RADIO DAYS 2001


10獅子座流星群(2001.11.19)

大騒ぎした割にはたいした事がなかった3年前の獅子座流星群。今年はイギリスの天文学者が大出現の予測をしていたが、皆半信半疑だったようでそれほど騒がれずに当日を迎えた。自分もそれほど関心はなく、ちょっとだけ覗いてやろうか程度に思っていた。

そして11/19未明がやってきた。たまたまこの時間に起きるサイクルだったので午前3時前にちょっと空を見上げてみた。

何か様子が違う。

やたら明るい流星が次から次へと落ちてくる。流星痕が出来る程の大流星が「当たり前」のように落ちてくるのだ。

これは尋常ではない。あわててチューナーの周波数を89.1MHz(当地ではこの周波数に出ている局がEsやMS伝播のビーコンの役割を果たす)合わせモニターする。普通、流星反射伝播は数分に一度、一瞬ノイズが途切れて何か聞こえる程度のものなのだが今回は流星痕によるバーストが多発して数分間にわたって断続的に入感する伝播が頻繁に起きていた。なんか中途半端なEs伝播のよう。観測結果はこちらを参照。

50MHzでも盛んにMSでの交信やっていたみたいだったが、アマ無線の場合、それぞれの局の出力次第でどうにでもなるような気がしていまひとつMS伝播による交信に馴染めない。というかQRPではだめなのだろうな。

ところで、よく観察すると大きな流星痕が出たからといって必ずしもそれに比例するMS伝播が起きるとは限らないようだ。場所や方角、高さ等、微妙なものがあるようでなかなか難しい。

それにしてもこんな流星雨は見た事がない。一晩でおそらく100個以上は見たろうか?それもこの明るい夜空の東京都心でだ。ほとんどが青白く輝くのだが中には赤っぽいものもあり、緑がかった流星痕を残すものもある。

まさに「星降る夜」であった。


09.移動運用記その6(2001.11.17)

今日は多摩市にある桜ヶ丘公園に移動運用。

京王線聖蹟桜ヶ丘駅からバスで約10分弱。標高にして140m位はあろうか?駅からの標高差100m以上を僅か10分弱で登る訳だ。まるで登山バス・・。桜ヶ丘公園は多摩ニュータウンの一角にある雑木林に囲まれた丘陵。公園の中心には聖蹟記念館という施設がある。園内からはあまり眺望はきかないがこの辺りでは最も高い場所になっており、多摩市移動の無線局は大抵ここからオンエアしている。

この日は薄曇りで陽が陰ると寒いくらいの陽気。ちょうど紅葉真っ盛りでカエデか美しく色付いていた。正午前より公園の開けた場所で運用開始。当日はコンテストもないので多くの局との交信は望めず。多摩市や八王子市ローカルの固定局がCQを出しているのを呼び掛けてQSOするくらい。移動局も3〜4局しか出ておらず閑散とした土曜日の50MHz。結局3時間で12局のみ。

身体も冷えてしまったので15時過ぎに撤収。帰り際、聖蹟記念館で無料展示されていた昭和初期の京王線沿線開発史を観る。昭和50年代の多摩センター周辺はまったく何もない原野のよう。あの人工的な駅周辺の雰囲気は満州開拓に近いものがある。多摩ニュータウンってかつての植民地政策の延長上に造られた人工都市。ある意味、フロンティアスピリッツは感じるが・・。生産人口が減り、経済も縮小し始めた今日、もうこのやり方はもたないだろう。数十年後、此所一帯は無人の廃虚になるかもしれぬ。それはそれで趣きがあろう。

16時頃、聖蹟桜ヶ丘駅に戻る。

考えてみると20年近く前、この駅を経由して大学に通っていたのだ。当時とはもう様子がすっかり変わってしまった駅前だが、何だか思い出深い。卒業してからも時々母校の学祭に赴いたりした。それからこの近くにスタジオがあるCFMのGーWIND。数年前、愛聴していた番組のパーソナリティーに会うため何回か見学に訪れたこともある。

なんだかんだいってもこの聖蹟桜ヶ丘周辺は波長が合うものがあるのであろう。

使用RX/YAESU FT690Mk2単体 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP


08.50MHz北米局交信(2001.11.15)

