(参 考)

滄州市の牧畜業発展概況

1998年8月
河北省滄州市畜牧水産局

滄州市は黒龍港河流域にあり、東は渤海湾に面して、南は山東省、北は北京、天津と接している。16の県、市、区と二つの県クラスの農場から構成され、総人口は650万人である。総面積は14,053km2で、そのうち耕地面積は1,173万畝(ムーと読み1ムーは1.667アール、従って195.5万ヘクタール)人口草地となりうるアルカリ性の土地及び低収量の畑は200万畝(33.3万ヘクタール)、河川及び排水路の土手は100万畝(16.7万ヘクタール)あり畜牧業の発展のための資源に恵まれている。

近年、国務院農業部、河北省畜牧局等の上級機関の指導方針のもとで滄州市共産党委員会及び滄州市政府適確な指導のもとに、畜牧水産局は、滄州市の特色産業の育成と農村経済の発展のために、栽培方法の調整、牧草栽培面積の拡大、草食牧畜業の発展の面で的確な措置を講じてきた。また、各種の指導、啓蒙普及、日本のJICAプロジェクトの導入、牧草の栽培及び収穫調整技術の展示並びに各種優遇政策の実施により滄州市内の南皮県、東光県、黄驊市等の重点地区で草地造成に力を入れている。これまでに滄州市の飼料作物の作付面積は60.5万畝(10.0万ヘクタール)に達し、そのうちアルファルファは20万畝(3.3万ヘクタール)を占め、1,000畝(166.7ヘクタール)以上の大規模な圃場が26箇所となっている。その他の飼料作物は、冬牧70ライコムギ3万畝(0.5万ヘクタール)、飼料用トウモロコシ28.5万畝(4.8万ヘクタール)、その他牧草9万畝(1.5万ヘクタール)、改良された自然草地8万畝(1.3万ヘクタール)となっており、滄州市の牧草及び飼料作物の生産量は50万トンに達している。

牧草及び飼料作物の生産量の増加は、牧畜業発展の基礎となり牧畜業、特に、草食家畜の振興に寄与してきた。滄州市における1998年の家畜飼養頭羽数をみると、牛79.96万頭、緬羊201.93万頭、ウサギ137.81万羽となっており、出荷頭数は牛39.28万頭、緬羊183.24万頭、ウサギ65.86万羽で史上最高を記録した。一方、滄州市の1998年における肉、卵及び牛乳の生産量は、それぞれ26.27万トン、27.46万トン、0.94万トンに達している。

畜牧水産局としては、牧草生産量の増加を加速させるため、滄州市の南皮県及び東光県において外国資本及び技術を導入して牧草加工工場を設立し、農民から牧草を購入し加工して販売することによって農民が安心して生産に生産に専念できる体制を整えた。

滄州市の1998年における牧草の販売量は3,500トンで、そのうちの50パーセントは輸出して外貨を獲得するとともに農民の所得も増加している。牧草の栽培面積が増加するにつれて、多年生豆科牧草栽培によって塩害地、アルカリ性土壌及び生産性の低い畑の改良が進み、社会的経済的効用に加えて生態系にもよい影響を与えている。

畜牧水産局としては、今後とも牧草栽培の振興を図ることを通じて農民の所得向上を図り、草食家畜による牧畜業を発展させることとしている。

具体的には、中国共産党滄州市委員会及び滄州市政府の政策に基づき、肉用の緬羊の振興と黄牛の改良を行うことにより農村経済発展の突破口とするとともに、滄州市内の重点地区を援助して牧草の栽培、加工利用及び販売を行うモデル地区の育成等を体系的に整備することによって牧畜業を発展させることによって滄州市の発展に寄与することとしている。

(翻訳:楊珍華、藤田和夫)