輸液とNaCl、KCl
NaClの分子量は23+35.5=58.5gである。NaClは1価だから分子量と1当量は同じになるから、1当量も58.5gである。1÷58.5≒0.0171だから、NaCl 1gは約0.017当量である。つまりNaCl 1gは約17ミリ当量(mEq)である。
生理食塩水はNaClが154mEqである。これは生理食塩水1LにNaClが154mEq入っているということである。だから500mLの生理食塩水を1本点滴すると77mEq入る。77÷17.1≒4.5だから500mLの生理食塩水を1本点滴すると4.5gの塩が入る。これは心不全や腹水や高血圧で塩分制限をしている人には無視できない量である。
また生理食塩水100mLにはNaClが15.4mEq入っている。15.4÷17.1=0.9だから100mLの生理食塩水には0.9gの塩が入っている。0.9g/100mL=0.9g/100g=0.009だから0.9%の濃度である。
KClの分子量は39.1+35.5=74.6gである。KClは1価だから分子量と1当量は同じになるから、1当量も74.6gである。1÷74.6≒0.01340だから、KCl 1gは約0.0134当量である。つまりKCl 1gは約13.4ミリ当量(mEq)である。輸液のKN3BはKが20mEqである。これはKN3B 1LにKClが20mEq入っているということである。だから500mLのKN3Bを1本点滴すると10mEq入る。10÷13.4≒0.75 だから、500mLのKN3Bを1本点滴すると0.75gのKClが入る。