赤い・・・怪獣の歯形
「 な、な、な、な・・・」
「 先輩ったら、先輩ったらぁぁ、おちゃめですぅぅぅぅ」
 
 
 それから3日ほど
 ネルフ本部に、白衣を着た 顔面白い包帯のミイラ女が 出現したとか しなかったとか、不思議な噂が流れたそうである・・・
 
 ちゃんちゃん♪
 
 ピンクの怪獣の 『 P 』 です(笑)
 
 
 


 あの、「ピンクの怪獣」が登場!(^-^)/
 マヤちゃんの天然ボケの可愛らしさは健在ですぅ!(笑)
 KISS♪されたのは、リツコさんでしたけど、
 さすがは怪獣マヤちゃん、破壊力抜群です♪
 
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