11.移動運用その32/東京都八王子市高尾山山頂(2005.11.23)
東京UHFコンテストが開かれるこの日、移動地に悩んだ末、結局高尾山にする。
もう何十回も訪れたお馴染みの移動地ではあるが、無線運用場所はほぼ決まってケーブルカー駅上にある展望台。
だが今回は少し趣きを変えて、山頂まで足を延ばすことにした。山頂での移動運用はおそらく初めて。
午前10時頃、京王線高尾山口駅に到着。ちょうど紅葉シーズンで登山客でごったがえしている。
正月と同じだ。ケーブルカーの待ち時間は30分以上。時間のロスが勿体無い。これは運用場所選択をミスったかなと思うも今さら遅し。諦めて列に並ぶ。
山頂へはケーブルカー高尾山駅を降りて約40分程歩かねばならない。途中巨大な杉並木や薬王院境内を通る。山登りというより神社参りという行程。石段多し。
眼下には中央高速道路と圏央道がクロスする場所に巨大なトンネル工事現場が見える。今後はこの高尾山をくり抜く工事がいずれ始まるのだろうか?
やっとのことで山頂広場に着くとこれまた凄い人の数。立錐の余地も無いほど。
こんなたくさんの人込みを高尾山で見たのは初めて。昔、小学校の遠足でここを訪れた時もこれ程では無かった。殆どが老齢者を含む家族連れ。外国人もちらほら。でも児童、学徒の集団はいない。これも少子化の現れだろうか?
それはさておき、13時少し前よりやっと運用場所確保して東京UHFコンテストに参戦。
15時30分までに430MHzCW16局、430MHzFM30局、コンテスト以外に50MHzCW8局の計54局とQSOする。
特定小電力無線も試みたが時間帯が遅かったせいか交信には至らず。しかし他の移動局同志の交信が盛んに行われていたのを良好に受信出来た。
更に余った時間でCFMのDX。ここからだと神奈川方面のCFMが良好に受信出来る。湘南方面もかなり強く入感。一方思った程東京方面のCFMは強くない。参考に1997年にケーブルカー駅展望台で受信したCFM局リストも掲載しておく。
ところで、この高尾山山頂は周りに樹林が茂っており殆ど眺望が利かない。僅かに西の方がちょっと覗けるのみ。標高600mに居るという感じがせず若干物足りない。
16時頃には夕日が開けた西の方角に沈みはじめる。
17時前に下山を開始。BGMはFM相模原。『バード』という女声ボーカルの曲が夕景の高尾にシンクロする。
ケーブルカー駅に着くと、順番待ちの登山客の列が出来ていた。1時間近く待たされそうなので、展望台から都心方向の夜景をデジカメで撮影。ここは山頂に比べ格段に眺望がよい。標高は150m位低いのだが。
19時頃麓まで降りて帰路に就く。
ところで今回持参したFMラジオはウオークマン型ラジカセSONY
WM-GX410。最近購入した。
周波数表示がデジタルなため局名確認が容易に可能。
以前使っていたSONY SRFM100にカセットレコーダーが付属しているような感じ。現地録音の時カセットとラジオの両方はかさばるのでそれを一体化させたものがほしかったのだ。
さて使用感なのだが残念ながら受信感度が悪く、ちょっとDXには不向き。SONY SRFM100が小型ながら高性能だったのでその程度の性能があると期待したのだが残念。「二兎追うもの一兎も獲ず」か。
受信日/2005年11月23日・受信機/SONY WM-GX410・アンテナ/イヤホーンアンテナ・受信地/東京都八王子市高尾山山頂
周波数(MHz) | 局名 | 信号強度(5段階) |
77.7 | FM大和 |
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79.1 | 川崎FM |
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82.8 | 鎌倉FM |
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83.1 | レディオ湘南 |
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83.9 | FM相模原 |
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受信日/1997年3月20日・受信機/SONY SRFM100・アンテナ/ロッドアンテナ・受信地/東京都八王子市高尾山ケーブルカー展望台
周波数(MHz) | 局名 | 信号強度(5段階) |
77.6 | FM多摩 |
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77.7 | FMいるま |
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78.2 | 武蔵野FM |
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78.4 | シブヤFM |
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78.9 | 湘南ビーチ |
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79.1 | FM川崎 |
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82.8 | 鎌倉FM |
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83.9 | FMソック(相模原) |
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使用RX/YAESU FT817 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP
10.移動運用その31/東京都稲城市みはらし緑地(2005.10.9)
全市全郡コンテストの日、3連休中日の移動運用である。
だが生憎の天候だ。やや躊躇したが家で燻るのも勿体無く、午後はなんとか天気も持ちそうなので移動を決行す。
場所は稲城市と多摩市の境にある「みはらし緑地」というポイント。例によって多摩川南側河岸段丘の一つだ。
夜景スポット案内や特定小電力無線愛好者のホームページでも頻繁に紹介されているので、前々から訪れてみたかった。
新宿から京王線で調布へ。そこから多摩センター方面に伸びる線路上を電車は多摩川河岸段丘の脇に沿って疾走する。最寄り駅は、若葉台駅。
実は昔、まだ無線を始めたばかりの頃、ローカルさん3人とこの辺りの公園に移動運用したことがあった。たしか天王森公園だったか?
