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52、職場のメンタルヘルス対策


着信:2000年2月22日
1000人程の大型チェンテーンで私は務めております。
実は従業員で一名(店長職)、突然精神病にかかった人がいるのです。
 ・本人の性格、単独行動が目立つ、たまにどもる。(はっきりしゃべらない)
このような人が、勤務中の外出が多くなって来たり、彼女にしつこく一時間ごとに、電話してみたり、会話をしていても、日に日にはっきりしゃべれなくなってきたりと変化してきたのです。
そして、仕事にも集中力が無くなり、上司に厳しく指導され、突然やめると言い出しました。
それから、色々な人に電話して、俺は、市長になるとか、社長になるとかと言い出して来たのです。
そして、精神病院に入りました。
この方は、一ヶ月前に、免停となっていたのですが、ずっと運転し続けておりました。(この話は、後で聞いたのです。)
上司は自分の指導が悪かったと言い、悩んでいます。
実は、最近また、このような人が出てきてのです。
なにかに、洗脳されているような?
衛生管理者としては、どのように対処していったら良いのでしょうか?
精神鑑定の良い方法はあるのでしょうか?
これからまた大きな人事異動、リストラが行われます。
*会社は衛生管理の取り組みがなかなかされていないので、私は昨年自己努力で衛生管理者を取得致しました。
色々勉強してレポートを提出して改善していければと思っています。


返信:
○○□□様

 メールありがとうございました。
 心を病む人が出られて大変だったですね。

 「職場における心の健康づくり」(産業医学振興財団)によりますと、A、B二つの職場の24900人のうちで精神科診療が望ましいと診断された人は0.61%であったといいますから、1000人規模の職場ではそのような人が6人くらいいても、ある意味では普通と言うことになります。

 ○○さんの職場で二人目が出たといっても、まだ潜在している人がいるかも知れません。従って、日常的な労働衛生管理をきちんと行い、再発防止対策を講じることが重要かと思います。これは精神科疾患やメンタルヘルスに限らず、高脂血症や肝機能障害、高血圧、糖尿病などの精神科以外の疾病についても同様です。

 以上のようなことから、まず基本的な労働衛生管理について述べます。これらは、私のホームページに詳しく書いておりますので、後日参照して下さい。

(1)産業医および衛生管理者の選任
 常時使用する労働者が50人以上の事業所では、業種に係わらず産業医と衛生管理者を選任することが労働安全衛生法上義務づけられています。
 産業医は一人でいいですが、衛生管理者は501人から1000人までだと3人、1001人から2000人までだと3人選任しなければなりません。

 まず、これらの方がきちんと選任されていますでしょうか。

(2)産業医、衛生管理者の職務と職場巡視
 少なくとも、産業医は月に1回、衛生管理者は週に1回の頻度で職場巡視を行い、衛生管理の仕事をするよう規定されています。具多的な職務内容につきましては、私のHPを参照して下さい。

 これらの方の職務はいかがなっておりますでしょうか。

(3)(安全)衛生委員会
 常時50人以上の労働者を使用する事業場では(安全)衛生委員会を設置し、労働者の安全衛生問題について調査審議しなければならないことになっています。業種によっては安全委員会と衛生委員会を設置しなければなりませんので、ここでは(安全)衛生委員会としています。衛生委員会の構成や調査審議事項につきましては、私のHPを参照して下さい。

 この委員会が設置され、会議が開かれていますでしょうか。

(4)健康診断
 定期一般健康診断は、業務内容にもよりますが、普通は年に1度の頻度で行わねばなりません。また雇い入れ時にも健康診断を行わねばならないことになっています。健康診断の項目の最低基準は法で決められています。

 健康診断はきちんと雇い入れ時、あるいは定期的に行われていますでしょうか。

(5)健診異常者への処置
 健康診断で異常が指摘された労働者へはいかなる処置をしていますでしょうか。法律では、異常者に対しては医師の意見を求め、働かせていいものか悪いものかを事業主が決めなければなりません。また、必要な人には医師又は保健婦による保健指導を行うよう求められています。