最近、50MHzのDXコンディションが良いようだ。

サイクル23のピークも過ぎているのだが東南アジアやオーストラリアだけでなく、北米も入感している。DXに関してはまったく守備範囲外なのでたまに「ああ何か聞こえてるの?」程度でしかなく、とてもパイルに参加する気は起きぬ。なにせ2.5Wでは話にならないし。

とはいえ、コンディション次第でタイミングがよいと思わぬQSOが出来たりする。

左のQSLカードは前のサイクル22(1989年)の時交信した北米局のもの。シアトル在住の日本人ハムだったと記憶している。その時のこちらの施設はFT690MK2に10Wリニア。アンテナは2エレHB9CV。こんなものでもちゃんと交信できてしまうのがおもしろいところ。この時はバンドいっぱいに北米局が出ていてRS59で入感しておりパイルも分散している情況。北米局がCQを出してもJA局の応答もちらほらという場合もあってそんな時タイミングが合うとこちらのコールを拾ってくれる。結局この時は5〜6局の北米局と交信したのを憶えている。1989年11月下旬から12月上旬にかけてアラスカ、カナダ、アメリカ西海岸から東海岸、そして中南米局が2エレHB9CVでもRS59で入感していた。でもOMの話を聞くとその前のサイクルの方がもっとコンディションがよかったとのこと。北米局とローカルラグジュー並だったそうな。

さて、今年の11月も当時程のコンディションではないが、時々北米局らしきコールが聞こえる日が何日かあった。でも出ている局数が少ないのでそれを呼ぶJA局のパイルが凄まじく、とてもQSO出来る情況ではなかった。11/15の朝も0900JST前後から数局の北米(VE7,VE6,K)のCWが聞え、パイルが出来ていた。北米以外にもインドネシア(9M6)のコールが聞こえていたがそちらも北米狙いでJA局が呼んでも「SRI」を返すだけ。ただこの日は平日のためそれほど酷いパイルにはなっておらず、素早くパイルを捌いている北米局には空きの時間もみられた。そこで何回かコールを打ってみたところ、めでたくコールバックがありQSO成功。相手は「K7CW」。12年前と同じFT690MK2単体2.5W(前回以上にQRP)。アンテナはログペリ。結局この日はこの一局のみ。。前回サイクルの情況を考えれば12月上旬までまだチャンスがありそうだ。北米側が週末の夜でたくさんの局がオンエアする日曜早朝が狙いめかもしれぬ。

それはさておき、日本のアマチュア無線人口が減ったといわれるが、DX局に対する凄まじいパイルを聞いているとまだまだ無線大国であることに変わりないことに気付かされる。こんな国はやはり日本だけであろう。


07.移動運用記その5/八国山緑地(2001.11.4)

大陸からの高気圧が張り出し快晴となった11/4。せっかくの好天なので移動運用に赴く。

場所は東京都下東村山市と埼玉県境にある八国山緑地。

平成2年に都立公園になったところ。西武新宿線鷺宮駅から西武園駅まで準急で約30分。沿線の北側にこんもりと緑の丘が見える。駅から5分ほどで公園の入り口。雑木林の坂を少し登ると尾根沿いの散策道が東西に延びている。

好天の午後だったので木漏れ日が美しい。犬を連れた散歩の人がすれ違う。標高はおおよそ海抜90mくらいか?尾根道を境に北が所沢市、南が東村山市。両端に立っている看板が違うのが妙に面白い。しかし尾根沿いからの眺望はよくない。公園の東端には将軍塚というピークがあるらしいが時間も午後3時。あまり場所を捜している暇がなく散策道の端に腰掛け、50MHzの運用を開始。

例によって簡易ダイポールアンテナとFT690MK2。この日は特にコンテストがあった訳でもなく時間も遅かったので移動局もほとんどいない。DXが開けていたらしくベトナムの局が59で聴こえていた。

そんな情況なのでほとんど交信出来ない。唯一、府中市の移動クラブ局とSSBで交信したのみ。CQを出しても完全な空振りであった。

運用を開始して30分程した時、公園の管理局員らしき人がやってきてこう言う。

「ここでの無線運用は許可が必要なんです。管理事務所で許可とって下さい」

なんだかなあ。たいして場所とってる訳じゃなし、ハイパワーで大規模なアンテナ建ててやってる訳じゃなし。そんなに無線って大袈裟なことなんだろうか?最近、公園や展望台などでは携帯、PHS使い放題なのに携帯より出力の弱い特定小電力無線で交信していてもなんかいろいろ言ってくる場合があり、理不尽を感じる。

