建物を常に快適にするための情報

 

● 建物管理上の保全業務の要点

 

 建物及びその付属設備の機能を保つため、常に摩耗・損傷等に留意し、速やかに不具合箇所を改善する必要があります。保守、点検、修繕には、次の点にご注意ください。

 

建具  : 機能の中でも動きの激しい部分で、丁番、クレセント、ドアチェック等の油ぎれ、ビスの緩み等・・・・常に点検が必要です

 

ガラス : 傷が付くと強打が低下し損傷の恐れが生じます。破損した場合、取り付けられたガラスと同じ物を使用してください

 

シーリング : ガラスによっては、その周囲が樹脂系のシーリング材によって固定されています。紫外線等の影響で劣化し、ひび割れ、剥離が生じると漏水の原因になるので、建具廻りを含めて点検が必要です。

 

塗装  : 塗装は主剤(鋼材、木材等)の腐食を保護することを目的に、その材質に適合した物が塗布されていますが、経年的に劣化、風化します。発錆、剥離等が認められた場合は、専門業者に相談してください。

 

防水  : これが劣化すると漏水が起こります。漏水は、降雨後しばらくたって始まる場合がありますので、降雨の時期、漏水の個所などを記録し、専門業者に相談してください。

 

外壁  : 振動(地震等)により仕上げ材にひび割れが生じる場合があります。放置すると漏水の原因になりますので、注意が必要です。

 

結露  : 冬季には、特に結露が生じやすく、天井裏や壁の内部での結露は、度々漏水と間違えられます。また、カビの発生原因にもなりますので、換気に充分心がけてください。

 

外構  : 排水(汚水:便所、雑排水:台所、風呂、洗面所、雨水、屋根等の降水)は、パイプや排水溝と舛で処理されています。このうち隠蔽されてない排水溝や舛が詰まると溢水しますので、常に清掃が必要です。

 

● 建物各所清掃の要点

 

建物を常に清潔にそれぞれの場所に応じて毎日、または、定期的に清掃を行う必要があります。

 

外部

    (1)全般

          風の吹き寄せる土砂や落ち葉が排水溝に詰まらないように、常に気を付けて清掃します。

 

内部

    (1)玄関・玄関ホール

          人の出入りが多いため汚れやすく、また、備品が少ないため汚れがめだつので常に清掃が必要です。

 

    (2)便所、洗面所、手洗器、鏡

     汚れやすく不潔になりやすい場所なので、他の場所より頻繁に清掃します。

          便器に異物が詰まった場合は、ブランジャ(ラバーカップ、ゴムスポイト)を利用します。固形物を陶器類に落とさないよう充分注意します。

 

    (3)厨房・台所

          汚れが特に激しく、不潔になりやすい場所なので、入念な清掃が必要です。

          流し台の排水口には、厨芥物、特に油脂分が詰まりやすく、常に清掃が必要です。また、換気扇廻りも排煙時に油脂分が付着するので同様です。

 

    (4)居室

日常的な清掃が必要です。

 

    (5)設備機器等

          照明機器他の機器類は、油脂分(ヤニ)や埃が付着しやすいため、常に清掃が必要です。この場合、コンセント類等電気関係機器の清掃時には、電源を切ってください。空調機や、換気機器については、各取り扱い説明書に従って定期的な清掃(フィルター等)が必要です。

          その他の機器類についても、説明書に従い清掃をしてください

 

共通事項

    (1)鋼製建具類(サッシ)

          アルミ製品は材質が柔らかいため傷つきやすく、清掃には柔らかい布を使用します。汚れのひどい時には、薄い中性洗剤を使用します。アルカリ性の物には弱いので絶対に使用しないでください。

スチール製品は、塗装に傷が付かないように注意して汚れを落としてください

 

    (2)ステンレス製品

一般的に錆びないと思われていますが、”錆びにくい”というのが適切です。また、傷つきやすい材質です。汚れがひどいと錆びますので、常に柔らかい布にステンレス洗浄剤を用いて、筋目の方向に(ヘアライン)汚れを落としてください。

 

    (3)ガラス

          軽度の汚れは乾いた布で、落ちにくい汚れはガラスクリーナーを使います。

型板ガラスの場合はブラシを使うと便利です。

 

    (4)タイル

          日常的な清掃では、堅く絞った雑巾等で、また、汚れのていどによっては石鹸水・タイル用クレンザー・燐酸ソーダ等を使用してください。釉薬のついた艶のあるタイルには、クレンザー等の研磨剤の入った物は、使わないでください

 

    (5)木部

木材は湿気を嫌います。寄せ木張り、縁甲板張り等木質系の床は、時々ワックスを掛ける必要があります。

 

    (6)塩化ビニール系製品(塩ビシート、塩ビタイル、塩ビ巾木)

          これらは、主にのり張り加工のため水気を嫌います。堅く絞った雑巾モップ等で清掃し、汚れがひどい時は中性洗剤を使用し、充分に洗剤をふき取ってください。不完全だと剥離の原因になります。ワックスが効果的です。

 

    (7)畳

          保温・弾力性には優れていますが、塵埃を含みやすく、施してある防虫加工は一定の期間、それ自身の発生を押さえる効果しかありません。掃除機等で常に清掃し、時々虫干しをしましょう。