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172、潰瘍性大腸炎とダイオキシン


着信:
 こちらのホームページとは趣旨が違うかもしれませんが、お尋ねします。
 私の知人で、工場で働いている人がおり、一昨年ある難病になりました。本人は、工場から発生するダイオキシンが原因ではないかと思っています。血液中のダイオキシンの量を測る検査などは、一般の病院でもやっているのでしょうか?またそういう設備の整った会社はあるのでしょうか?(会社が定期的に検査してくれるようなところはありますか?)
 もしご存知でしたらよろしくお願いいたします。


返信:
xxx 様

 メールありがとうございました。
 お尋ねのダイオキシンの分析、一般の病院ではまず分析できないと思います。ダイオキシンの分析はかなり高度の技術が必要です。公的機関としては、都道府県、政令指定都市立の衛生研究所で測定可能かもしれません。また、会社としては、作業環境測定を業としている会社があります。このような会社の中にはダイオキシンを測定できるところがあると思います。分析料金は3-5年位前では1検体30-50万円でした。最近はダイオキシン汚染が広がっていることが分かってきて、分析できるところが増えて、競争もはげしくなってきたために、分析料金は20万円くらいまでに下がったと聞いたことがあります。

 「難病」にかかられた人はどのような工場で働いていて、どのような難病にかかられたのでしょうか。許せる範囲でお聞かせ願えれば私の勉強になります。

2001年4月5日
天野松男


着信:
 早速のお返事をありがとうございました。
 私も同じ病院に入院していて、そのときに話を聞いただけなので、詳しい事はよくわかりませんが、わかる範囲でお話します。

 病名は、潰瘍性大腸炎です。原因不明の難病で、大腸に潰瘍が出来て、激しい下痢や血便を伴う病気です。現在のところ完治する方法はなく、手術で大腸を全摘出するしかないみたいですが、そうなると一生人工肛門になります。

 一番の原因はストレスではないかと言われています。彼が言うには、同じ工場で働いていた人のなかで、もう一人難病になった人がいるとの事で、もしかしたら工場自体に問題があるのではないかと思い立ったようです。労働は夜勤などもあり、かなりハードだそうです。ペットボトルを組み立てたり、病院の点滴のルートについてるプラスチックの部品を作ったりする工場だと聞いたように記憶しています。

 もう一人の同僚の方の病名は、多発性硬化症??だったと思いましたが間違っているかもしれません。

 潰瘍性大腸炎の彼の方は、まだ入院中であり、そろそろ退院の話が出ているようですが、ダイオキシンのせいで病気が誘発されたとしたら、今の会社を辞めるつもりだと話していました。そこで、血液中のダイオキシンを測定出来る設備や病院があるか、調べて欲しいと頼まれて、メールで質問させていただきました。

 詳しくは彼本人の方からメールで聞くように、ホームページのアドレスと天野さんのメールアドレスを教えたので、多分本人からも、メールが届くと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ご丁寧に教えていただきまして、ありがとうございました。

xxx


着信:
初めまして xxxといいます。
xxxさんから紹介してもらったものです。
以下のような文面を送ってもらったので質問に答えたいと思います。

  (上記の天野の返信メールの引用につき省略)

 私はxxx県のプラスチック容器製造の会社に勤めています。
 私の担当は製造管理と製造ラインを組む仕事をしています。現在、プラスチック製造機は20台くらいあります。10台ずつ二部屋に分けていてそのひとつの部屋にペットボトル成形機が4台あるのですがペットボトルを作るとき約280度で樹脂を溶かして金型で成形します。温度が高いほど白い煙が出てその煙が白い泡のような状態で空中に浮遊するのです。あまりにも白い泡状の物体が浮遊するので会社は慌ててダクトをひいて会社の外に排出してたので安心してたのですが。会社の外を見たときビックリしたのです。ダクトの換気口の下にはえてる草が雪が積もったように白い泡が積もっていたのです。ダクトを付けるまでこれだけの化学物質を吸入してたと思うとダイオキシンも含まれてるのではと怖いくらい思いました。会社のほうも原料メーカーのクラレさんに問い合わせて問題の白い泡のことを問い合わせた所人体に影響がないので心配ないとのことでした。会社の社長さんも気にしていたのでxxx化学に問題の白い泡の分析を依頼したのですが、回答は何の物質かわからず今ではそのままになっています。