それはさておき、交信相手もなく、日暮れも近いので早々にかたずけて帰り支度。ラジオからは例によってTBSラジオ伊集院光の番組。昔の記憶の穴を探究するコーナーでは船橋ヘルスセンターの話題で盛り上がっていた。

使用RX/YAESU FT690Mk2単体 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP


06.PLC一考察(2001.11.3)

最近、PLCという電力線搬送通信が無線界やBCLに反響を及ぼしている。

要約すると以下のような事だ。

普通の電線を通信線として使い高速インターネットや家庭内LANを実現するPLC(Power Line Communications)実験を日本でも実施する動きがある。 しかし大きな弊害もある。電力線を通信に利用すると電力線がアンテナのように振る舞い電磁波を放射する(いわいるノイズ)。そのため該当する周波数帯を使用しなくするか、漏洩する電磁波を防止する機器が必要となる。現在は電波法の規定で電力線に流せる信号は10-450kHzに制限されている。しかし通信線として使用する場合には2-30MHzの帯域が必要となる。 総務省はこの周波数帯の使用の可否の検討を開始した。 この帯域は短波帯に当りPLCが実現されると短波通信は事実上不可能となる。 日本では経団連の他、メーカーや放送局で作る電波産業会もPLCの実現に向けた開発部会を近く発足させる。 PLCが実現すると短波帯は使用できなくなり勿論BCLも短波利用のアマチュア無線も不可能。 既に日本では「短波帯が法的に使用できなくなるから『ラジオたんぱ』が衛星放送化する」という説明がなされたという。 英国ではRSGB(英国アマチュア無線連盟)が「短波は貴重な天然資源」としてこの動きに反対することを表明しているという。

つまり、このPLCが採用されると短波無線帯域が著しくダメージを受け、事実上、アマチュア無線家やBCLなどの活動が阻害される結果を生むということなのだ。

ところで電離層や対流圏の気象現象を利用する長距離無線は地球という大規模な天然システムの一環の上に成り立っている。太陽の電磁的活動や季節によって無線通信は著しく左右される。人間活動の及ばない自然現象に掌握されるこのような開放系通信手段を便宜上「ガイア系通信」と呼称しよう。

「ガイア」とは地球全てを一つの生命体として考えた概念である。

つまり「ガイア系通信」は地球全体の生命活動とリンクした通信手段とも言えよう。一方、有線通信(短い見通し距離を結ぶマイクロウェーブ無線や衛星通信を含む)はあくまで人工的に意図する相互間にラインを曵いて情報をやりとりする閉鎖された通信手段。

また無線はメッセージを特定の相手方、あるいは不特定多数の者に伝える手段であると共に、その無線が受信、発信、交信される事自体を目的とする場合がある。前者は放送事業や通信事業であり、後者はアマチュア無線、BCL、あるいは学術研究などに相当する。

無線がなぜ、ロマンであるか?

それはこの地球という巨大な生命体の鼓動とシンクロ出来るところにあろう。日々の受信情況の変化は正に地球の鼓動そのものだ。太陽活動による電離層の生成とその変化、気象現象による電磁波の屈折率の変化等、すべて人の及ばぬ予測制御困難な現象に支配されているからこそその神秘性に人の心は踊らされるのである。いわば「ガイア系通信」を介して地球と一体化すること。ここにロマンがあるのだ。これは100%人為的にコントロールされた閉鎖系有線通信では絶対に味わえない。

また「ガイア系通信」は地球活動とリンクしているが故、地球環境を診断するパラメーターとして活用出来る。地球上層大気現象はまだ謎に包まれていることが多い。「ガイア系通信」をモニターすることによってその謎を解明する手段にもなろう。それ以外にもガイア系無線通信はあらいる天文観測、地球観測、漁業通信、海運通信、測地、軍事、緊急連絡システム等に利用されている。それをすべて閉鎖系有線通信に移行させることは不可能であろう。

にも関らず、「ガイア系通信」を阻害するPLCは強行されようとしている。なぜか?

