どらこさんの
KISSの温度「G」Edition 15th

「 う、うわぁぁぁぁぁぁ、止めてくれぇぇぇぇ 」
 
「 だ、誰かぁぁ〜〜! 助けてぇぇぇぇ〜〜〜 」
 
「 ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ 」
 
 今日もこの街に 悲鳴が轟く
 闇の中を 黒いマントをなびかせた影が 蠢く
 月の光に照らされた奴の顔は、赤いサングラスに反射して 『ニヤリッ』 と 光った・・・
「 ふっ、問題ない・・・」
 
 
「 ・・・はぁぁぁ 」
 自分のデスクに座った 冬月から 思わずため息が洩れる
 目の前に積み上げられた 書類の山
 唯でさえ、雑用が多いのに
 最近では とある仕事まで増えた
 
 ・・・『G』 に対する 抗議、告発、嘆願、苦情 である
 
 彼の上司は 自分の仕事まで 彼に押し付けて 今日も街の中をさ迷っているようだ
 ・・・獲物を見つける為に
 最近 都市伝説と化している 『 赤いサングラスの悪魔 』
 どうやら、一部では ネルフ関係者と気づかれてしまったようで
 抗議と苦情が 殺到していた
 なんせ、その『悪魔』の正体が ネルフの『総司令』である
 もはや、広報部や 総務部の手におえず、諜報部もさじを投げ
 結局、組織のナンバー2の所に流れ込んでくる
「 ・・・こんな事、俺のシナリオには無いぞ・・・」
 ガックリと肩を下ろす老人
 と、
 ガチャリ と扉を開けて、その噂の主が帰ってきた
 ・・・何故か 最近 お気に入りの黒いマントをはためかせている
 冬月の机の上の書類を見るなり
「 ・・・やるなら早くしろ、でなければ帰れ 」と、偉そうな台詞
 これには 思わず キレル
「 誰の所為だと 思っているんだ!」
 しかし ヒゲは、老人の怒鳴り声にも ニヤニヤ笑っているだけ
「 これも、それも お前の所為だろうがっ!」
「 ・・・・・・ 」
「 見ろ、この抗議の山をっ! これは市議会から、これは 警察から、これは消防署からだっ!」
 書類を投げつけながら 怒鳴る 冬月
「 まだあるぞ! これは教育委員会から、これは病院関係者からっ! この他に 組合やら 学校やら 自治会やら! 個人からのも合わせたら どんな事態になると思っているんだっ!」
 荒い息を ゼィゼィ とついている
「 おかげで この3日間 俺は徹夜なんだぞ!」
 大きな声が響き渡った
 
 大声を出し切った冬月に、ヒゲは ニヤリッ と微笑む
 そして
「 ・・・何だ、疲れていたのか?」
 その低く不気味な声で、一瞬にして冬月は理性を取り戻した
「 ふっ、なら 癒し「 いやぁ〜〜、今日も爽やかな一日だねぇ〜♪ 」
 元気な声を張り上げると、陽気にスキップなんかしたりする
「 は、は、は♪ 活力が有り余っちゃって・・・そうだ! これから マラソンなんか行ってこよう♪ 」
 わざとらしい声で スキップしたまま 廊下に出ていった
 
 ヒゲは3分ほど 冬月が出ていった扉を眺めていたが
 おもむろに 受話器を取り出した
「 ふっ、私だ。副司令の現在地を知りたい・・・」
 電話の向こうは ネルフ諜報部
 報告によると、本部から出て ジオフロントの池の側・・・そう あのスイカ畑にまで来ているらしい
 ・・・ちなみに本部から20キロ程の距離だ
 その距離を全力疾走してきたのだろう。今は地面に倒れて 疲労困憊らしい
 医療班でも 呼びますか? という問いに、ヒゲは にやりっ と笑う
「 ふっ、私が行こう 」
 受話器を置くと ゆっくりと立ち上がった
「 ・・・『癒し』は万民に平等であらねばならぬ。遠慮する事は無いぞ、冬月・・・」
 そして、黒いマントをひるがえして 部屋を出ていった
「 ふっ、問題ない・・・」
 
 
 
 ジジイ同士のキスシーンは なぁぁぁ
 書きたくないよなぁぁぁ
 と、言う事で
 
 
 走りすぎて ガクガクの足
 動けない冬月に迫る 黒い影
「 ま、待て、碇! お、俺は、元気だっ! だ、だから・・・」
「 ふっ、そんなに息を弾ませて・・・遠慮する事はないぞ 」
「 い、いや、ち、違うんだっ! そ、それは・・・&%$ ̄{%&¥ーーーーーーーーーーー」
 スイカだけが声にならない悲鳴を聞いたそうである・・・
 
 
 


 爆笑!\(≧O≦)/
 
 いやー、今回の犠牲者――もとい、癒され人は冬月でしたか。
 じぃさん同士の×○シーンは書かなくて正解です。
 書かれていなくても、想像してしまいましたから、手遅れかもしれませんが。
 うっ。(^^;;;
 
 
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