1989年頃だったと思う。
その時降り立った若葉台駅は、周りに何にもない殺風景な場所。
周辺は造成中のアパート建設のため、建材や土砂を満載したトラックが猛スピードで行き来していた。
移動地までその危険な道を徒歩で行くのだが、歩道なんて整備されていない。ただの建設資材搬入用車道みたなところ。
土ホコリをもうもうと上げてギリギリをすれ違うトラックを避けながら歩いた。
非常に恐ろしかった。トラックはこんなところを歩く人など想定していなかったようで、まったくスピードを落さないのだ。
轢かれても文句の言えない程の酷い場所だったことを記憶している。
だから若葉台はあまりよい印象が残っていなかった。
あれから16年。
久しぶりに降り立った若葉台駅は見違えるようなオシャレで近代的な駅舎に変わっていた。ショッピングモールも充実して綺麗な店鋪が並ぶ。
そして造成中だった宅地へと伸びる道路は整備され、モダンな街灯やオブジェが完成していた。まるでSF映画のセットのよう。
あの危険な道路も、幅の広い歩道が完備され、快適この上ない。
ひとつ気になるのは、これだけ広大な宅地を造成しても果して移り住む人がどれだけいるのかが疑問なのだが。
それはさておき、そんな風景を眺めつつ「みはらし緑地」へと向う。
この場所は最近整備されたらしく、ちょっと前の地図帳には載っていない。夜景スポット紹介のホームページがらプリントした案内図だけが頼り。
若葉台駅から徒歩で10分ぐらい西に進むと、前方に電波中継塔が建っているこんもりとした丘を見つける。
おそらく、あれが「みはらし緑地」だ。
だがその丘に昇る道が解らない。てっきりもう少し西進して多摩市側に入り口があるのかと思ったが、それは思い過ごし。
天王橋をくぐり抜けJOMOのガソリンスタンドに出てしまった。これは確か16年前にもあった施設だ。
一旦、来た道を折返すと、道路脇に丘へと続く階段を見つける。これを昇っていけばよい訳だ。
結局、若葉台駅を出てから徒歩20分位で到着。
目安としては若葉台小学校のすぐ西側を目標にすればよい。稲城台病院の北側。コープの薬局も目印になる。天王橋のちょっと手前。
さて、やっと辿り着いた「みはらし緑地」。
整備されて間もないため、雰囲気がよい。
綺麗な芝生、東屋、そして長い滑り台が特徴。電波中継塔がまるで第2次大戦中のアメリカ戦艦艦橋のように聳え建つ。
全体的な雰囲気は一昨年赴いた多摩市の「ゆうひの丘」と似ている。
最近はこの辺りの展望公園整備が目覚ましい。
この「みはらし緑地」は多摩市と稲城市のちょうど境で、どちらの市に属するか微妙である。
この公園を紹介するサイトも所在地が二分して明記されている。市境が公園の中を横切っているのかも。
しかし、細かく地図をチェックして見ると、どうやら稲城市領内のようだ。
さて、現地着が14時半頃。時々雨のぱらつく天候でコンディションは悪い。
だが「みはらし緑地」という名の通り、電波の跳びはよく、0.5Wでも交信局は稼げた。
結局、14時半から17時半の約3時間運用で、交信総数は66局。50MHz19局(SSB8、CW11)、144MHz23局(SSB16、CW7)、430MHz24局(FM15、CW9)。
運用を終える17時半頃には辺りは真っ暗。頂上のベンチ周辺には街灯がないのでちょっと怖い。この天候で人は殆ど訪れなかったが、夜は闇にに包まれるので単身で長居は避けた方がよい。
ただその分、周りの夜景は美しく、邪魔も入らないので孤高の雰囲気を味わう事が出来る。
晴天時には横浜ランドマークタワーや東京タワーが眺望可能だという。後から写真を見たら確かに横浜方面の夜景も確認出来た。
18時頃撤収開始。
夜の若葉台周辺の夜景は独特な雰囲気がある。
まだ開拓されて間もない場所なので、人の営みの気配が乏しい。
そんな中に人工的な照明やオブジェがぼうっと浮かび上がる。何やら宗教的施設の雰囲気すら漂う。
今だ造成されずの野っぱらも多く残っている。そんな中に煌々と照らし出されるショッピングモールは、まるで原野に降り立ったUFOのごとし。
こんな雰囲気はとても好きだ。
帰りは多摩センター経由。多摩センターもまた、人工未来都市の雰囲気を充分に醸し出す「聖地」である。
ベネッセの高層ビルを夜の闇に見上げるとマヤ遺跡の神殿に佇む錯覚に捕らわれる。
多摩都市モノレールで立川へ。夜のモノレールも味わいがある。武蔵野の夜を粛々と走る車内で瞑想に耽るのもよい。
使用RX/YAESU FT817 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP
9.移動運用その30/東京都文京区シビックセンター(2005.9.23)
春分の日の休日、都内での移動運用によく利用される展望ロビーの一つ、文京区のシビックセンターに赴く。
公共の施設としては練馬区役所と造りが似ており、比較的気楽に利用出来る場所だ。時々、430FMや特定小電力無線の移動局が出ている。
JR水道橋駅から後楽園ゆうえんち構内を抜けて十分程歩いて辿りつける。地下鉄丸の内線後楽園駅が最寄り駅。
ここの展望室は窓が斜になっており、夜景が屋内照明の写り込みに邪魔されずに楽しめる。
また冬期の晴れた夕方には、ここがちょうど富士山と新宿高層ビル群が重なって見えるポイントで、たくさんのアマチュアカメラマンがその絶景を狙うためにやってくる。
さて、展望ロビーに到着したのは午後4時近く。休日にも拘わらず、それほど人がいない。
無線をするには好都合。とりあえず430FMをワッチしてみる。
すると神田駿河台辺りのビルから移動している局が出ていたのでさっそく呼び掛けた。430FMはトランシーバーも小さく50MHzより機動性が高いので、意外な場所から運用出来るのが面白い。ちょっとしたビルの屋上とか、穴場スポットの移動運用に興味をそそられる。
このあたりは特定小電力の感覚に近い。
またシビックセンターローカルの430FM局も結構多く、CQを出すと何局か応答があった。
結局、18時前までに10局と交信。50MHz2局(SSB1、CW1)、144MHz3局(SSB3)、430MHz5局(FM5)。
430MHzは若い人やビギナーも多く、新鮮だ。50MHzがややマンネリ化していたのでよい刺激になる。
