PICkit 2 Red Button仕様への改造

PIC kit 2が進化して、PIC kit 2 Redボタン仕様としてリニューアルしました。このバージョンでは、今までの色々な不具合や改良が施されています。これでインターフェースがICD2と殆ど同じになり、よりいっそう使いやすくなったのではないかと思います。
PICKIT 2の改造について要約しました。(独自の翻訳のためオリジナルは原文を確認ください

1)R35、R36抵抗を追加
GNDとPGCやPGD (ICSPCLK/ICSPDAT)との間に4.7kΩのプルダウン抵抗を追加した。これらの抵抗はPICKIT2が適切な動作を行うのに必要である。(それは前作のPICKIT2では(ユーザーの)ターゲットボードに取り付けるのが必須であった。)前作のバージョンではPICKIT2は当初独自の設計であったので、プルダウン抵抗を持っていなかった。

2) R34抵抗を追加
R34は+5V_USBとGND間の2.7kΩの抵抗である。これは、USBより抜かれたとき、C5コンデンサ他の電荷が抜け切らないうちに、抜き差しされたときのPOR(パワーオンリセット)の保証値内にして、"unrecognized device"というUSBエラーを未然に防ぐものである。ブラウンアウト検出は、ターゲットVDDエラーの検出として使用されない。

3)R21の抵抗値を変更
R21は10kΩから1kΩに値を変更した。その低い値は、VPPチャージポンプのソースの電流を増やす事が出来ます。これは、より多くのVPP電流を必要とするかもしれない将来の製品との互換性を確実にし、強力なプログラミングを支援する。

これらの変更は、PICkit2ファームウェアに影響されず、またファームウェアアップデートも必要されない。

回路図等のドキュメント

内容 修正内容 効果
1 R35、R36の追加 4.7KΩx2 J3の裏より3-4間と3-5間に抵抗合計2個追加 ICD2と同等のインターフェースになり、安定動作
2 R34の追加 2.7KΩ C6の上に亀の子の様に抵抗を追加 電源のディスチャージ改善によるUSB挿抜の安定化
3 R21の交換 10KΩ→1KΩ R21を半田を暖め外して捨て、1KΩに交換する(1KΩは外さなくても取り付ける抵抗の10倍も値が大きく、定数に影響されないので、亀の子接続でもOKでしょう) Vppの電流改善

部品表

1 抵抗 型1608(mm)抵抗(1.6x0.8mm) 4.7KΩ5% 2
2 抵抗 型1608(mm)抵抗(1.6x0.8mm) 2.7KΩ 5% 1
3 抵抗 型1608(mm)抵抗(1.6x0.8mm) 1KΩ 5% 1
4 抵抗 タクトスイッチ ALPS SKHVBMD010 1

今回、私も改造にチャレンジしました。ボタンは赤色が持ち合わせに無く、またせっかく使える部品を外すのもどうかと思いましたので、シールを貼り付ける事にしました。抵抗は1005(mm)が手元にあったので、小さいですがそれを使いました。

Tips:海外と日本では抵抗サイズの呼び値が違い、ミリとインチの文化があります。大抵海外ではインチ(mil)単位、日本ではミリ単位を指します。今回マイクロチップフォーラムで紹介された改造方法では、抵抗サイズに0603の使用の表記がありますが、基板を調べたらインチと思われますので、日本でポピュラーな1608(1.6x0.8mm)で改造が可能です。

ミリ表記 インチ表記 長さmm 幅mm
0603 0201 0.6 0.3
1005 0402 1.0 0.5
1608 0603 1.6 0.8
2012 0805 2.1 1.25
3216 1206 3.1 1.55
3225 1210 3.1 2.65
5025 2010 5.1 2.6
6432 2512 6.4 3.1

※この表は代表的な参考値です

チップ部品を使わなくとも、改造は可能です。旧版をお持ちの方は対応されることを強くお勧めします。矛盾したことになりますが、分解して改造することは通常はメーカーの保証対象外となりますので予めご了承ください。





2008/8/30 PICkit 2の使用方法の本文から切り離し

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