そこに巨大な富が生ずるからである。

20世紀初頭、マルコーニの大陸間無線通信実験成功以来、無線と有線との軋轢は続いてきた。当時も大陸間海底ケーブル通信会社が通信権益を侵すものとしてマルコーニに対し無線通信実験を中止せよと警告したという。

もし、通信という行為を商売として成立させようと考えた場合、その通信各々に課金システムを構築するのが原則だ。当然、その通信は相互間に確実に漏れる事なく伝わらないといけない。ほとんどの通信事業が有線で行なわれるのは有線が閉鎖系で特定の相手方だけにほぼ確実に繋がるからだ。一方開放された通信手段である無線は地球環境に左右され不安定な上、不特定多数に情報が拡散されてしまうため、課金された通信媒体とするには都合が悪い。

21世紀、全世界規模でインターネットという閉鎖系通信網が構築されるとますます通信事業の需要は増える。一方で不特定多数に向けた無線の代表である放送事業は相対的に営利事業としての価値が下がり、衰退の様相をみせている。そして放送事業もまた無線から課金効率のよい有線を利用する傾向に移行しはじめた。

つまり、意思伝達手段である通信・放送事業をすべて閉鎖系媒体である有線に完結させれば確実な課金システムが完成することになる。すべての通信や放送を通信事業者の中継システムに経由させることになれば全ての通信・放送の流れはその通信事業者に独占掌握される結果となる。逆に言えば通信事業者に掌握されない無線通信や放送はその通信事業者にとって不利益な存在となろう。

PLCによって短波無線が著しく阻害されるという事は、実は通信事業者にとっては好都合な出来事なのだ。むしろ彼等にとって課金の困難な無線通信の場が残ってしまうことは許されない。たとえ短波帯が使い物にならなくなっても不利益を被るのは無線行為自体を目的とするアマチュア無線かBCL位なもの。無線を単なる手段としている公益、商業通信や放送事業者は無線が利用出来なくなれば閉鎖系有線に移行すればよしと考えるのは時間の問題だと。だからPLCは通信事業者にとって一石二鳥なのだ。放送・通信手段の独占という彼等の「夢」が成就するという意味でね。

PLCに限らず、全ての通信・放送手段が閉鎖系有線システムに移行しつつあるのはやむおえまい。個人個人がパソコンや携帯という閉鎖系通信末端装置を所有出来る時代になった現在、効率や容量、確実性を考えれば当然の成りゆきであろう。技術革新がマルコーニから100年たらずにしてガイア系無線通信を無用のものにしてしまったかに見える。そう遠くない時代、特定の相手方に対する通信手段のみならず、不特定多数を対象とする放送事業さえもすべて閉鎖系有線(衛星通信やSHF帯域無線を含む)に移行が完了するはずだ。

しかしその代償として「ガイア系通信」が不可能になることの不利益は計り知れぬ。無線による通信・放送手段の喪失は勿論のこと、前述した「ガイア系通信」の持つあらいる有益性が失われる。更にすべての通信・放送が通信事業者という人為的システムに組み込まれ、課金され、その通信・放送内容さえも管理されてしまったとしたら、それははたして望むべき未来といえるのだろうか?

コミュニケーション手段を独占した通信事業者はやがて「神」になったのごとく振舞い始めよう。

「ガイア系通信」を死滅させず、通信手段をガイアとリンクさせつづけ、課金されないフリーな通信手段を維持させていくことが実は一番大切な事ではないだろうか?

そういう意味においてPLCという事業はどう考えても無謀で作為に満ちた愚行と思えるのである。


05.ハムフェア−雑感(2001.9.1)

8/31〜9/2パシフィコ横浜で開催されたハムフェア−に赴く。

行ったのは9/1土曜日。朝10時、会場にはそれなりの人の列。入場したその足で新しいQSLカードを入稿するため印刷会社のブースへ。今回初めてデーター入稿に挑戦した。データ入稿のほうが従来の写真原稿より安く上がるし、デザインも自由にレイアウト出来る。500枚づつ2種類のカード印刷を依頼。

入稿を終えて、馴染みのサークル巡り。いつもイラスト参加しているRANNHAN-SYAや機関誌表紙イラストを担当しているKDXCを廻る。あとマック用の無線ソフトを販売しているサークルでCD-ROMを購入。いろいろ入っているようだがはたして自分に合うソフトがあるだろうか?次は日本短波クラブのブースへ。ここではアンケートに答えると海外短波局のグッズが貰えるので毎回訪れている。今回はラジオ韓国のグッズを頂いた。

一応、クラブブースはこれ位にして企業ブースの方へ足を運ぶ。

毎年縮小ぎみの企業ブース。晴海でやっていた頃は各企業ブースにコンパニオンを配置して各々工夫を凝らしたイベントが開かれていたものだが、今はその面影すらない。コンパニオンも僅かに受付にいる位のもの。わくわくする新製品も見当たらず。

