どらこさんの
KISSの温度「」Edition 18th
バレンタイン・すぺしゃる♪


 それは2月14日と 15日の 境目の時間
 
 古ぼけた鏡台に伸びる ひとつの腕があった
 
 かすかな 軋む音をたてて 扉は開かれ
 3枚の鏡が久しぶりに光を反射する事になる
 深夜、合わせ鏡の中から 『悪魔』が出現するという伝説もあるが
 その日 三面鏡の中で 無限に映ったのは・・・
 
 黒き癒し人
 
 男は数限りなく増えた 自分の虚像に向かって 笑う
「 ・・・ふっ 」
 すると 鏡の中の数万の癒し人も 一斉に笑った
『 ・・・ふっふっふっふっふっ 』
 
 
 
 
 今宵はクリスマスと並ぶ 『聖なる日』
 しかし それにも関わらずに
 あちらこちらで 男達の悲哀が流れる
 嘆きの声 諦めのため息 寂しそうな微笑み
 たかが ひとつの西洋菓子に振り回される 人々
 彼等はやはり・・・『癒し』を 求めているのだろうか?
 
 鏡の中の癒しの天使
 血色の悪い肌
 内臓をぶちまけたような色の 赤黒いサングラス
 顎を覆う 魔界の森みたいに 深き闇
 そして その中で 何故か 艶々した色彩を放つ・・・毒々しいピンク色の食肉花
 その花が 不気味に歪む
 
 にやりっ
 
 
 男は人差し指をその唇に添えた
 そして ゆっくりと なぞる
 ・・・すると どうだろう
 
 ピンク色のそれが 闇に染まった
 明るい赤が混じった それは・・・チョコレート色
 
 黒き唇となった 癒し人は 妖しく微笑んだ
 
「 これが 本当の『キスチョコ』だな・・・」( にやりっ)
 
 
 
 
 
 
 警告しよう
 チョコが得られなかったからといえ 嘆いてはいけない
 黒い癒し人が てぐすね引いて 待っているのだ
 
 あなたを 『癒す』ために・・・
 
 
 モニターに 男の影が 映ってないだろうか
 
 背後に 妖しい気配が 感じないだろうか
 
 そして 首筋にかかる、どこか甘い腐臭が混じった 男の息を・・・
 
 振り向いたあなたの目に映るのは・・・
 
 闇色の髭に包まれた 艶々した黒い唇
 
 そして・・・
 
 ・・・地底から響くような 低く冷たい声
 
 
「 ふっ、問題ない・・・」
 
 
 
 
 
 聖夜に 癒される あなたに 幸あらんことを・・・(笑)
 
 
 
 
 
 


管理人のコメント
 どらこさんから、バレンタイン記念に『KISSの温度「G」』のスペシャルを頂いてしまいました。
 うっうっうっうっ
 今回「G」は、何もしていないのに……怖いよぉ。(^^;
 
 しかし「G」
 17thで一つになったと思ったら……
 この世に、嘆きの人がいる限り「G」は何処へでも現れるのですね。
 イヤすぎるぅ〜〜!(^^;
 
 一刻も早い「G」の成仏をお祈りします。(^^;
 
 この作品を読んでいただいたみなさま。
 のあなたの気持ちを、メールにしたためてみませんか?
 みなさまの感想こそ物書きの力の源です。


 どらこさんのメールアドレスは seiriyu@e.jan.ne.jpです。

 さあ、じゃんじゃんメールを送ろう!


△INDEX