 私がダイオキシンが関係あるのかと疑い出したのは去年の10月x医科大学病院のx教授を受診したときでした。仕事は何をしてるのかとたずねられたときプラスチックの製造とこたえて仕事内容も簡単ですが説明し、そして会社の設備などの説明もしました。するとx教授は、それはダイオキシンの影響があるので会社直ぐに辞めなさいと言われました。そして即入院するように言われ入院することにしました。

 x教授がおっしゃるには潰瘍性大腸炎をおこしたのもダイオキシンの影響があるので徹底的に調べましょうとのことでした。x医大を受診したのは潰瘍性大腸炎でステロイド剤(ステロネマ お尻から入れる液体の注腸剤 100cc)を毎日していて半年後に副作用で骨そ梢症で骨年齢98歳まで落ち同時に副腎ホルモン低下したためステロイドの治療が出来ないため白血球除去療法をするためでしたが症状が軽くなっていたため適用外で治療の対象から外れてしまったのです。

 そこでダイオキシンだけでも調べてもらおうと思いx教授にお願いしたら私の主治医に検査するよう何回か言ってくださったのですが主治医の先生の考えが違っていたので結局見てもらえなかったのです。退院後、現在入院中の病院でダイオキシンの検査の依頼をしたのですが設備のある会社がなく断念した次第です。どうやら薬を吸収しやすい体質らしく珍しい体らしいのですがまだ、ステロイド奪離症候群と慢性膵炎の疑いがあるのです。合併症があまり、なりにくい病気ばかりなるし短期間でステロイドの副作用が出るしダイオキシンの影響でこのようなことが起こるのではと心配なのです。では、よろしくお願いします。

xxx


返信:
xxx 様

 メールありがとうございました。
 原因不明の病気で心配ですね。心中お察しいたします。
 私は医師ではありませんので、医学的なことはきちんと答えられませんが、以下のようなことについてお知らせください。

(1) 潰瘍性大腸炎について、既にお調べになってご存知かもしれませんが、私は知りませんでしたので、医学大辞典を引くと、次のように記述されていました。

****引用はじめ
 大腸,特に直腸粘膜および粘膜下組織を侵し,びらん,潰瘍を形成する原因不明の慢性炎症性腸疾患である.30歳以下の成人に多い.腹痛,下痢,粘血便が反復して出現する.注腸透視にて多発性微小潰瘍,偽ポリープ,管腔狭小化などの所見をみとめ,その主たる病型により,萎縮型,偽ポリポーシス型に分類される.生検標本では,非特異的炎症性反応,大腸粘膜の腸腺に陰窩膿瘍がみられる.病変部位(直腸炎型,左側結腸炎型,全結腸炎型),病期(活動期,寛解期),臨床経過(再発寛解型,慢性持続型,急性電撃型,初回発作型),重症度などの分類で病像が明確となる.合併症として,口内炎,関節炎,肛門周囲膿瘍などがあり,中毒性巨大結腸の出現は予後を極めて不良にする.また本症では大腸癌の発生頻度が高い.内科的治療では,心身の安静,高カロリー低残渣食,完全静脈栄養,スルファサラジン,ステロイド剤,ACTH,免疫抑制剤の投与,ステロイド剤注腸などが行われる.中毒性巨大結腸症,腸管の狭窄穿孔,癌化,大出血,劇症型では外科手術の絶対適応となる.
*****引用終わり

(2) 原因不明だからダイオキシンの事は全く書いていませんが、x教授のお考えではダイオキシンと関係があるというわけですね。一方、主治医の先生は、どうもそのようではなく、ダイオキシンの検査をしなかったのですね。この主治医の先生はやはり大学病院の先生なのですか。それとも、大学病院以外の医療機関の先生ですか。

(3) ダイオキシンについては、その毒性はある程度知られていたのですが、最近環境ホルモンとの関係で、改めてクローズアップされ、毒性のチェックが行われています。動物実験の結果からは、ダイオキシンは、急性毒性、慢性毒性、発ガン性、生殖毒性、催奇形性、免疫毒性等があるようです。これらの毒性と潰瘍性大腸炎をあえて結びつけると、免疫毒性と関連するかもしれませんね。しかし人体への毒性は分かっていないことが多く、確定的なデータはあまりありません。過度のダイオキシンを吸収すると「塩素ざそう」といって、にきびの先端が黒くなったようなものが皮膚にできます。xxxさんにその様なものがありますか。