そんな中、唯一目を引いたのが八重洲のFT817。ポータブルオールモード機でフィールド運用のアンテナもオプションとして豊富に展示されていた。これはちょっと買ってもよいかなと思った。

さてデジタルデータ通信が今後のアマチュア無線の新たな展望らしいがなぜかピンと来ない。複雑多機能化する一方のハード、ソフトにはもうアマチュアの入る余地はない気がする。むしろアナログっぽい電信(実は一番初歩的なデジタル通信なのだが)や真空管を使った無線機こそがアマチュアに求められるような気がする。高い周波数の見通し距離にしか届かない無線にあまりロマンというものは感じないのだな。地球大気を通し、その微妙な変化を利用して交信するところにアマチュア無線の醍醐味があるんじゃないだろうか?それを暗示するようにQRP機や真空管ラジオの部品なんかを扱ってるミズホ無線には人垣が出来ていた。

書籍関連ブースも見て廻る。メールでQSLカードを交換する方法を書いた本があったがなんかそれって味気なさ過ぎないか?HP上にあるカードの画像をダウンロードするのと変わり無いような・・。あと第2次世界大戦中の日本の対空レーダー開発記みたいな本があって興味が湧いた。

なんだかんだで4時間位はいたろうか?客層は95パーセント近くが男性。それも年配者が多い。将来が危惧される年齢構成だ。

来年は東京ビッグサイトに戻って二日間開催だそうだ。たしかに横浜は若干遠いし気が散るものが多すぎる。ただビッグサイトは漫画同人誌イベントで食傷ぎみなので新鮮味はないなあ。

それはさておき、ハムフェア−参加後はラジオリスナー有志で特定小電力無線交信実験を兼ねたお茶会をランドマークプラザ内にある某ファミレスで開く。

けっこう濃い話題で盛り上がったが無線にはあまり関係ないのでここでは省略。

20時過ぎ、解散して帰途につく。美しい横浜の夜景とアマチュア無線はやっぱりどこかミスマッチ?


04.移動運用記その4/都立長沼公園(2001.8.5)

フィールドデーコンテスト。

今回移動地として選んだのは八王子市南部にある都立長沼公園という場所。

多摩丘陵の北斜面をそのまま公園にしたような所で標高は190m位ありそうだ。

京王線で新宿から準特急で30分程、北野駅から折返して長沼駅に向かう。車窓から見ると多摩テックの観覧車がある尾根沿いに西に延びる多摩丘陵が続いているが、どこが公園になっているのかよく解らない。

長沼駅は何もないところ。駅前広場はおろかコンビニさえ見当たらない。自販機もなく現地で食料や飲料水を確保出来ないのだ。かなり戸惑う。

駅を出て斜面のある南の方へ歩く。道沿いは田んぼ。とても東京都とは思えない。しばらく歩くと公園の入り口に。入り口といってもゲートがある訳でもなく登山道口に案内版が立っているだけ。

「霧降の道」という石畳の散策道を登る。けっこうきつい坂で周りが鬱蒼とした自然林。すぐ横に沢があって奥多摩の山登りというイメージ。その上「マムシに注意」という看板までありびっくり。標高差100mはあろうか。歩けど歩けど坂道はつづく。飲料水など携帯しておらず(長沼駅周辺での現地調達の当てが外れた)水分補給なしで凌げるのかと不安になる。

この散策道をやっとのことで登り切ると尾根沿いのT字路に出た。尾根の向こうは宅地化されていてなんか拍子抜け。大自然の中を抜けてきたら民家が密集してたなんて興醒めである。因みに目立ったのはアマ無線のタワー。ロケーションは抜群だろうが苦労して移動運用のために登ってきた者からすると「なんだかなあ」という感じ。多摩丘陵がここまで宅地化されるとわざわざ無線機持って登る意味が薄れてしまう。

それはさておき、この尾根沿いの道を東にしばらく歩くと「展望園地」という見晴らしのよい場所に出る。ここからだと八王子市南部の浅川沿いが一望出来てなかなかよい。京王線やJR中央線が鉄道模型のように眺められる。あいにくこの日は曇っていたが晴れた日などには遠く奥多摩や秩父の山のパノラマが楽しめそうだ。