午後5時を過ぎるとすでに夕闇が迫る。ただ展望ロビーが開けている方面が都心と逆で夜景はやや派手さに欠ける。都心方面はレストランになっており、やはりタダでは観てくれない。
18時過ぎ、ロビーを降りる。駅に向う途中、後楽園ゆうえんちのジェットコースターに乗る女子の歓声が妙に響く。
使用RX/YAESU FT817 使用アンテナ/付属ホイップアンテナ
会期末が9/25に迫った「愛知万博」。
特別記念局8J2AI運用と万博公式FMLOVEARTH受信のため何時行こうか迷っている内に、なにやら激しく混雑してきた。連休を控えて大変な様相になりそう。そこでチャンスは今週の平日しかないと思い立ち、日帰りでの万博訪問を9/13に決行した。
交通手段は新幹線。「早起き万博早得きっぷ」という万博入場引き換え券付き往復券を使い、かなり割安で名古屋遠征を実施することが出来た。といっても総額2万円は超えてしまうが。
当日、朝6時5分東京駅発新大阪行き「のぞみ」に乗り込む。
「のぞみ」体験は初。考えてみれば「ひかり」さえ高校生の修学旅行以来、30年近く乗った記憶がない。
乗車した「のぞみ」の停車駅は品川、新横浜、そして名古屋。約1時間30分程で着いてしまう。まったくもって吃驚だ。
いずれにしろ名古屋訪問は初めて。浜松以西は久しぶりなので名古屋周辺のコミュニティーFM受信も兼ねる。例によってSONY SRM-F100と小型カセットレコーダーを持参。
ただ「のぞみ」は「こだま」と違ってあっという間に通過してしまうためゆっくり受信する暇がない。
前回の浜松遠征時のようにはいかないのが残念。豊橋、刈谷通過時に地元のCFMが聴こえたがログを取るまでには至らず。
さて、午前7時半過ぎ名古屋駅到着。初めて降りたJR名古屋駅の雰囲気は、ひと昔前のJR立川駅や八王子駅をやや大きくしたイメージ。東海地方のメインターミナルにしてはちょっと拍子抜け。ここからJRの直通列車『エキスポシャトル』に乗り換える。平日早朝にも拘わらず立錐の余地もない程の混雑。車内でラジオをチューニングすると77.3MHzに万博公式FM『FM LOVEARTH』が聴こえてきた。
市街を抜けるとすぐに田園風景が広がる。市街が延々と続く首都圏と比べると新鮮な車窓経験だ。名古屋から45分ほどで万博八草駅へ。ここから会場へは「リニモ」に乗り換え5分程で北ゲートへ行ける。しかし混雑は著しく乗り継ぎに時間を喰う。やはり空いている会期前半に行くべきだったと後悔するが今更遅し。
9時ちょっと過ぎにようやく万博会場北ゲート前に。
ここで行列は、チケット持参の客と当日券購入及び引き換え券の客に分けられるのだが、99%がチケット持参の客。チケット売り場はガラガラ。
事前購入者が多いのは事実だが、殆どは「タダ券」を貰った人達が今になって大挙して押し掛けたのだろう。客層を見ても普段イベントとかに積極的に参加しそうな人達とは思えない。老人も多く見受けられた。
さて、ゲート前に並べたはよいが、持ち物検査で手間取り、なかなか入場の列が進まぬ。この日は9月にも拘わらず真夏のような陽射しが照りつける陽気。身体には堪える。やっと入場出来たのが午前10時頃。家を出てから約5時間後であった。その半分近くが乗継ぎや入場の待ち時間に費やされた計算になる。
会場に入ると会場案内図を受け取り、まずは『FM LOVEARTH』スタジオを捜す。入場した北ゲートからすぐなので見つけるのは容易だった。実はこの局のグッズを持参しスタジオ前でアピールするとピンズが貰えるらしいのだが、あいにくグッズ購入の時間がなかったため断念し、スタジオ外観の写真を撮るだけに。
スタジオ内では生放送中の女性DJとディレクターらしき人が確認出来る。スタジオ前を立ち止まる人は少ないが、熱心なリスナーらしき男性がひとり「サイン下さい」と書いた紙を掲げていた。たぶんDJのファンなのだろう。
スタジオ撮影を終えると、JARL特別記念局のある「わんパク宝島パビリオン」へ。北ゲートから歩いて10分程なのだが地味な場所に立地しているため、行列も人集りもなく良くいえば快適に入場。
すぐにJARL特別記念局8J2AIブースを見つけ、運用の手続きをする。現地着が午前10時半頃。
係の人から「貴方がきょう最初の運用者ですよ」と言われた。あの物凄い入場時の群集の中で、この無線局運用を最初に目指したのが自分だけだとは、なんとも複雑な気分。運用するのに3時間待ちとかというのも困るが、逆に誰も並んでいないというのも寂しい。
それはさておき、運用は30分単位で各々50MHzと7MHzをCWでオンエアした。
平日の午前中ということもあって50MHzはCQを出しても空振り。ノイズレベルも高い。
7MHzではなんとか5局とQSO出来た。こういった記念局でのオペレートは初だったのでやや緊張し殆どラバースタンプQSOで終ってしまったのが残念。
運用が終った後、運用記念証(冒頭左画像参照)を貰う。ついでにブースに備え付けのスタンプラリー用のスタンプも押しておく。
ふと見回すとブースの周りは小学生だらけ。課外授業で訪れるコースなのだろうか?このパビリオンは「遊びと参加ゾーン」の中に含まれていて主に親子対象の展示がメイン。JARLブースにも親子連れでラジオの工作とか出来るスペースがあった。
はたしてどれだけの子供がアマチュア無線に興味を持ってくれたか気になるところ。
とにかく地味な場所だったのでアピールするには条件が悪い。今のアマチュア無線の情況を物語っているよう。
さて、昼前までに万博でのメインな目標は果してしまったので、暫くパビリオン内で『FM LOVEARTH』の放送を受信し録音する。あとは取りあえずぶらぶら会場を観て回る事にした。昼を過ぎて観客はより増えて歩くのにも難義な状態。
行列の出来ているメインパビリオンは最初からスルー。猛烈な陽射しと暑さの中で並ぶ意欲は全くない。
で少し離れた「森林体験ゾーン」の中にあるアニメ『となりのトトロ』のサツキとメイの家を見学。といっても中を見れるのは事前に抽選で受かった人だけで、近くの展望台から外観を見下ろすのみ。
結構眺望がよいため、受信出来るFM局をチェックしてみた(別表参照)。
初受信のFM岐阜等、比較的良好に受信できて収穫あり。この辺りはノイズもない。
メイン会場に戻り、会場内郵便局で記念切手セットを購入。はがきに消印を押してもらう。
