どらこさんの
KISSの温度「」Edition 19th
ホワイトデー・すぺしゃる♪


 それは3月14日の 事・・・
 
 
 地底深くに設置された ネルフ本部
 更に地下深い場所にある・・・ネルフ総司令 碇ゲンドウの 部屋
 その部屋の中 ゲンドウと冬月が いつもの仕事をこなしていた
 時計が午後5時を指そうとしてる頃
 ゲンドウは机の上の書類を片づけ始める
 
「 なんだ? 今日はもう終わりか?」
 不思議そうに 声をかける 冬月
 どう見ても ゲンドウの仕事が 全て済んだようには見えない
 すると 碇司令は 書類を仕舞いながら 『 ニヤリッ 』と笑った
 
「 ・・・ふっ、今夜は忙しいものでな 」
 
「 今日? 確定申告でもするつもりか?」
 
 ちなみに 申告期限は3月15日である
 もちろん、某男のように ぎりぎりになるまで 申告書類を書いている訳でもなく、そもそも 国際公務員である彼は 書く必要さえない
 
 冬月の質問に 男は嘲笑の笑みを浮かべる
「 ふっ、今日は何の日かも わからなくなったか・・・無様だな 」
 そして机の一番下の引き出しを開けた
 冬月が覗き込んでみると、その中にあったのは・・・箱
 ピンクや赤の包装紙に包まれ、色鮮やかなリボンで飾られた いくつもの箱
 思わず うめき声を洩らす 老人
 
「 ま、まさか・・・これは?」
 
「 ・・・ふっ、バレンタインの チョコだ 」
 がっくりと頭をたれた老人を 男は微笑みながら 見下ろした
 
 
 ネルフのトップの位置にある ゲンドウと 冬月
 その為か 2月14日になると かなりの数の 『義理チョコ』を貰っていたのだ・・・
 ・・・そう 今までは
 しかし
 今年は 違った
 
 全ては 男の『癒し』の所為
 
 ネルフの女子職員達は
 下手に『義理チョコ』なんぞを配ったら、『三倍返し』の『癒し』があるのではないか と 恐れたのだ
 ・・・それは あながち 間違いでもないのだが
 それで 今年は自粛しようという動きになり
 司令にもあげないのだから、副司令にだけ 配る訳にもいかず
 今年の冬月は いささか 寂しい バレンタインを迎えたのであったのだが・・・
 
 
「 ・・・何故だ? 何故、お前が・・・」
 
 震える声の老人に、勝ち誇った顔の ゲンドウ
「 ふっ、知らなかったか?私はこの街の少女達にも 人気があるだよ・・・」
 
 そう言って チョコに添えられた カードを見せる
 丸っこい字で 書かれた その メッセージは・・・
 
 【 碇くんへ( はぁと) 】
 
 
「 ふっ、何故か アスカ君やレイが 私宛ての チョコレートを沢山 持ってきてくれてね・・・ふっふっふっ この私の事を 『 碇くん 』と呼んでいるとか・・・今時の 女子中学生というのも 無邪気なモノだな・・・」
 
 ちょっと 頬をピンクに染めて ニヤニヤと微笑む ゲンドウ
「 当然、三倍返しだな・・・」
 と、何処からか 『ホワイトチョコ』を取り出すと、そのピンクの唇に塗りたった
「 ・・・そんな訳で 今夜は 忙しいのだ 」
 
 
『 碇、それは違うぞ 』
 老人は何度 心の中で 叫んだだろう
 しかし 遂に口にする事はなかった
『 勘違いの反動』が他の人・・・この場合 すぐ脇に居る 自分に返ってくる事を 恐れたのだ
 
『 すまん、わたしには 君達を救う事は出来ない・・・無力なわたしを 許してくれ・・・』
 心の中で血涙を流し、老人は顔を背ける
 
 唇にチョコを塗り終わると ゲンドウは メモを取り出す
『三倍返し』の少女達の アドレス
「 ふむ、ナオミにチズル、クーコ、ペーコ、・・・これは愛称だな。ラビス・・・外人か?・・・トオルにケン? ひょっとして男か?」
 
 そして白い唇を不気味に歪ませた
 
「 全然、問題 ない 」
 
 
 
 
 
 この話は フィクションです
 従って 実在する人物 ハンドル名とは 一切 関係ありません(笑)
 

 

 

 

 


管理人のコメント
 どらこさんから、ホワイトデー記念に頂いてしまいました。
 一ヶ月ぶりの『G』です。(^^;
 
 ……三倍返しですか。
 やられたほうはいい迷惑ですね。
 いや迷惑というより、下手すると『死』ぬかも。(^^;
 
 しかし……ハンドル名。
 いやだなぁ。(^^;
 
 この作品を読んでいただいたみなさま。
 のあなたの気持ちを、メールにしたためてみませんか?
 みなさまの感想こそ物書きの力の源です。


 どらこさんのメールアドレスは seiriyu@e.jan.ne.jpです。

 さあ、じゃんじゃんメールを送ろう!


△INDEX