ドローン効果(黄色い倍音の戦士の日)

 

ドローン(drone)とは、音楽においては単調音でモノトーンの長い音を出すことを言います。最近はやりつつあるディジュリドゥはまさにドローン楽器の代表といえます。またチベットのラマ僧の重低音チャンティングなどもドローンと言えると思います。

民族音楽をいろいろ聴いていると、このドローンが実に多く入っているのに気付きます。特にシンプルで土着的なものほど多く感じられます。それはなぜかと言えば,ルートとなるKeyがひとつであることが多いために、持続音が入れやすいためではないかと思います。そのため、楽器同士の音が入り混じってタイコのような音も持続的に聴こえたりします。(要するにいろんな音が固まりになって持続して聴こえる)

私は、なぜかこのドローン効果に惹かれます。それはどうやら音楽のジャンルには関係なさそうです。今振り返って考えてみると、初めにそれを感じたのはピンクフロイドだと思います。当時はサイケデリックだとかプログレッシブと呼ばれていましたが、特に初期のサウンドは空間的な奥域で独特なドローンをかもし出していたように思います。10年前から民族音楽を探求するようになったり、実際にドラム・ギャザリングで体験してから、このドローン効果の発見はいたるところに見られます。

私はどうしてこんなにドローンに惹かれてしまうのか探求してみました。それはおそらくドローンには倍音が多く含まれているために,その音は思考を超えて生理的なところに作用してくるためだと思いました。まさしくトランス効果です。トランス(Trance)を辞書で調べてみると「恍惚、夢中、有頂天」となっています。クラブにおいてダンス・ミュージックが欠かせないのも、強烈なビートによってトランス状態を引き起こすことができるからでしょう。そして90年以降、野外においてレイブ・パーティーが定着していったのも自然な成り行きといえます。(だってみんな気持ちよくなりたいんだから・・・)

それがテクノ(電子音)だろうと生音だろうと変わることはないのです。(倍音の出方は多少異なりますが・・・)どうしてかって?それは根底に「祭り」の精神が流れているからではないでしょうか。祭りは本来自然や神への感謝のための儀式であったと思います。クラブでそんなことを思いながら踊っている人はほとんどいないでしょうが、ビートによってトランスすることで無意識のうちに「そこ」に繋がっているのかもしれません。

ドローン・・・トランス・・・マツリ・・・イノリ・・・シャーマニズム・・・ドンドコドン、ドンドコドンドン。

ドローンは気持ちイイ・・・・・・・・・。

(AKI)

 

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