そうこうするうちに時間は午後4時近くに。せっかくの万博に来たのだから外国パビリオンで何か食っていこうと思い立ち、比較的空いているパキスタン館でカレーとナンをオーダーする。味はまあまあ。
北ゲート近くの階段を登ったところに広大な木製回廊があり、そこで姑く休む。
売店も激混み状態。キッコロ、モリゾウもてもてだ。定番の「〜に行ってきました」お菓子も飛ぶように売れている。
大阪万博の時もそうだったが、会期末駆け込み入場というのはいつの時代にも変わらない。
午後4時半頃、会場を後にする。今度は帰りの混雑だ。往路程ではなかったが『エキスポシャトル』でずっと50分近く立っていたのはしんどかった。車窓からは夕景に瀬戸タワーが浮かび上がり美しい。あと上空に自衛隊のC130が旋回していたのが印象的。
後で知ったが、この日の入場者は20万人を超えたとか。おそらく閉幕にかけて更に混雑が増すのだろう。
午後18時、名古屋駅着。
帰りの新幹線まで時間があったので「JRセントラルタワーズ」の地上245メートルにある「パノラマハウス」へ。入場料700円だが万博チケットを持っていると200円割り引きだ。ここから名古屋地区のFMDXを目論んでいたのだが。
しかし、ラジオをつけてみると強力なTV、FM局の送信波によって混変調、相互変調が激しくDXは困難。東京都心と同じ現象。
更に良好に聴こえていた市内2局のCFMも時間帯が悪く、ジングルもIDも取れない。新幹線の時間も迫ってきたので、たいした収穫もなく名古屋駅に戻る。
ところでこの「パノラマハウス」は10/2で営業を終えるとか。夜景も綺麗でロビーも雰囲気があって勿体無い。たしかに六本木ヒルズ等と比べお客さんは少なく、平日とはいえ少し寂しい。その分のんびり出来るのだが。昨年行った浜松アクトシティー展望室は結婚式用チャペルも併用されていたのでここも付加価値の高い施設になるのだろうか?
20時13分名古屋発東京行きの新幹線「ひかり」で帰途につく。ログを取っていない刈谷と豊橋のCFMを受信しようとしたが、あいにく指定席が通路側の上、受信可能なエリアを5分程で通過してしまうのでジングル、ID等録音確認する事も出来ず。
やはり「ひかり」車中でのCFM局受信は難しい。通路側の座席では尚更である。結局ラジオは片付けて眠るだけであった。
22時13分に東京駅着。駅構内はキッコロ、モリゾーの手提げ袋を持った客で溢れていた。こうして日帰りの愛知万博訪問は無事に終了した。
今回は結局、マトモにジングル、ID含め初受信出来たのは万博FM局とFM岐阜のみ。後は間接的な確認に留まった豊橋、刈谷そして名古屋の2局CFM。岡崎や豊田のCFMは受信可能エリアに近かったのにも拘わらず聴く事すら出来なかった。
メインが万博であったので、致し方ないかも知れぬが、FM局受信に関しては不満が残る遠征であった。
受信日/2005年9月13日・受信機/SONYSRF-M100・アンテナ/ロッドアンテナ・受信地/愛知県愛知郡「愛・地球博」会場内「森林体験ゾーン」展望塔
周波数(MHz) | 局名 | 信号強度(5段階) |
76.5 | FM DANVO(名古屋) |
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77.3 | FM LOVEARTH(万博会場内) |
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77.8 | ZIP-FM(名古屋) |
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78.9 | FM三重(津) |
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79.5 | RADIO-i(名古屋) |
|
80.0 | FM岐阜(岐阜) |
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80.4 | FM三重(尾鷲) |
|
80.7 | FM愛知(名古屋) |
|
81.3 | FM愛知(豊橋) |
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81.8 | NHK津 |
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82.5 | NHK名古屋 |
|
83.6 | NHK岐阜 |
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84.8 | (不明局) |
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85.0 | FM三重(北勢) |
|
85.3 | NHK豊橋 |
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今年も8/20〜21に東京ビッグサイトで開かれたハムフェアに赴く。
今回は初日の午前10時開場直後に到着。チケット売り場には長蛇の列が出来ていた。
まだまだハムも捨てたもんじゃない。結構来場者が多い事に驚く。とはいえ並んでいる人の大多数は典型的な「おじさん」タイプ。若い人の姿は疎ら。携帯が普及したためか、ハンディー無線機を所持する姿も目立たない。
会場内に入場すると、いつものごとく馴染みのサークル『RANHAN-SHA』へ。今回は此処に自分のラジオ関係の自費出版本を置かせてもらうために早めに赴いたのだった。このサークルは単独の出店が今年限り。もう10年以上の付き合いだったのでとても残念だ。
付き合いの深かった無線、ラジオサークルがどんどん姿を消していく。総じてハムのクラブサークルはまだまだ盛況なのだが、自分に馴染む文科系的無線サークルは減っているような感じがする。
ところで特定小電力無線をいつも所持しているのだが、ワッチしていると9チャンネルにてCQを出している移動局がいらした。ちょっとお声かけして暫しQSO。アイボールまで至らなかったが特定小電力移動運用を楽しむ有志がこのハムフェアにも何人か来場していたようだ。