早速ここで無線の運用を開始する。電波の飛びはまあまあ。場所柄、埼玉北関東方面がよい。たまたま北方のEs伝播が開いており、北海道や青森の局とも交信出来た。コンテスト終了の1500JSTまで約2時間で45局(電信17、電話28)。FT690MK単体とダイポールだけでこれだけ交信出来れば上出来であろう。コンテストが終わった後もしばらく他の移動局数局と交信。馴染みの局やQRP局とのんびりQSOして過ごす。ついでにFMラジオでコミュニティーFMの受信情況をチェック。RXはいつものSONY/SRFM-100。77.7MHzのFM入間がステレオで受信。79.1MHzの川崎がS2。あとは83.8MHzの調布がS4ステレオ、84.2MHzの西東京がS3位で受信可能であった。

東京都下八王子市長沼公園におけるFM放送受信リスト(コミュニティーFMのみ)

受信日/2001年8月5日・受信機/SONY SRF M100・アンテナ/付属ロッドアンテナ・受信地/八王子市長沼公園

周波数(MHz) 局名 信号強度(5段階)
77.7 FMいるま

4(ST)
79.1 川崎FM

2
83.8 調布FM

4(ST)
84.2 FM西東京

3

さて、そろそろ引き上げようとした頃、ハイカーの一人が声をかけてきた。以前無線をやっていたという学生風の男性。移動先で同好の志と遭遇するのは最近では珍しい。無線人口が減っている情況では貴重かもしれぬ。

午後4時を過ぎると周りはヒグラシの蝉時雨で一杯に。犬を連れたハイカーが多くなった。というより近所の住人にとっては犬の散歩のルートになっているようだ。散策道沿いのクヌギの木をふと見ると樹液口にカナブンやクワガタ虫の雄がいるではないか。ここには武蔵野の自然がとりあえず残されているようだ。

17時頃下山。気温も30度まで達さず凌ぎやすい中での移動運用だった。

使用RX/YAESU FT690Mk2単体 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP


03.移動運用記その3/千葉県富津市鋸山(2001.5.3)

この日はJARL東京支部主催の東京コンテストと有志による東京湾岸での特定小電力無線交信実験が予定されていた。

移動地として選んだのは千葉県の富津市と安房郡鋸南町の境に位置する鋸山。標高300m余りの垂直に切り立った断崖が特徴の山。頂上からは東京湾が一望出来る無線のホットポイントだ。

朝7時29分新宿発の『特急新宿さざなみ号』で一路、内房線浜金谷へ。当日の天候は雨。雨の中の移動運用は初めて。はたして雨を凌げる場所はあるのだろうか?かなり不安。

午前9時20分。浜金谷着。昭和40年代そのままの雰囲気漂う駅舎を出てロープ−ウェイ乗り場へと向かう。小雨が降り続く中、ロープ−ウェイに乗り込み山頂へ。

現地はガスで視界が利かず、激しい風雨。最悪のコンディションだ。山頂駅周辺に雨を凌げる場所は見当たらず、仕方なく尾根伝いの道を歩む。しばらく行くと『日本寺』という寺の管理所に辿り着く。地図を見ると境内に数カ所展望台が記されている。拝観料として600円払わねばならないが、雨の中突っ立ている訳にもいかず、とりあえずお金を払って境内に入る。

『十州一覧展望台』という道しるべが目に入ったので迷わず長い階段をひたすら登る。やっと辿り着いたその展望台・・。だが雨を凌げる屋根付きの休憩所など見当たらない。唯一木の茂みと石碑に囲まれた空間だけが風雨を遮っていた。今更いま来た階段を降りる気にもなれず、覚悟を決めてその木の茂みと石碑の間に防水シートを敷き、運用拠点を築く。吹込む雨雫は傘とレインコートだけで凌ぐ。ガスで視界はゼロ。容赦なく吹き付ける風雨は傘を吹き飛ばすほど。気温も10度ちょっとしかない。

そんな中でアンテナを張り、無線運用開始したのは午前十時過ぎ。さすがにロケーションがいいので各局の波が強力に入感。だがこちらのCQにはほとんど応答がない。やはり、1wの出力とダイポールアンテナでは弱すぎるか。だがこの天候ではコールするだけで精一杯。吹き飛ばされそうな傘を必死に握ってキーを打つ。雨はどんどん降り込んでズボンやバッグがぐしゃぐしゃに濡れていく。重要な備品はビニール袋等に包んできたので「水没」は免れたがこんな情況で長くは耐えられない。手もかじかんできた。いつ撤収しようかと考えていたところ、幸いにも1330JST頃より雨が上がり始めた。視界も開けてきて眼下に浦賀水道のパノラマが見えてくる。1400JSTにはすっかり雨は止んで、ほっと一息。

