(更 新 日 7 月 1 8 日)
ひ ま わ り
夏到来!
そう感じるのは、朝から「シャアシャア」と鳴き出す蝉の声だったり、八百屋サンに並ぶとうもろこしだったりする。
でも、僕が一番「夏がやってきたなぁ」と感じるのは、大輪を太陽に向かって咲かせるひまわりを見る時なのかもしれない。
ひまわりはどんな種類でも好きなのだが、その中でも僕は大きなひまわりが好きだったりする。
だからまだ学生の頃、おばあちゃんに頼んで庭に植えてもらったことがあった。
実は、あとで知ったのだが、おばあちゃんはひまわりがあまり好きじゃなかったらしい。
あの大きく伸びて、大輪を咲かせるところが気にいらなかったみたいだ。
でも、かわいい孫(!?)がせがんだので、無理して種を買ってきてくれて植えてくれたらしい。
そのひまわりの種は、無事に芽を出すと、夏に向かって着実に幹を太くしながら空に向かって伸びていきだす。
当時、僕はそれを見るのが楽しくて楽しくてたまらなかった。
毎日、ひまわりにむかって「大きくなるんだよ。キレイな花を咲かせてね」と、声をかける。
そのかいあってか、とうとう!
僕と同じぐらいの高さになった幹から大輪が花開いた!
うれしくなった僕は、より一層声を掛けるようになった。
ホラッ、植物って人間の声を聞いて育つと言うじゃない?
真剣に信じていたわけじゃないけど、試せるものは試すような勢いだった。
すると、その大輪の横からまた小さな幹(僕は子供の幹と呼んでいた)が産まれ、空に向かってムクムクと伸びて行く。
子供の幹は、親の幹を差し置いて、どんどん伸びて行って、小さいながらも花をつける。
それはまるで、「親より出世してしまった子供」のよう……(笑)
でも、それには理由があったのだ。
なんと、おばあちゃんが親の幹(この場合、花のほうなんだけど)にむかって、
「あまり大きくならないように……」と、毎日声を掛けていたそうなのだ。
……ということは、さぞかし、ひまわりは困ったことだろう。
おばあちゃんからは「大きくなるな!」と言われ、僕からは「大きくなってね!」と声を掛けられていたのだから……。
で、ひまわりが出した結論は、「親は大きくならない。でも子供は大きくなる」
なんとも涙ぐましい話しだ……。
本当のところはどうだかわからないが、僕は今でもそうだったと信じている。
その方がきっと植物の神秘的なところが強調されていいじゃない?
だから今でもひまわりが咲いているのを見てしまうと、心の中で唱えるんだよね?
「大きくなるんだよ! キレイな花を咲かせてね!」
☆以前の「月曜日の独り言」☆