さて、今回のハムフェアでは1977年に発行されたアマチュア無線50周年記念切手を原価で頒布するというので購入してみた。13時からの販売だったが窓口にはすでにかなりの列。4種類のアイテムがあったので1セット購入した。2時間後位には幾つかのアイテムは売り切れてしまったようだ。
一方、企業ブースであるが、取りあえず勢力は何とか維持しているようだ。
昨今はD-STAR導入が騒がれているが、今一つ盛り上がりに欠けているような。新製品は超高級リグと軽量ハンディーとの2分化が目立つ。しかし、どれも特化され自己完結した製品ばかりでニューカマーを呼び込むような画期的製品を久しく見ない。
スタンダードのVX-7は軽量多機能で面白いなあと思うが、ちょっと高い。
例によってケンウッドのブースでは抽選会が行われていた。しかし当選発表の16時に行ってみると、当選者はわずか3人。
ところがその3人は現れず結局お流れに。集まった人達からはなんとも言えないため息が上がる。昔だったらもう少し羽振りが良かったような・・。ちょっと拍子抜け。
本関係はCQ出版社の『幻のレーダー、ウルツブルク』を購入。前回のハムフェア−で見かけて買い損ねた本だ。
総じて入場者数は昨年より多く、熱気があって良かったが、興味深い製品や出会いに乏しく感じる。
来年は新たなスキルアップに期待したいところだ。
6.移動運用その29/神奈川県伊勢原市大山見晴台(2005.5.4)
晴天に恵まれたゴールデンウイーク5月4日「国民の休日」。
毎年恒例有志クラブ員による特定小電力無線遠距離交信実験のため移動運用を実施した。
今回は例年合わせて参加していた東京コンテストと日程がずれていたため、特定小電力無線交信が主な目的の移動運用となる。
移動先に選んだのは、丹沢山系の大山。
アマチュア無線移動運用場所としてはあまりにも有名。また特小交信実験でも有志の方が何回か移動されて遠距離交信を成功させている。しかし自分はまだ未体験だった場所。
早朝6時前に自宅を出発。新宿駅で小田急電鉄の「丹沢、大山フリーパス」を購入(自販機でも購入可)。これは大山までの公共交通機関の料金が共通の割り引き周遊券だ。
新宿から小田急の急行で伊勢原駅へと向う。1時間程なのだが通勤型電車だと妙に長く感じる。
伊勢原駅北口を降りるとすぐに神奈川中央交通バス「大山ケーブル駅」行きの停留所がある。午前8時前なのにもうハイカーの行列が出来ていた。
バスは1時間に2〜3本だが、観光シーズンにはピストン輸送しているようだ。満員のバスに揺られ30分程で「大山ケーブル駅」に着く。渋滞も無かったので快適。車窓からは新緑鮮やかな大山の山体が大きく迫る。
バスを降りて、ケーブルカー駅へと向う。階段になっている坂の両脇には土産屋がずらっと並んでいる。何やら豆腐が名物らしい。
20分程登ると、やっとケーブルカーの麓駅「追分」に着く。
始発は8時半。すでに行列が出来て一車両待たねばならなかった。6分程で上の駅「下社」へ。
ここから大山山頂へは徒歩1時間半なのだが、今回は時間の関係もあって山頂は断念し、標高770m程の「見晴台」を移動運用の目的地とした。その「見晴台」へはケーブルカー「下社」駅から徒歩30分。事前に調べた資料によれば、さほど高低差のないハイキングコースで楽に辿りつけるルートのはずだった。
ところが実際歩いてみると様子が違う。鬱蒼とした森の中、落石の危険があるガレ場を縫うように細い登山道が伸びているだけ。ちょっと下手に躓けば谷底にまっ逆さま。確実に死ぬ。
所々に本格的な登山準備が必要な場所との注意書きと「落石注意」の看板が。その看板も実際の落石で破壊されグニャグニャになっている。いつ巨大な岩が落ちてきても不思議ではない。道案内や道標もなく、本当にここが「見晴台」へのルートか不安になる。
そんな危険な道をペットの犬や小さい子を連れたハイカーが沢山行き来していた。なんだかとても妙な光景だ。
冷や汗をかきながら、やっとの事で尾根沿いの「見晴台」に到着。
大きく開けたその場所からは、北西に巨大な大山の山塊が聳えているのが臨め、そして東北東に座間、厚木の街並を眼下に見る事が出来る。しかし思った程パノラマが広がっている訳ではない。
この日は天気予報では20度を超す気温とのことだったが、風が若干強く熱さより肌寒さも感じる。
さっそく午前9時半頃から50MHzと430MHzでアマチュア無線の運用を開始。
430MHzでは厚木、海老名、川崎、相模原、藤沢、千葉市辺りからぼちぼち呼ばれる。しかし50MHzではCQを出しても殆ど応答が無い。高尾山よりも手応えがない。
一方、特定小電力無線の方だが、予定時間になってCQを出してもまったく応答無し。待機するも入感するのはハイカーが連絡用に使っている交信会話だけ。かなり拍子抜けだ。
正午過ぎ、430MHzのメインチャンネルで待機していると、やっと東京湾アクアライン『うみほたる』パーキングと筑波男体山に移動しているクラブ有志からの声が聴こえた。
430MHzアマチュア無線では0.5wでも比較的良好にこの2地点には電波が飛んでいるようだ。しかし特定小電力ではまるでダメである。この日は他の無線サークルでも特定小電力移動運用オンエアデーとしてたくさんの局が出ている筈なのだが、何も聴こえず。
13時頃、やっと座間市の相模川に掛かる座架依橋移動「ブルースカイ」さんと交信が成立。結局、特小ではこの一局のみであった。
他にクラブ員有志が移動していた霧降高原、川崎市生田の枡形山、新宿都庁舎、湘南平、そして筑波山、東京湾『うみほたる』等すべて特定小電力無線では交信不成立であった。
後で地図で調べてみると、この「見晴台」からは微妙に死角になっていることに気付く。北東から反時計周りにぐるっと東方面まで視界が遮られており、僅かに厚木、座間方面が覗いているだけでは、微少な特小での無線交信は困難だ。
やはり大山は山頂まで行かないと効果的な遠距離交信が望めないだろう。
移動場所の設定を今回は完全に失敗した。
それはさておき、この「見晴台」は昼前後から子連れのハイカーで一杯となり、無線をやっていると肩身が狭い。
それに小さい子供がアンテナを悪戯したり危険極まりない。FT817の電池も14時前に切れてしまい早々に撤収を開始する。
