と:トロピカルホリデー
「絶対水族館っっ!」
「却下っ!絶対却下っ!」
「ヤダ〜!!行きたい行きたいっっ!」
「駄目っつったら駄目だっ!」
「新しく出来たんだもん!じんべえざめ居るんだもんっっ!」
「んなの、見なくて結構!」
「行きたいったら行きたいのっ!」
「駄目だっつったら駄目だっ!」
「・・・良いもんっ!だったら白馬君と行くっ!」
「行けるもんなら行ってみやがれっ!全力で阻止してやるっっ!!!」
「酷いっ!ばかばか!えっちっ!すけべっ!意気地無しっ!大嫌っ・・んぅ〜〜〜!!んぅっっ!!!ん!!!っ・・・ん・・・ぁ・・・」
「・・・んで、何処に行く?」
「・・・ばかぁ・・・」
「久し振りだし体動かしたいなぁ。」
「そうですね〜。バッティングセンターでも行きますか?」
「・・・私、もしかして女に見られてない?普通デートにバッティングセンターを組み込む?」
「あっ!スミマセンっ!!えっと、その、僕結構行くものですから・・・」
「ふぅん?鍛えてるんだ?」
「わぁ?!何処触ってんですかっ!」
「うふふ。」
「ええっと、じゃあ。・・・何処に、行きます?」
「屋内型のプール行かない?水着新調したから、一番初めに見せてあげる。」
「えっ!」
「ビキニよ〜。結構大胆な。・・・嬉しい?」
「・・・」
「ちょっとぉ。見ても無いのに赤面するの、止めてよね?」
「終わった・・・」
「お疲れ様。今回は長い修羅場だったわよね〜。」
「さすがにこの年で3連徹は辛いな。」
「自業自得でしょ〜?」
「さて、私は天国に行って来るかな?」
「あら、奇遇。私も天国に行く予定よ。」
「一緒に寝るのかい?」
「選んで良いわよ?1、ハワイの別荘。2、スイスの別荘。3、セイシェルの別荘。どれが良い?」
「・・・すまないが、私は体力の限界だ。行くなら一人で頼む。」
「何処が良い?」
「眠くて死にそうなんだ。」
「好きな所で良いわよ?」
「だから・・・」
「何・処・が・良・い??」
「・・・分かったよ。何処へなりともお供しよう。用意周到な君の事だ。もう支度は出来ているんだろう?」
「色気無い格好やな〜。」
「開口一番それなん?どうせあんたと出掛けるんやもん。お洒落したって意味ないやん。」
「膨れんなや。」
「ええやん。はよ行こ?」
「開幕まで時間は仰山ある。着替えて来い。」
「へ?嫌や、面倒やし。」
「言う事聞けや。ほれ行った行った。」
「なんやの!もう!」
「臍や何や出すかっこはアカンからな。余所行きのかっこやで。ほれ、ひらひらしとるスカートの1枚や2枚持っとるやろ。」
「・・・野球、見に行くんと違うん?」
「見に行くで。」
「じゃなんでジーンズやアカンの。」
「・・・着替えて来いや。後で分かるんや、ぐだぐだ言わんとはよしぃや。」
「あ・・・なぁなぁ。野球の後にどっか連れてってくれるん?」
「はよせい!時間ないでっ!」
「は〜い♪」
「ねぇ・・・無理しないで?」
「別にしてねーって。」
「でも、顔色悪いよ。やっぱり帰ろう?家でのんびりしようよ。読みたい本も溜まってるでしょ?」
「そんなのいつでも出来るじゃんか。チケット勿体ねーし。行こうぜ。」
「でも・・・」
「遠慮すんなよ。オメーだって楽しみにしてただろーが。俺に隠れてパンフレット読み漁ってたくせに。」
「えっ?!そ、そんな事してないもん。」
「嘘吐き。ガイドブック3冊買い込んで、更に図書館で2冊も借りた女が何言ってんだか。」
「何で知ってるの・・・?」
「探偵だから。」
「・・・でも、疲れてるでしょ?」
「向こうでゆっくりする。バカンスなんだからさ。何もしないでオメーと食って遊んで寝てりゃ回復するさ。
」
「でも。」
「だぁ〜〜!!オメーは『でも』しか言ってねーぞっ!俺と行くのヤなのかよ。」
「やじゃないよっっ!」
「んじゃ、決まり。行くぞっ!」
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