 これらの処置がきちんと行われていますでしょうか。

(6)健康診断時の問診
 今までの健康診断は、どちらかというと生活習慣病(成人病)の発見に問診項目が偏っていたように思います。具体的な問診内容は法律で定められていませんので、これは偏りがあってもやむを得ません。しかし、昨今のストレス社会を考えると、メンタルヘルスに関連する問診項目をいくつか入れておくとよいと思います。

 問診項目はいかがなっていますでしょうか。

(7)メンタルヘルス関連スタッフの配置
 これは法に明記されていませんが、例えば、産業カウンセラー、心理相談員、臨床心理士などの資格を持つ人を配置してはいかがでしょうか。

 産業カウンセラー協会ならば連絡先は分かります。これは全国各地に組織があります。現在初級産業カウンセラー養成講座の募集中です。(社)日本産業カウンセラー協会のHPをご参照下さい。

  http://www.counselor.or.jp/

(8)精神を病んだ人への対応について
 上司が厳しく指導した、とありますがこれは無意味か、あるいは有害です。鬱状態の人であれば自殺してしまいます。メールのお話の方は躁状態のようですので、自殺には到らなかったのでしょう。

 従業員の行動に何かおかしなことを感じたら、職場の衛生管理スタッフか上司が産業医のところに相談に行き、産業医の判断を仰ぐことがよいかと思います。

 ここで産業医が職場巡視をしており、従業員との間に顔がつながっていれば、話しはすすみやすいかも知れませんが、今まで来たこともない産業医が突然職場に現れればやっぱり不自然ですね。この当たり、現実的には難しいことなのですが、職場の衛生管理スタッフと産業医との連携、日常的な労働衛生管理が求められる所以です。

(9)上司が自分の責任だといって悩んでいることについて
 これはもっともなことです。しかし、どのように悩んでいるのかは分かりませんが、はじめに申しましたように精神を病む人はどの事業所にも何人かはいるものです。従って、そのような人が出たからといって、それは上司の責任ではありません。

 このようなことに限らず、職場の問題等で深刻に悩む人は鬱状態になり、やはり心の病となります。鬱状態の人には「がんばれ」「気にするな」等の励ましは禁句です。泳ぎ疲れてへとへとになっているのに、もっと元気よく泳げと言っているようなものです。自分が悪いと思っていますから、がんばれない自分は一層悪い、気になる自分は一層悪い、と後ろ向き後ろ向き考えてしまい、結果として、自殺に到ることがあります。

 鬱状態の人に「がんばれ」は禁句、あえて言葉をかけるとすれば「あなたも大変ね」というような感じの、何かそのつらさを心で支えるような言葉かけがよいかと思います。

(10)精神鑑定について
 「精神鑑定」をどのような意味で使われているのかは分かりませんが、文字通りの精神鑑定はまず素人にはできません。これは精神科医の仕事になります。

 職場の衛生管理スタッフや上司となる人が何か他人の精神の異常のようなものを感知するには、まずその人が心身ともに健康であることが必要だろうと思います。その上で、メンタルヘルス関連の勉強をしたり、感受性を磨いたりすることが大切かと思います。そのような中で、いろいろなことで気付くことができるようになると思います。

 とは言っても、何が健康で何が異常かはよく分かりませんので、日常的な言動に気を配っておくことが必要かと思います。

(11)自己努力で衛生管理者資格を取ったことについて
 大変ご苦労様です。いよいよ○○さんの出番ですね。あんまり張り切りすぎて○○さんも疲れないようぼちぼちやって下さい。

 以上感じたことを書きました。ご参考になれば幸いです。
 なお、よろしければ、上記の(1)〜(7)に関連して、○○さんの会社ではどうなっているか教えていただけませんでしょうか。これは私の参考のためです。

天野松男


着信:
メールありがとう御座いました。
こんなに親切にして頂き、感動しております。
このたびはリメール遅れまして失礼致しました。
今年パソコンをやっとの思いで購入したのですが、
調子が悪く、修理に出ておりました。