結局、アマチュア無線では50MHz17局(SSB15、CW2)、430MHz11局(すべてFM)、144MHz2局(SSB)のトータル30局。
休日の高所移動運用としては今ひとつの結果であった。
FMDXの方だが、視界が開けている方角のFM多摩や、FMサルース(横浜市)がやたら強力に受信出来た。他のCFMはさほど目立つものなし。
14時半、来た道を再び戻る。帰りの方が視界に谷底が入って恐さが増す。靴底がつるつるの履物だったら大変だ。
丹沢は多摩丘陵のハイキングコースとは違い、完全に「登山道」に近いのでかなりの覚悟は必要だ。
15時、混み合うケーブルカー駅に到着。麓駅からバス停までの下り階段がかなり堪える。
次回は山頂までアタックしてみたい。
受信日/2005年5月4日・受信機/AIWA CR-D60・アンテナ/イヤホーンアンテナ・受信地/伊勢原市大山見晴台
周波数(MHz) | 局名 | 信号強度(5段階) |
77.6 | FM多摩 |
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78.9 | 葉山FM? |
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79.1 | 川崎FM |
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82.8 | 鎌倉FM |
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83.8 | 調布FM |
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83.9 | FM相模原 |
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84.1 | FMサルース(横浜) |
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84.3 | FM江戸川? |
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使用RX/YAESU FT817 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP
5.移動運用その28/埼玉県飯能市天覧山(2005.4.9)
お花見日和の休日、埼玉県の飯能市にある天覧山へ移動運用。
標高は200m弱だが秩父山地の東端、入間川が山間部から平地へ流れ出る北側辺りに位置するので、都心方面に開けておりロケーションはよい。明治天皇がこの山で陸軍演習を統括したのをきっかけに天覧山という名前が付いたという。
西武池袋線飯能駅で下車。国際興業バス名栗方面行きで10分、バス停天覧山下下車、徒歩20分で行ける。
しかし、駅から徒歩でも約40分で辿りつける。飯能市内の地図を持参すれば大丈夫だが、駅前に案内図がないので下調べなしに行くと迷うかもしれない。道程は殆ど街道沿いや住宅街なので「山登り」という感覚はない。
麓はお寺で、時期柄お花見真っ盛りであった。山頂への道は結構急な坂で岩もごつごつしており、思ったより難義だ。山頂はコンクリート造りの展望台になっており、飯能市が一望に見下ろせる。
16時頃からQRVしたためすでに聴こえる移動局も少なかったが、0.5w運用約2時間弱で50MHz5局(SSB4,CW1)、144MHz(SSB5)トータル10局と交信出来た。
FT817の充電池は、結局通算で約4時間程持ったか。感覚としては単3アルカリ電池と比べ倍近い持続力。ただ、それでも0.5wに絞ってこれだからやはりもの足りない。
さて、天覧山を18時前に撤収、麓の広場は夜桜見物の人でごった返していた。帰路飯能駅前商店街を通る。週末にも拘らず人陰は疎ら。店から流れるBGMは大抵ナック5(FM埼玉)であった。
その帰路、稲荷山公園で開かれる毎年恒例、某CFM局スタッフお花見会に参加。
ランタンが点る中、諸々の情報交換や懐かしい話で盛り上がる。
開局当初からリスナーとして最も思い入れていた頃のスタッフとラジオとは離れた場でこのようなコミュニケ−ションが維持されるのは嬉しい。
受信日/2005年4月9日・受信機/AIWA CR-D60・アンテナ/イヤホーンアンテナ・受信地/飯能市天覧山
周波数(MHz) | 局名 | 信号強度(5段階) |
77.7 | FM入間 |
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79.1 | 川崎FM |
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83.4 | 世田谷FM |
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83.9 | FM相模原 |
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84.2 | FM西東京 |
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使用RX/YAESU FT817 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP
4.コミックマーケットミニFM局『みけらじ』(2005.3.21)
年2回程開かれる漫画同人誌即売会最大のイベント「コミックマーケット」。
毎回、3日間で延べ50万人を動員するという凄まじい「ヲタク」の祭典だ。
そのコミックマーケットのイレギュラーなイベントが「コミケットスペシャル」。
数年に一度、コミックマーケットの特別編が企画される。それが3月21日に東京都江東区有明の東京ビッグサイト西館において開催された。
24時間耐久コミケットと称して丸一日ぶっとうしで同人イベントを敢行するというもの。その中には同人誌即売だけでなく、異色な企画も用意されている。
その中に有志によるミニFM局が含まれていた。
諸々のイベントで、ミニFM局が設置されるのは珍しい事ではなく、ハムフェア−でも何回か存在した。
だがコミケットでは初めてではないだろうか?
