(更 新 日 7 月 1 2 日)
少 女 時 代 「ち ょ っ と 懐 か し く 思 い 出 す」
すっごく好きな人がいたの。
すっごく好きだったからいつまでも側にいたかったの。
だから無理をしていたのかもしれないね?
気づかないうちにお互いがお互いを縛りつけていた?
今になったらそう思うしかない。
別れはそれこそ突然やってきた。
きっかけが何だったか、そんなこと関係ない。
とにかく。
わたしより、彼のほうが「無理している」のに気づくのが早かっただけ。
別れてからのわたしは、それこそ泣いて、泣いて……。
忘れようとして、その反面、彼が自分の元に戻ってくるのを期待して……。
風のウワサで彼に新しい彼女が出来たのも知った。
それでも自分の気持ちは空中で浮かんだまま。消化不良をおこしたまま。
どうしていいのか、自分でも分からなくなっていた。
数ヶ月後。
偶然、街で再会した彼に、未練だとわかっていても言ってしまった台詞があった。
「わたしは、今でも好きだから、いまの彼女に振られたら戻っておいでね!」
そのわたしの台詞に彼は、ちょっと困ったふうに笑うと、
「ありがとう。でも、戻ったら『どうしたの? 今ごろ』って、突き離されそうだな」
と、呟いたのだった。
……すっごく好きだった人がいたの。
すっごく好きだったら、ずっと側にいたかったの。
でも、離れていった気持ちが、自分の力でどうにかできるとは思ってないよ。
自分の気持ちさえもどうにもできないのに……。
人の気持ちをどうにか出来るとは、思わない。
「幸せでいてくれてるかな?」
そんなことを七夕の日に新しい彼の元で思う。
あんなに好きだったのに、今じゃぁ、違う人に想いが動いている。
不思議な感じ。
……そうそう、あの時に言った台詞は反故にしてもらわなくちゃね?
だって、今振られて戻って来ても本当に「どうしたの? 今ごろ?」って言わなくちゃいけないから。
……ちょっと懐かしく思う。
あの時のわたしも今のわたしも本当のわたしなんだって……
☆以前の「月曜日の独り言」☆