「 七夕、やるわよ！」
　そんなミサトの一言で、シンジとアスカ それに 何故か レイまで 集められて、七夕の笹を 飾らされていた
　
「 ねぇ、シンジ・・・七夕って 何？」
　ふと 手を休めて アスカが尋ねる
　隣では レイも不思議そうに 首を傾げていた
「 いや、僕も よく知らないんだけど・・・一年に一度の お祭りで、夜空に願いをかけるんだって・・・」
「 へぇ〜・・・一年に 一度ね・・・」
「 ・・・夜空に願い・・・そう 良かったわね・・・」
　そんな３人に 電話のベル
　シンジが取ると、ミサトから 忘れ物を持ってきてくれ・・・との事だった
「 何だ、ミサトさんもなぁ〜・・・」
　シンジは ブツブツ言いながら 押し入れの中を引っ掻き回す
　そしてお目当てのモノを引っ張り出すと
「ごめん。僕 これから ネルフに行ってくるから・・・後は 簡単だよね？」
　シンジの用意した 飾り付けは ほぼ 終わっていた
「 わかったわよ。残りは アタシ達でやっておくから！」
　アスカの言葉に 安心して シンジは 出ていった
　事実、５分程で 七夕の飾り付けは 終了する
「 ふぅ〜 終わったわね・・・」
　と、改めて 笹を見る アスカ だったが・・・
「 ・・・何、これ？ なんか貧相よね。」
　まだ 肝心の短冊が 飾られてない ソレは、どこか 寂しそうである
「 何か もっと パッとしないのかしら？ 一年に一度でしょ？」
　そう言って 見渡すアスカの瞳に、押し入れから 引っ張り出された ダンボール箱が 映った
「 そうよ！ これよ！」
　
　
　２時間後 シンジ帰宅
「 ごめん、ごめん。 途中で ミサトさんがね・・・」
　リビングに入ってきた シンジの口が 何故か止まった
　シンジの目に 飛び込んできた モノ
　それは・・・
　多分・・・笹？
「 あっ、シンジ！ おかえり〜♪どう 良いでしょう？」
　そう 多分 笹・・・
　赤や青の小さな電球が 色とりどりに点滅し
　何故か 白いワタが 飾り付けられ
　頂上には 銀色の星が 輝いて
　途中で サンタクロースと 天使の人形が 挨拶していても
　それは さっきまで シンジが 飾っていた 笹 だった・・・
「 ふふん、年に一度だもんね♪」
　アスカは 嬉しそうに カボチャの中身をくり貫いている
　どうやら オバケを象った ランプを作るらしい
　シンジが 唖然としていると、再び 玄関のドアが 開いた
「 あっ、綾波！ こ、これ、見てよ・・・」
　振り返った シンジの口が 又もや 止まる
　両手一杯の荷物を運んできた レイ
　月見まんじゅう と ススキ
　そして 何故か 紅白のリボンを巻かれた シンジの写真の額縁だった・・・
「 ・・・だって、夜空に 祈るんでしょ？」
　
　
　
　
　
　その数時間後
　ミサトが 帰ってくる
　両手に 幻の純米酒を抱えて
「 やぁ〜、ごめんね♪ 遅くなっちゃったわね・・・」
　ミサトの声が 思わず 止まる
　両手の一升瓶が 落ちそうになったが、さすがに それを 割る事はなかった
　ミサトの目に 飛び込んできた 情景
　
　リビングの中央には お雛様の雛壇
　一番上には ３つの写真
　当然 シンジを真ん中に アスカと レイ
　紅白のリボンで 巻かれて、何故か 写真に 一つずつ お線香が 立てられている
　２番目の棚、真ん中に 紅白の餅 その周りには 茄子や胡瓜に箸を刺した動物の人形
　両端では オバケカボチャのランプが 妖しい光を放っている
　一番下には 月見まんじゅう
　お雛様の菱餅やら 甘酒が添えられて 端では ススキが 揺れていた
　右にアスカ
　何やら 妖しい魔女の扮装をしている
　大きな太巻きを食べながら、時々 あっはっは♪と 笑い声を 夜空に飛ばしていた
　左には レイ
　まるで 平安朝の 古めかしい着物を着て
　大きな竹のたらいの中に ちょこんと 座っていた
「 葛城三佐・・・それ・・・」
　と 指差す先には
　鬼の面、緑色のカツラ、そして 升に盛られた豆 と トラシマのパンツ
　部屋の角には 体育座りのシンジ
　何やら 真っ白に 燃え尽きて 灰と化している
　そして 小さく つぶやいた
「 ・・・ミサトさん・・・七夕って こうでしたっけ？」
　
　

なおのこめんと
　七夕記念にどらこさんから掲示板にいただいたやつを再掲載しました。
　改めて読むと……電波がびんびん飛んでますね。カオス的な状態で、シンジが真っ白な灰になったのもうなづけます。(笑)
　
　アスカが「あっはっは♪」と夜空に向かって気をはくところは最高ですね。そして、やはりかぐや姫なのでしょうか、たらいにちょこんと座ったレイもとってもかわいいです。
　
　> ちなみに 太巻きを食べてとある方角に 笑うと 縁起が良いとか・・・
　> どこの行事だったかな？
　これちょっと調べたんですけど、わかりませんでした。
　どなたか知っている方いらっしゃるでしょうか？(汗)
　
　というわけで、強制サルベージ、完了！(笑)
　
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