ここで50MHz運用を一段落させ、特定小電力無線交信実験に移行。予め指定されたチャンネルを使い、CQを出してみる。

すると早速対岸の三浦半島鷹取山に移動していた有志から応答が。RS45〜55。距離にして約27.5Km。僅か10mW、420MHzUHF帯の特定小電力無線を侮るなかれ。親子電話の子機並の出力でいかに遠距離交信出来るか・・。この醍醐味を一度知ると止められなくなるのは無線家の性か?QRPの真骨頂がここにある。

その後も続々湾岸に移動した有志との交信に成功する。

鋸山〜東京湾うみほたるパーキング間33km RS44

鋸山〜富津公園間17.5km RS47

そして交信までには至らないものの京葉線新木場駅からの呼び掛けをRS35で受信。距離にして約60kmである。さすがにここまで飛ぶとはびっくりである。(此所を参照)

さて、東京コンテストは15時で終了。交信局数は電信で27局、SSBで30局の計57局。群馬赤城山移動の局によると雪が積もったとか。いずれにせよNGな天候の中、我ながらよくやったものである。しかし、もう雨の中での移動運用は懲り懲りというのが本音だ。やはり無線は晴天下でやるものだね。

余った時間でFM放送帯をワッチ。RXはいつものSONY/SRFM-100。コンパクトながら底底DXも可能。

ロケーションが良すぎたのか、関東一円のNHK、県域民放が強力に入感してコミュニティーFM各局は潰されぎみ。そんな中、84.3MHzのFM江戸川はS4程で確認。この局はどこへ行っても強力に入ってくる。

17時下山。GWとはいえこの天候なので行楽客も疎ら。帰りは鈍行を使ったので東京まで2時間以上もかかった。交通費も往復で4000円以上・・。気楽に行くにはちょっと遠すぎるロケーションというのが実感。

以上、鋸山移動記であった。

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02.移動運用記その2/東京都日野市都立七生公園(2001.4.29)

東京南西部に位置する多摩丘陵。

ここには幾つもの名もない移動ポイントが存在する。多摩川の南に位置するこの丘陵の上からは東南の方角がよく開けていて都心方向の眺望は抜群である。

アニメ映画『耳をすませば』のラストシーンで有名なよみうりランド付近も隠れた移動スポットであり、昨年5月の東京コンテストでもここからポータブル2w、ダイポールで100局近くと交信出来た。

さて、4/28〜29にかけてALL JAコンテストがあり、その際、また新しい多摩丘陵移動ポイントを捜してみようと思い立った。

以前、JR中央線の豊田付近の車窓から小高い多摩丘陵の上に観覧車をみつけた事があり、「あれはなんだ?」と気になっていた。地図で調べてみるとどうやら『多摩テック』という遊園地らしい。日野市と八王子市の境に位置する丘陵の頂に位置する。

4/29、JR中央線で立川へ。そこから多摩都市モノレールで多摩動物公園へと向かう。このモノレールが出来てから多摩地区南北アクセスが飛躍的に向上した。車窓からの眺望もFB。この日はGW初日、薄曇りでぱっとしない天候だったが動物公園入場料が当日無料らしく親子連れでごった返していた。ここから多摩テックまでバスで5分。無線だけのために入場料を払うのは意味がないので周辺を散策し、眺望の開けた所はないかと捜す。例の観覧車の真下まで来たが雑木林とモトクロス用バイクトライアルコースがあるだけで落ち着いて無線をやれそうな場所が見つからない。

周辺をうろうろしていると丘陵の側面を造成工事途中らしい開けた場所を発見。誰もおらず、まあ一寸位いいだろうということでここに陣取ることにする。

南側に開けており、ちょうど中央大学の裏手あたりだろうか?1130JST頃から運用を開始。例によってFT690MKとダイポールアンテナだけというシステム。おっとしまった!電鍵用のケーブルを忘れた・・。結局SSBのみの運用に。ここからだと東京より神奈川、千葉方面とのQSOが目立つ。比較的順調に運用していたがお昼過ぎ、工事責任者らしき人がやってきてここは関係者以外立ち入り禁止であることを告げられる。結局、この場所での運用は一時間程で退散。

