「 う、うわぁぁぁぁぁぁ、止めてくれぇぇぇぇ 」
「 だ、誰かぁぁ〜〜! 助けてぇぇぇぇ〜〜〜 」
「 ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ 」
今日もこの街に 悲鳴が轟く
闇の中を 黒いマントをなびかせた影が 蠢く
月の光に照らされた奴の顔は、赤いサングラスに反射して 『ニヤリッ』 と 光った・・・
「 ふっ、問題ない・・・」
「 ・・・はぁぁぁ 」
自分のデスクに座った 冬月から 思わずため息が洩れる
目の前に積み上げられた 書類の山
唯でさえ、雑用が多いのに
最近では とある仕事まで増えた
・・・『G』 に対する 抗議、告発、嘆願、苦情 である
彼の上司は 自分の仕事まで 彼に押し付けて 今日も街の中をさ迷っているようだ
・・・獲物を見つける為に
最近 都市伝説と化している 『 赤いサングラスの悪魔 』
どうやら、一部では ネルフ関係者と気づかれてしまったようで
抗議と苦情が 殺到していた
なんせ、その『悪魔』の正体が ネルフの『総司令』である
もはや、広報部や 総務部の手におえず、諜報部もさじを投げ
結局、組織のナンバー2の所に流れ込んでくる
「 ・・・こんな事、俺のシナリオには無いぞ・・・」
ガックリと肩を下ろす老人
と、
ガチャリ と扉を開けて、その噂の主が帰ってきた
・・・何故か 最近 お気に入りの黒いマントをはためかせている
冬月の机の上の書類を見るなり
「 ・・・やるなら早くしろ、でなければ帰れ 」と、偉そうな台詞
これには 思わず キレル
「 誰の所為だと 思っているんだ!」
しかし ヒゲは、老人の怒鳴り声にも ニヤニヤ笑っているだけ
「 これも、それも お前の所為だろうがっ!」
「 ・・・・・・ 」
「 見ろ、この抗議の山をっ! これは市議会から、これは 警察から、これは消防署からだっ!」
書類を投げつけながら 怒鳴る 冬月
「 まだあるぞ! これは教育委員会から、これは病院関係者からっ! この他に 組合やら 学校やら 自治会やら! 個人からのも合わせたら どんな事態になると思っているんだっ!」
荒い息を ゼィゼィ とついている
「 おかげで この3日間 俺は徹夜なんだぞ!」
大きな声が響き渡った
大声を出し切った冬月に、ヒゲは ニヤリッ と微笑む
そして
「 ・・・何だ、疲れていたのか?」
その低く不気味な声で、一瞬にして冬月は理性を取り戻した
「 ふっ、なら 癒し「 いやぁ〜〜、今日も爽やかな一日だねぇ〜♪ 」
元気な声を張り上げると、陽気にスキップなんかしたりする
「 は、は、は♪ 活力が有り余っちゃって・・・そうだ! これから マラソンなんか行ってこよう♪ 」
わざとらしい声で スキップしたまま 廊下に出ていった
ヒゲは3分ほど 冬月が出ていった扉を眺めていたが
おもむろに 受話器を取り出した
「 ふっ、私だ。副司令の現在地を知りたい・・・」
電話の向こうは ネルフ諜報部
報告によると、本部から出て ジオフロントの池の側・・・そう あのスイカ畑にまで来ているらしい
・・・ちなみに本部から20キロ程の距離だ
その距離を全力疾走してきたのだろう。今は地面に倒れて 疲労困憊らしい
医療班でも 呼びますか? という問いに、ヒゲは にやりっ と笑う
「 ふっ、私が行こう 」
受話器を置くと ゆっくりと立ち上がった
「 ・・・『癒し』は万民に平等であらねばならぬ。遠慮する事は無いぞ、冬月・・・」
そして、黒いマントをひるがえして 部屋を出ていった
「 ふっ、問題ない・・・」
ジジイ同士のキスシーンは なぁぁぁ
書きたくないよなぁぁぁ
と、言う事で
走りすぎて ガクガクの足
動けない冬月に迫る 黒い影
「 ま、待て、碇! お、俺は、元気だっ! だ、だから・・・」
「 ふっ、そんなに息を弾ませて・・・遠慮する事はないぞ 」
「 い、いや、ち、違うんだっ! そ、それは・・・&%$ ̄{%&¥ーーーーーーーーーーー」
スイカだけが声にならない悲鳴を聞いたそうである・・・
爆笑!\(≧O≦)/
いやー、今回の犠牲者――もとい、癒され人は冬月でしたか。
じぃさん同士の×○シーンは書かなくて正解です。
書かれていなくても、想像してしまいましたから、手遅れかもしれませんが。
うっ。(^^;;;
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