日本の選挙の投票の問題点

印刷      ホームにもどる

投票用紙に鉛筆で書いている

  日本の選挙制度で驚くのは、投票所に鉛筆を置いてあることである。選挙と言うのは、言ってみれば一種の委任状である。政治をこの人に委任しますという委任状の一種である。委任状を鉛筆で書くことがあるだろうか。鉛筆で書いた委任状を提出すれば、その委任状は無効である。鉛筆で書いたものは書き換えることができるからである。
  選挙は民主主義の根幹である。選挙が公正に行われないなら民主主義は根本から崩れる。鉛筆で書いた投票用紙で日本の未来が決まるということはあってはならないことである。
  市役所の窓口に行くとそこにはボールペンを置いてある。何かの申請書を書く時はボールペンを使う。もし鉛筆を持って行って鉛筆で申請書を書けば、市役所の窓口は受け付けないだろう。ボールペンで書いてくださいと言われる。ところがこの前私が期日前投票に行くと、期日前投票の申請書を鉛筆で書くように言われた。普段はボールペンで申請書を書くように言っている市役所の職員が、選挙の時だけは鉛筆で申請書を書くように言うのである。非常に奇妙である。
  投票所に置く筆記用具は鉛筆でなければならないという法律はない。それなのに全国どこでもなぜ鉛筆を置いてあるのか。市役所の裁量に任せれば、普段使っているボールペンを置く市役所のほうが多いはずである。全国どこの投票所も鉛筆を置いてあるというのは、上から投票所に鉛筆を置けという指示が出ているとしか考えられない。
  投票所に鉛筆でなくボールペンを置くことは、法律を変える必要もなく、すぐにできることである。投票所に鉛筆を置くなどという、民主主義の根幹の選挙に疑念を抱かせるような行為は即刻やめなければならない。投票所には即刻ボールペンを置かなければならない。


本人確認をしないで投票

  日本の選挙制度に疑念を抱かせるのは、投票所で本人確認をしないことである。投票所入場券を提示すれば簡単に投票ができる。マイナンバーカードのような顔写真のあるものを提示させ本人確認をすることがない。これでは別人が本人になりすまし投票することが簡単にできてしまう。本人確認書を提示させずに投票して、選挙の公正さが保たれるのだろうか。
  衆議院議員の選挙は、昭和の時代は70%前後の投票率であったが、最近は50%台になっている。参議院議員の選挙は昭和時代は60%前後であったが、最近は50%前後になっている。選挙に行かない人が多いのである。選挙に行かない理由はいろいろあるが、政治にまったく関心のない人も多いのだろう。そのような人が投票所入場券を1万円で買うという話を持ちかけられたらどうだろうか。どうせ投票に行かないからと安易に投票所入場券を売ってしまうのでないだろうか。
  2020年の認知症の人は946万人と言われる。認知症の人の投票所入場券を使い別人が投票することも考えられる。2024年の衆議院選挙の各党の得票数は、トップの自民党が1458万票、2位の立憲民主党が1156万票、3位の国民民主党が617万票である。仮に認知症の946万人の投票所入場券をすべて買い占め別人が投票すれば、国民民主党の617万票を軽く上回る第3位の政党が誕生する。
  十票単位、百票単位、千票単位の僅差で当選することも少なくない。この場合は投票所入場券を買うという不正を少しでもしたほうが当選することになる。
  新型コロナウイルス感染症が流行して以来マスクをすることが普通になった。現在ではマスクをして投票所に行き投票しても何ら違和感がない。マスクをしているとその人の顔はわかりにくい。別人がなりすまして投票するという不正行為がますます容易になった。
  公正な選挙をするために投票所では入場券だけでなく本人確認書類も必ず提示させなければならない。そのためには顔写真が載っているマイナンバーカードを国民全員が持つようにする必要がある。経済的に困窮している人にはその作成に補助金を出すこともしなければならない。マイナンバーカードを健康保険書として使うなどという馬鹿げたことに金を出す前に、なぜ国民すべてにマイナンバーカードを持たせることに金を出さないのか。
  投票所で本人確認をしなければ公正な選挙はできない。不正をした者が当選するような現在の選挙制度では、民主主義体制は根本から崩れる。

2024年11月3日作成