(更 新 日 9 月 1 9 日)
秘密の保持の方法
「王さまの耳はロバの耳」
他人の秘密を教えてもらった時、それも「誰にも言わないでね」と言われ、
本当に「ここだけの話しだよ……」と、ちょっとした拍子にさえ口にできない秘密を分かち合った瞬間。
それは、自分の心の中で重さを持つ。
でも、それを共有している間は、その秘密はそんなに重くない。
一つの秘密は、それぞれが胸に秘めることによって、重さを1/2にするからだ。
ずっと、二人の関係が今のままで続けられればそれにこしたことはない。
でも、ちょっとしたきっかけで共有関係が崩れた途端。秘密は重みを増すのだ。
秘密はだんだんと重みを増して、重たくて重たくて耐えられなくなる。
吐き出してしまえば、どんなに楽になることだろう?
そんな甘い誘惑にかられてしまう。
でも、たとえ共有関係が崩れたとしても「誰にも言わないでね」という
契約は、自分の心の中でまだ継続されている。
苦しい……。どうしたらいいんだろう?
そうして、人は選択する。
もう共有関係じゃないのだからと割り切って、思い切って重いものを口から吐き出してしまう方法。
もしくは、ずっと重いものを持ちつづけ、その重みを忘れてしまう方法。
これを読んだあなたはどっちを選択しますか?
前者はともかく、後者はまちがいなく「王さまの耳はロバの耳」状態に近いでしょう。
他人に話すことが出来ないから、誰もいない場所で小さな声で囁く様にこの言葉を呟くしかない。
「王さまの耳はロバの耳」
口に出来ない秘密だから口でそう唱えながら、心の中でもう二度と口に出来ない秘密を囁く。
☆以前の「月曜日の独り言」☆