(4) ダイオキシンの人体への毒性ははっきりしていないとは言っても、それは低濃度の場合ですが、毒性があることははっきりしています。それで、白い泡の件ですが、それを吸入したのはxxxさんだけですか。回りの労働者はどうでしたか。回りの労働者に黒っぽいにきびのようなものはありませんでしたか。

(5) 化学物質の影響は個人差がありますので、みなが同じように障害を受けるとは限りませんが、ある程度以上の濃度になると個人差を超えてみんなに同じような症状が出ます。xxxさんの仲間の労働者にxxxさんと同じような症状を持ったり、病院にいったりした人がいますか。

(6) ダイオキシンは一般に化学物質の燃焼過程で非意図的に生成します。xxxさんの工場ではその様な化学物質が燃焼する過程がありますか。白い煙が出ていたとありましたが、それはものが燃焼した煙ですか、それとも何かの蒸気のようなものですか。

 以上のような点について、よろしければ状況をお知らせください。それから、以下は私の勉強のためですが、xxxさんの事をもう少し教えていただけませんでしょうか。

(7) xxxさんのご家族の事と既往歴
・年齢○歳
・○人兄弟のxxxさんは何番目
・結婚されているのなら子供○人
・喫煙、飲酒の量
・既往歴;いつごろどんな病気をしたか
・アレルギー性体質かどうか

少し長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。
2001年4月8日
天野松男


着信:
天野さんメールありがとうございます。
番号順にお答えします。

(1)天野さんの書いておられるとおりです。
 僕の場合は全大腸型だと思います。発症当時は症状も軽度でステロイド剤注腸とサラゾピリン(ペンタサ)で症状は寛解の状態でしたがステロイドの副作用で背骨が骨粗しょう症になりしゃ骨神経症と前から持病のヘルニアが悪化そして副腎ホルモン低下症 尿管結石(これはペンタサの副作用でなりやすいらしいです。それに、骨粗しょう症でカルシュウム剤を飲んでるから血中のカルシュウムが多いのも原因らしいです。) 現在は診断はついていませんがステロイド離脱症候群と慢性膵炎の疑いです。

(2)そうです。x教授のお考えではダイオキシンと何かが複雑に連鎖して潰瘍性大腸炎をおこしたとはっきり言われました。x教授の診断では僕の場合はかなりの重症の診断でしたが入院後の主治医(大学病院の先生)の診断では軽度の潰瘍性大腸炎との診断でした。

(3)にきびはたくさん背中・肩・腕にたくさんでてるのですが先端が黒くはなっていません。主治医の先生の話では僕の場合ステロイドの副作用で出てると聞きました。

(4)(5)白い泡の件
 白い泡はペットボトル製造にかかわっている人すべて吸っていますが(約8人)、そのうち僕と同期入社の同僚が同時期に多発性硬化症を発病しました。最近になって同僚のひとりが原因不明の皮膚炎おこしたらしいのですが皮膚科で診てもらったらしいのですが、今では治ってるらしいです。入院してるから実際どんな皮膚炎だったかわかりません。


(6)おそらくペット樹脂の燃焼だと思います(こげる臭いがします)。280度でペット原料を熔かします。水蒸気は多少あるかもしれませんが原料は除湿乾燥機にかけてから機械に運ばれるので水蒸気が出るとは考えにくいです。とにかく煙が触れる所に白い泡のようなものができそれがフワフワと空中に漂ってるのです。

(7)家族構成
現在 xとx人暮し xは現在xxxでxx中
兄弟は姉x人のx人兄弟でx男です。
x年前にx婚子供x歳(女x人)
年齢はxx歳です。
喫煙は一日10本 酒は現在は飲んでませんが入院するまで缶ビール350を毎日一本程度でした。
アレルギーはありません!!小学校まで軽い小児喘息でしたが現在完治。
潰瘍性大腸炎になるまでは健康で風邪もひきにくかったのですがはじめての入院でこんなに長くなるとは思いもしませんでした。

xxx


返信:
xxx さま

 返信が遅くなり大変失礼しました。どうしたものかとあれこれ考えているうちに時間が経ってしまいました。現状では、潰瘍性大腸炎は原因不明のようですが、それにしても、x教授と主治医の先生とでどうして大きな差があるのでしょうね。

