世間一般的にはゴールデンウィークに突入の今日この頃いかがお過ごしでしょうか?
私はこのお休み中を利用してかねてからの懸案であったGPZ400Rを整備することにしました。
29日にカバーを掛けられて6年間の眠りについていたこのバイクを引っ張り出し、エンジンを掛けてみることにしたのですが、恐ろしいことにキャブレターのフロート部分が固着してしまったのか、ガソリンがキャブレターのバキュームから、さながら赤い涙のように流れ出してしまいました。
これはもうキャブレター清掃しかないでしょうってことで、改めて5月1日に再挑戦を行いました。

前準備として用意する物は、
 ・ドライバー+、-。3種類ある中の一番大きいものと、中くらいの物が良い
 ・10mm六角ソケットレンチ
 ・キャブレタークリーナー
 ・キャブレターを分解清掃するためのプラスティック製品のバット
 ・耐油燃料パイプ(バキュームホース用)
 ・10mmの六角ねじ(ヘッドが潰れてしまった物の予備)
 ・ウエス数枚
 ・石けん(お好きな手を洗う洗浄剤)
を準備すればなんとかなるでしょう。

では、分解しましょ。
さくっとシートと燃料タンクを外します。

さて、取り外し出来ましたが、ここから問題。どうやってキャブレターを外すのか。
中央の黒いボックスはエアクリーナです。以外に大きくてにっちもさっちもいきません。キャブレターはこのエアクリーナとエンジン側とで宙づり状態になっています。この接続にゴムを利用しているので曲がるかなっと力業で片側に寄せてみましたがなかなか取れませんでした
正解というか楽に取れたのは、エアクリーナを後部へ押しやってキャブレターと接続されている側を徐々に上へと持ち上げると。ゴムが少々伸び、隙間が生じてキャブレターから外れます。そうすると、エアクリーナ自体を真上に抜くことが出来ました。ただし、エアクリーナは六角ネジでエアクリーナ後方二箇所、側面各一箇所を固定されていますから、 これらのネジを取り除いて下さい。左側面はバッテリー安定器があるので、これを先に外した方がよいでしょう。

写真のように取り外すには、エンジン側の方からも抜く必要がありますが、アクセルとチョークのワイヤーが邪魔をしているので、適度に除去しておきましょう。
チョークのワイヤーはそれほど問題なかったのですが、アクセルの方はびしっと張ってあったので、ハンドルの右グリップのスイッチボックスを分解し、テンションを抜いてあげないと取るのは難しいです。
エンジン側と接続してあるゴムの上に金具が付いてますが、これは十分ゆるめておいて下さい。そうしないと途中で引っかかってしまい、めげそうになります

さて、ここまで出来たらキャブレター本体の分解清掃になりますが、今回は全部をばらすわけではなく、下のフロート部分を開けてキャブレタークリーナーを吹きかけるだけにしておきます。
ここで要注意。フロート部分にはガソリンが大量に残ってます。キャブレター本体を左右に振るとばしゃばしゃと音がしてガソリン風味の危険な気体が発生します。こんなときはキャブレター最下部に存在するネジを開け下にバットなどを置き十分に排出してください。また、長期保管する場合などはこの排出を行うとフロート部分の固着にはつながらないと思います。


キャブレターアップのプラスティック部分がフロート部分です。洗浄剤を吹きかけしばらく置き、各部が緩やかに動くかを確認して組み立てます。

一息ついて、キャブレターを外した手順の逆を行っていきます。
アクセルワイヤー、チョークワイヤーの付け方には少々苦労しそうですが、余裕をもてる長さで作業することを心がけましょう。
ワイヤーを付け終わったらキャブレターをエンジン側に接続します。斜めを意識すると比較的取り付けやすいです。ネジを締める際にはアクセルに干渉しないように注意しましょう。エンジンが止まる方はよいのですが、吹け上がる方だと危険ですから。十分注意しなければなりません。
これに比べるとエアクリーナを接続するのはかなり苦労しそうです
これにはゴム部分を全部裏返してエアクリーナを押し込み、下部の接続ホースをまず接続します。それから、各キャブレターに接続するため、裏返していたゴムを元に戻します。慎重にやらなければ、上手く接続できないので慎重にしましょう。
バキュームホースも新品にしてちょっとよい気分。外には見えませんが(笑)

さて、どきどきの試運転です
ブースターで支援車から電源を供給しつつ、実験開始。
フロート部分がすっからかんなので燃料コックをONにしてしばし待ち、セルをオン。
ですが、なかなかかかりません。やはり燃料がまだ回っていないのでしょうか...数回するうちにエンジンから燃焼しつつある音が聞こえてきました
白煙をもうもうと上げながら何とかアイドリングをしています。調整を触ってしまったかもしれないので、キャブレターから伸びているスクリューを調整しますが、あまり安定しません。まぁ、6年のブランクですから、本調子という訳にはいかないでしょう。
しばらくそのままアイドリングを続けてみましたが、やや白煙が落ち着いてきたようです。とりあえず動く状況なので、このまま燃料コックを閉めフロート部分の燃料を全部使い切って保管することにしました。

製造から20年あまり、保管されてから6年あまりの時を超え、一瞬の目覚めを交えつつもしばしまどろみの中へと帰っていった。