そこで当日、この局を受信するため東京ビッグサイトに赴いた。
本イベントにはカタログが用意されて、催し物が案内されている。それを購入しチェック開始。ミニFMは企画参加サークルとして登録されていた。
名称は『みけらじ』。コミケのミケと猫のミケを掛けているらしい。
HPによると「大〜中規模同人誌即売会でミニFM局というのが情報伝達手段になるか?」というのを検証するための実験放送ということだ。
周波数は87MHz。スタジオは西館2階。主催者は「FM実験放送」とある。
受信報告書やベリカードもちゃんと用意されているからかなり本格的。
さっそく、ラジオを87MHzに合わせると、多少の雑音があるものの、トーク番組が受信出来た。
内容は、女性声優と男性DJとの他愛のない会話だが如何にもコミケっぽい雰囲気がよい。
また、このイベントで行われている各種催しものの主催者インタビューやリスナーからのメッセージ、交通アクセス情報、更には同時に放送しているネットラジオとの相互乗り入れなどを放送していた。
但し、局名告知等は殆どなくそれが若干残念。
可聴範囲は西館全域とその周辺に限られていたが、ビッグサイトとりんかい線国際展示場駅との中間点位まではイヤホーンアンテナでも受信可能。
大凡法定内の送信出力で納まっているようだ。送信アンテナがフロア毎にあるらしく信号の強弱が場所によって大きく変動していた。
受信を終えるとスタジオのある西館2階に赴き、受信報告書を貰う。
シンプルではあるが、ちゃんとSINPOコードも記入出来る報告書が用意されていた。必要事項を記入して受付の人に渡すと、その場で受信時間を明記するスタンプを押してベリカードを発行してくれる。さすが同人誌イベントFMとあって「萌える」デザイン。印刷も本格的だ。
会議室を臨時に改造したスタジオ内では6人程のDJさんとゲストがいて生放送中。なかなか活況である。
スタジオのすぐ外にはラジカセとFMトランスミッターが置かれ、ここから電波は発信されている様子。おそらく他の場所にも複数送信アンテナがあるのだろう。
2130JSTの放送終了時までは聴けなかったが、コミケとミニFMの融合はありそうでなかったコラボレーション。
今後もこのような企画を望みたい。
受信機/AIWA CR-D60・アンテナ/イヤホーンアンテナ・受信地/東京都江東区有明東京ビッグサイト西ホール周辺
3.移動運用その27/神奈川県川崎市川崎区六郷橋土手(2005.3.19)
やっと暖かくなってきた3連休の初日、東京都大田区との境、多摩川に掛かる第一京浜道路の六郷橋沿いの土手にて移動運用に赴く。
此所も特定小電力無線での移動運用地としては有名で、結構電波が飛ぶロケーションとか。
JR品川駅から京浜急行に乗り換えて最寄りの六郷土手駅に向う。
しかしJRと京浜急行駅の乗り換えは非常に面倒だ。
慣れていないと訳が解らない。未だに窓口が自動化されておらず、人を介して切符をやり取りしなければいけない。東京モノレールと比べかなり手間が掛かる。
その上、車窓の景色があまりよくない。
京浜急行は住宅街を縫うように走っているので見えるのは家屋の壁とか神社、寺が多い。その上、お墓が線路に近い。羽田空港へ向うには縁起が悪すぎる。横浜方面からは便利なのだろうが、都心や城西、多摩、城北からの利用者にとっては京浜急行を敢えて使う理由は何もない。
それはさておき、10分程で六郷土手駅に到着。徒歩で六郷橋を渡り、対岸の川崎市の土手に降りる。
本当は六郷橋上の方が高さは稼げるのだが、適当な運用場所がないため土手で我慢する。
晴天の3連休初日の土曜日にも拘わらず、移動運用局が少ない。まだ無線のシーズンには早いか?
結局50MHzSSBで厚木市移動の局とQSOしたのみ。比較的強く入感していた千葉や東京の固定局を1wで呼んでみたが拾ってくれず。また430FMで暫くCQを出してみたがまったく応答なし。
1時間程で諦めて運用終了。
やはり標高の稼げない川辺では、この小出力、ダイポールアンテナではまったくダメであった。コンテストもなく移動局も少ない日にこのような場所から出ても骨折り損のくたびれ儲けでしかない。
充電池は羽田空港移動に続きなんとか充電なしでも大丈夫だが、そもそもQSOが今日を合わせて2局では話にならず。
次回はもっとロケーションのよい場所を捜そう。
2.移動運用その26/東京都大田区羽田空港第2ターミナル展望ロビー(2005.2.26)
先日、FT817用の専用Ni-MH充電池パックFNB-85を購入。これでなんとか移動運用の電源環境を改善出来るだろうか?