徒歩でまた周辺を散策。多摩動物公園裏手に都立七生公園という場所をみつける。丘陵の頂も公園として整備されているらしく、ここなら問題あるまい。頂のテラスのベンチ(頂といっても雑木林に囲まれて眺望はまったくきかないが)に腰掛け運用再開。この季節は毛虫のシーズンで尺取り虫みたいな蛾の幼虫が沢山落ちてくる。それを避けつつマイクを握る。GWなのに誰もいない。こういう隠されたスポットが多摩丘陵には沢山あるのだろう。あまり人が多い場所だと気を使い、落ち着いて無線運用しづらいのだが、逆に誰もいないとちょっと不安にもなる。

1400JST近くになって雲行きが怪しくなる。雨が降り出す前に撤収開始。結局2時間程の運用で35局と交信。こちらのCQに応答したのは僅か2局だったがまあこんなもの。ただ電信が出来なかったのは残念。

モノレールの駅に戻った途端に雨が降り出した。帰りのBGMは例によってTBSラジオ。日曜の午後は伊集院光が定番となる。

使用RX/YAESU FT690Mk2単体 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP


01.移動運用記その1/東京都八王子市高尾山(2001.3.20)

久しぶりに移動運用。場所は東京都八王子市高尾山。交通の便が良くて電波の飛びが良い近場の定番。

リグはヤエスのFT690MK単体。アンテナはミズホ無線のロッドアンテナ型のダイポール。非常にコンパクトで携帯に適したもの。極力荷物になるようなものは持たず、身軽を第一に。これは無線を始めた14年前からポリシー変わらず。

何せリグはこのFT690MK以外には7MHzCW専用QRP機しかない。つまりあまりハードには興味ないというか、このリグで充分満足しているということかもしれぬ。

阿佐ヶ谷の自宅よりJR中央線鈍行で三鷹駅へ。そこから快速に乗り換え高尾駅に。春分の日、春らしい穏やかな晴天。移動日日和。だが花粉症の人にとっては高尾山に近寄りたくもあるまい。幸い、私は今のところ症状出ず。京王線高尾山口駅よりケーブルカー駅へ徒歩で向かう。休日だというのに人出は疎ら。それもほとんどが年輩者。曾ては首都圏行楽地の代表格だったここ高尾山も斜陽の地なのか?遠足の学童の姿など影も形もない。

ケーブルカーで山頂駅へ。そこの展望レストラン(今は寂しいゲーム機置き場)屋上に陣取る。眺望は抜群。遠く新宿の高層ビル群が見渡せる。今はここは携帯電話のアンテナ基地みたいになってしまい、無線をするのはちょっと躊躇したくなるが1wほどの出力では、まあ影響はあるまい(本当かな?)。先客としてCB無線をやっているカップルがいたが他に無線をやっている者の影は見当たらず。アマチュア無線最盛期には休日となるとここは移動運用のメッカだったが最近、同好の志と出会う事はほとんどない。

1315JSTから50MHz帯ワッチ開始。出てる局が少ない。

移動日日和の休日というのに移動局はちらほら。交信相手に困る程。その上電池パワー節約のため1Wしか出していない上、アンテナもダイポールのためあまり電波は飛ばずなかなか交信に至らない。CWをやりたかったのだがSSBにも増して相手がいないのでは如何ともしがたい。因みに持ってきた電鍵はミズホのベビー電鍵。

1500JSTから大都市コンテストというのがあったのだが僅か数局の交信。風が強くなり寒くなってきたので1600JST前に無線を切り上げる。結局2時間強で交信局18局のみ。寂しい限り。

1600JST頃、在日米軍のものと思われるCー130の編隊が上空すれすれをパスしていった。

アンテナを早々に片付け、FMラジオ(SONY/SRF-M100)でコミュニティーFMをワッチする。相模原をはじめとして結構沢山の局が聴こえてくる。ロッドアンテナでの受信なのでちょっと動かしただけでも受信状態が変化してしまう。

帰りはTBSラジオをBGMにする。最近はTBS平日夕方の番組が気に入っている。『荒川強啓デイ・キャッチ』と『清水圭のスポーツBOMBER!』が面白い。余談だがTBSラジオを聴き始めたのはもう25年前。妙にシンクロする。不思議なものだ。

使用RX/YAESU FT690Mk2単体 使用アンテナ/ミズホ製簡易6mDP


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