前回の回答を申し上げます。

(1)産業医および衛生管理者の選任  
  こちらは選任されています。 

(2)産業医、衛生管理者の職務と職場巡視
(3)(安全)委員会
  こちらの職務は徹底されていません。 

(4)健康診断
  行われております。

(5)健診異常者への処置
  こちらも徹底されておらず、配慮が見られないです。

(6)健康診断時の問診
  メンタル面の問診は御座いません。

(7)メンタルヘルス関連スタッフの配置
  関連スタッフはおりません。

*本社の方では、衛生管理業務の重要性を認識しておらず、今回のような精神病にかかった人員が出ても、なんの対応、変化も御座いません。衛生管理者の認知も薄いです。
 
私自身衛生管理者を取得し、人事課の方にも有資格申請したのですが、衛生管理者として会社の認定は受けておらず、衛生管理者資格を理解している人がいないため、周囲からの相談もなかなか御座いません。

本社に改善を提案したいのですが、きっかけがつかめないのが現状です。
このままでは、又同じような事が発生すると思われます。

衛生管理者の選任は本社全体人数がは50名程度の為一人しか選任されていません。会社(店舗)全体では約900名いるので、このような事では、もっと選任されてもよいと思います。

実際どうなのでしょうか?


返信:
○○□□様

 メールありがとうございました。

 パソコンは情報の収集や処理には欠かせませんが、慣れるまでが大変ですね。

 さて、○○さんの会社の件ですが、メールの限りでは可もなく不可もないといったところだと思います。私たち衛生管理に熱心なものからすると、どこの会社も生ぬるいと感じるのですが、法律の範囲内でOKなのです。働く人々にとっては残念なことです。

 衛生管理者は常時50人以上の労働者が働いている事業場で選任されねばなりませんが、これは事業場単位で選任されます。「常時」とはパート労働者等も含めて常態として使用する労働者数をいいます。従って、全店舗合わせてどれだけ人数がいるかというよりも、1店舗の労働者数が50人以上か以下かということが問題になります。もちろん、50人以上であれば、その店舗に衛生管理者や産業医を配置しなければなりません。産業医は兼任できますが、衛生管理者は「専属の者」となっておりますので、誰かその店舗に所属する人から選任されねばなりません。そうすると、猿渡さんの出番があるのではないでしょうか。

 労働者が健康に働いてこそ会社も効率的に利益を上げることができると思うのですが、会社幹部の衛生管理に対する関心が低いところが多いようです。その任に登用されることが無くても、日頃から労働者の衛生管理に注意しておき、有用な情報提供ができる日が来るまで、耐えるというか、実力を養っておくというか、現実においてはそのようなことも大切かと思います。

 今後のご活躍を期待いたします。

2000年3月14日
天野松男


着信:
メールありがとうございました。
私が、衛生管理者を学んだ理由をお伝えしておきます。
実は自己自律をするために学びました。
それは、今の時代に対応できる自己を作り上げることです。
今の時代は、明治時代にチョンマゲが無くなった時代
と同じような変化と勢いで進んでいると感じています。
そして、又バブル時代がやって来ると期待しては、とんでもない
事になるような気がするのです。
私はこの時代に対応出来るよう、色々なことに挑戦して、世の中の為に仕事をし、
役に立てばと思っております。
今回、衛生管理者の資格を取得後、日赤救急員、応急手当普及員を取得し
救命講習も受講致しました。
この経験がいつか役に立つとを考え努力致します。
今回先生に色々ご指導いただき、感謝致します。

自己紹介遅れました。
私は、北海道□□市に住んでいます。(地元は、十勝の芽室町です。転勤で旭川、函館にも住みました。)
年齢は33歳です。
趣味は、スポーツでテニス、ゴルフ、スポーツカイト、スキーなどです。
北海道にお越し頂いた際には、是非ご案内させて頂きます。
ありがとうございました。