 ダイオキシンを大量に摂取した場合黒っぽいニキビ様の発疹ができます。もちろん低濃度ではできないのですが、xxxさんの場合はその様なものはできていないようですから、ダイオキシンに暴露されたとしても、おそらく低濃度だと思われます。低濃度といってもダイオキシンは毒性が強いので、種々影響が出る可能性があります。ただ、前回メールでも書きましたが、研究があまり進んでいなく、低濃度暴露でどんな影響が出るのかは定かではありません。x教授はその辺の関連を疑っているのですね。しかし、主治医の先生はあまり重視していないようですね。

 いずれにしても、ダイオキシンと潰瘍性大腸炎との間の因果関係を調べようとすれば、体の中にダイオキシンが取り込まれていることを証明するのが第一歩ですね。それで、xxxさんから最初のメールがあったわけですね。ダイオキシンの分析は大変高度な技術が必要で一般の病院ではもちろん大学でもできないと思います。

 x教授がダイオキシンと関係があるというのであれば、x教授に相談するのがもっともいい方法でしょうね。研究に協力するということで行けば分析料金は安くなるかもしれません。最近の分析料金はよく知りませんが、数年前では市中の分析機関での分析料金は1検体数十万円と聞きました。

 それとも主治医の先生にダイオキシンの事についてもっと相談するほうがいいかもしれません。x教授との違いは何かなど、その当たりの問題をもう少し見きわめて、ダイオキシンの分析をするほうが無難かもしれません。とにかく個人でダイオキシンの分析料金を負担するのは大変です。

 もしくは、大阪の枚方市にある摂南大学の宮田秀明先生(薬学部教授)がダイオキシン研究の権威です。この先生は分析も権威ですが、ダイオキシンの生体影響についても権威です。それで、宮田先生にコンタクトを取って相談すると、もっと話が前に進むと思います。xxxさんのお住まいと枚方市の距離が遠いかもしれませんが、いかがでしょうか。私と宮田先生は知人関係ではありませんから私の名前を出しても先方は分かりません。

 すっきりしませんが、現時点ではあまりいい回答が浮かびません。申し訳ありません。x教授がどのような先生か知りませんが、ダイオキシンといえば宮田秀明先生が有名です。

2001年4月17日
天野松男


着信:
天野さんメールありがとうございました。
今の現状ではダイオキシンの分析は難しいようですね。
保健所の人にも相談したのですが・・・あって話がしたいとのことで入院しているので退院したら行こうと思います。
天野さんに紹介していただいた摂南大学の宮田秀明先生にも相談してみようと思います。

会社はやっぱり辞めることにしました。もう9ヶ月も入院して休職しているので会社の就業規則により自然退職になってしまいました。自分ではダイオキシンも少しは影響あると思っているので辞めたほうがいいと思っていたので丁度いい機会だと思っています。

天野さんには貴重な情報提供していただいて感謝しています。
どうも、ありがとうございました。
また、わからない事あったら相談してもよろしいですか。
また、よろしくお願いします。

xxx


着信:
 天野さんこんにちわ!!
 ダイオキシンの件で相談さしていただいたxxxです。
 火曜日に宮田 秀明先生に連絡が何とかとれて相談したところ、大変参考になるアドバイスをいただけました。
 内容は、ペットではダイオキシンは出ないそうです。温度が低いのと塩素が無ければダイオキシンは発生しないとのことでした。工場の設備と病状を説明した所、原料の成分を調べないとわからないが、おそらくポリマーか何かのガスの影響で副作用がおきやすい体になったのではないかとのことでした。副腎ホルモン異常もおこるそうです。現に僕は副腎ホルモン低下症と診断を受けてるのでビックリしたしだいです。
 まだ、入院しているので主治医に相談してみようと思います。治療に一歩前進したので喜んでいます。
天野さん ありがとうございました。

xxx