E8aを使用したモトローラS形式ファイルの書き込み方法






概要



このドキュメントは、ルネサスエレクトロニクス”Renesas Microcomputer Development System E8a”(以降HEWという)を使用してソースコードを用いずにモトローラ Sフォーマット( *.mot, *s等の拡張子)を書き込む手法を提供します。
HEWは本来の目的として、開発で使用するために、ソースコードが寄与されていますが、これから紹介する方法では、ソースコードが無くても H8マイコンを書き込むことが可能となります。

このドキュメントは、2008年にH8を開発をしていた時に、ソースコードを外部に渡さずに評価してもらうために、この手順書を作成しました。量産を行う場合は、専用のプログラマーを使用したほうが良いですが、検証評価など頻度に書き換えが発生せず、なおかつプログラムの機密性を保つには便利に使用できると思います。




動作環境



以下のソフトウェアが予めインストールされているものとします。また、E8aのドライバー等も使用できる状態にしておきます。

High-performance Embedded Workshop
Copyright (C)2007 Renesas Technology Corp.
Copyright (C)2007 Renesas Solutions Corp.
Copyright (C)2007 Renesas Technology Europe Ltd.
All rights reserved.

Version 4.04.01.001
E8a Emulator Software V.1.01 Release 00     (9-2-2008 11:37:39)
M32C Simulator Debugger V.1.03 Release 00   (9-2-2008 11:39:02)
E8a Emulator Software V.1.01 Release 00     (9-2-2008 11:40:00)
High-performance Embedded Workshop Upgrade 4.04.01  (9-2-2008 11:41:22)
H8S,H8 300 Simulator Debugger V.5.06.00     (9-2-2008 11:42:14)
E8a Emulator Software V.1.01 Release 00     (9-2-2008 11:46:18)
E8a Emulator Software V.1.01 Release 00     (9-2-2008 11:47:41)
E8a Emulator Software V.1.01 Release 00     (9-2-2008 11:48:29)
C/C++ compiler package for the H8, H8S, and H8SX family V.6.02 Release 01 (Update Utility)   (9-2-2008 11:54:03)

※2008年12月時点での情報であり、現在では更に最新のバージョンになっていますので、説明の相違がある可能性があります。
最新のHEW評価版は、こちらからダウンロード(2ページ目)できます。60日制限があり、それを超えると64KBのコードサイズ制限になります。詳しくはH8SX, H8S, H8ファミリ用C/C++コンパイラパッケージを御覧ください。

その他の注意



説明では、h8/36077を例として解説しています。デバイスに応じて設定を変更してください。 




作成手順





新規プロジェクトを作成する



ここでは、ダミープロジェクトを作成する手順を説明します。 まず、HEWを起動します。

 

通常は、ようこそダイアログが表示されるので、新規作成ラジオボタンを選択してOKをクリックします。



新規プロジェクトワークスペースが開きますので、下記赤枠を例にして該当項目を設定します。

 

次に、使用するデバイスを設定します。設定後、「次へ」をクリックします。

 

ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。

 

ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。

 

 ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。



 ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。

 

ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。

 

ここは、E8aを使用するため、赤枠のチェックボックスをチェックして「次へ」をクリックします。

  

ここは通常はなにも変更せず、「次へ」をクリックします。

  

これで、「完了」をクリックします。

  


以下の概要が表示されるのでOKをクリックします。

  

Debug
と表示されているプルダウンメニューより Debug H8 Hew Super Lo・・・を選択します。



セッションを保存の確認ダイアログが表示されますので、「はい」をクリックします。

  

デバッグ→デバッグの設定を選択します。

 



ターゲットタブでE8a SYSTEM 300 Hを選択します。




デバッグ対象レコードでS-Recordを選択します。



追加ボタンをクリックします。




ダウンロードモジュールダイアログでファイル名には、

$(CONFIGDIR)\$(PROJECTNAME).mot

と設定し、OKをクリックします。環境変数を使用しない方法もできますが、その場合はフルパスで指定します。



確認後OKを押します。

 

Debugger
メッセージでは「はい」をクリックします。

 

エミュレータ設定は「キャンセル」をクリックします。

 

キャンセルすると、以下のダイアログが出力されるのでOKをクリックします。

 

「×」をクリックして終了します。



「はい」をクリックしていったん終了させます。






書き込みファイルのコピー

書き込みたいファイルを以下のフォルダにコピーします。 そして、名前をromflash.mot という名前に変更します。


書き込み 

ターゲットの接続の確認 E8aとターゲットを接続しておきます。   プロジェクトの起動 以下のプロジェクトフォルダにあるromflash.hwsをダブルクリックして起動します。

  

モードはフラッシュメモリデータの書き込みのみを選択し、電源はターゲットの仕向けによって選択して、 OKをクリックします。


 

ターゲットの電源が投入されていない場合は以下のダイアログが表示されますので、電源を確認してから OKをクリックします。


 

左側のプロジェクトウィンドウ上のDownloadfiles内にある *.mot アイコンをダブルクリックするとダウンロードが開始されます。数十秒待ちます。





チェックサムメッセージが表示され、アプリケーションの再起動の催促が表示されます。それぞれ OKを押し、



 「×」をクリックして終了します。

 

「はい」をクリックして終了します。



以降書き込みは、書き込む毎にアプリケーションを終了させます。  





免責



この方法は、独自にて確立した手法であり、ルネサスエレクトロニクスから提供される方法ではありません。従って、手順や書き込まれた媒体などを含めたあらゆる保証について、一切の責任を負わないものとします。質問等にはお答えできませんので予めご了承ください。





2012/6/9 初版作成

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