そのテストも兼ねて2月26日、寒い北風が吹く中、新しく出来た羽田空港第2ターミナルに移動運用に出撃。
JR浜松町駅から東京モノレールに乗る。「Suica」を使用すると乗り換えが楽だ。それにタイミングよく「快速」に乗る事が出来た。通過駅が増えたため結構早く着ける。
モノレールは眺望がよい。海岸縁を走っているのでレインボーブリッジや羽田を離着陸する航空機が旅愁を誘う。飛行場の夜景も綺麗。
終着駅の新設された第2ターミナルビル駅を降り、エスカレーターで展望ロビーに向う。週末とあって人が多い。
従来の第1ターミナルビルにも「バードアイ」という展望ロビーがあるが、第2のほうはそれより規模が小さく景色もいま一つ。海側に向いているので都心の夜景や夕景の富士山とかが見えないのが残念。
さて、さっそくFT817を取り出し、運用開始。
50MHzはノイズが多く移動局も聴こえない。仕方なく430MHzFMをワッチ。
品川区固定の局がCQを出していたのでそれに応答。こちらは0.5ワットなのでRSレポート51での交信。
430FMも他に移動局はなく、モービルのローカルラグジューが聴こえるくらい。やはり標高がないこの場所ではあまり電波は飛んでくれない。
さて、例によって警備の人から声をかけられた。但し運用を止めろと言う訳ではなく、アマ無線と解った段階で了解を得ることが出来た。
しかしいずれにせよ、此所での無線運用はロケーション的にFBとは言えない。特定小電力無線では時々利用される移動場所なのだが。
ノイズも多いため30分程で運用終了。
充電池のテストとしてはあまりにも運用時間が少なくNGであった。結局430FM1局だけの交信で終わる。
1.移動運用その25/東京都新宿区西新宿高層ビル(2005.1.3)
2005年謹賀新年。
今年のニューイヤーパーティーは西新宿の超高層ビル街に移動した。
この西新宿へは1970年代後半より風景写真の被写体として足繁く通った思い出がある。無線を始めた1986年以降もよく足を運んだ。
特に都庁舎展望室はその開館日に並んで、初日に移動運用したほどだ。
西新宿は無線家としての自分にとって「聖地」であった。
だが、残念ながら最近は各々の高層ビル展望ルームで無線運用していると、警備の人から注意される事が多い。いつ頃からスタンスが変わったのかは知らないが、他の客の邪魔になるとかの理由で無線家が排除の対象にされているのだ。馬鹿でかいアンテナとか展開しているのならいざ知らず、小さなハンディー機での運用まで干渉してくるのは理解に苦しむ。一方で携帯は放置状態なのだから矛盾この上ない。電話会社の陰謀でもあるのかと勘ぐりたくもなる。
それはさておき、NYP2日目の1月3日、休館と思われる都庁舎を避けて、新宿NSビルの展望ルームへ。
他のビルと比べ標高は低いが、都庁舎に次ぐフロアの広さがあるので多少は余裕をもって運用出来る。今回使用した無線機は6m専用のFT690MK2。アンテナは付属のホイップなのであまり飛んでくれない。ただFT817に比べ電池の持ちがよいので精神衛生上楽だ。
月曜日の三ヶ日最後なのでどうかなと思ったが、結構オンエアーしていた局は多かった。
午後1時頃運用を開始。ところが時計を忘れた事に気がついた。あいにく携帯も所持していないので時刻を知る手立てがない。
困ったなと見回すと、ふと視界に代々木NTTドコモビルの壁面に設置された大きな時計が視界に入る。まったくラッキーだ。それをオペラグラスで覗きながら時刻チェック。
さて15年以上使い続けたFT690MK2もかなりくたびれてSSBやCWで同調が上手く取れない。音声も聴き辛く流石に引退間近か?
1時間半ほど運用していると徐に警備員がやってきた。例によって追い出しにかかるつもりだ。
そんなに邪魔になる程場所も取っていないし、客も疎らなのだから出ていく理由などないと突っぱねようと思ったが正月早々揉めるのもつまらぬと思い素直に退散す。
15時半頃から、今度は場所を変えて新宿野村ビル50階展望ロビーへ。
ここは西新宿高層ビルがこれほど濫立していない頃からの眺望ベストロケーション。西側が開けていて富士山がよく見えた。
今は周囲に高層ビルが建て込んでしまい、かつての眺望は無くなってしまったが、それでも都庁舎に次ぐ視界の良さがある。
しかしここでも30分位すると警備員がやってきて退去を促される。とにかく無線はダメということらしい。
個人が自由に無線出来る環境がどんどん失われていく嫌な時代だ。こっちはちゃんとライセンスを取得して運用しているのに何故邪魔物扱いされるのか?一方で無線に殆ど知識のない者が携帯等を所構わず濫用している情況はどう考えてもおかしい。
携帯電話等の「無線」はすべて電話会社という一私企業の占有物だ。管理、課金された「商品」といっても過言ではなかろう。携帯電話の通信内容はすべて電話会社の監視下にある。
一方、アマチュア無線はライセンス取得者が決められたルール内で自由に使えるコミュニケーションツールだ。無論交信に課金などされない。
そんな自由な無線をあれこれ理由を付け、公共の場から閉め出そうとする流れはPLCと相まって危険な動きを感じる。
それはさておき、結局この日は23局(内CW10)の交信。
今後、西新宿各高層ビルの展望ロビーで容易に無線出来ないとなると寂しい限りだ。
野村ビル50階、地上200mの展望ロビーからは夕景をシルエットに富士山がくっきりと浮き出ていた。