採集記#19

【とぉ】


#19 5月29日(日)早朝(4:50〜6:55)
天気 晴
気温 14℃(20.2/14.5℃)

今日は5月最後の休日だ。今日こそヒラタを見つけたい。そう思い、第1ポイントへ向かって出発する。

しばらく走ってポイントに到着。ここからの歩きは長いので、入念に準備体操をして体をほぐして出撃する。

 入口にさしかかったところで溜息が漏れた。強敵の「深藪」の登場である。朝露をたっぷり載せており、侵入はほぼ不可能となっていた。だが、ここで諦めるわけにはいかない。試行錯誤して迂回路を通り、何とか目的の樹に辿り着いた。

 早速幹をチェック開始。すると腰の高さの洞の中にクワガタの尻が見えた。しかし、かなり奥に入っているらしく、動く気配もないので他の洞を探る。

 別の樹皮捲れの中にコクワの♀を発見。



おはようございます

 撮影後リリースし、カミキリが開けた穴を照らす。その奥にまたクワガタの尻が見えたので掻き出し開始。かなり奥に入っており、ちょっと手間取ったがようやく出てきた。



      大顎と体のバランスがなかなかいい個体

 今度は♂だった。スタイルの良い個体だ。そいつも住処に戻してやり、最初の洞の個体を掻き出すことにした。奥で左に曲がっており、その陰から尻が見えている。掻き出し棒の角度を調整しながら突いていくが、反応が無い。もしやと思ったが、掻き出してみると想像通り☆になっていた。赤みがかった色をしていたので新成虫だろう。

 この樹はこれで終わりにし、もう1本の樹を探ることにしてまた歩き出す。足下が悪いのと、長靴を履いているため、良い運動になる。朝方涼しいこの時期ならいいのだろうが、真夏にはちょっときついかも知れない。

 そうこうしているうちに目的の樹へ到着。葉が勢いよく茂ってきている。前回に比べて樹液も良く出ている。早速目の前の洞を照らすと、クワガタの大顎が見えた。今度は大きめのコクワのようだ。早速掻き出し開始。しかし、意外に力が強い。コクワにはないふんばり方だ。それもそのはず、こいつの正体は念願のアイツだった。



今期初野外活動個体

 サイズは40o前後か。やはりヒラタは幅がある。体に比べて大顎が小さい気がする。その内歯は完全に摩耗しており、越冬個体のようだ。ひっくり返すと体のあちこちに土が付いている。最近出てきたばかりのようだ。右前足も付け根から欠損している。何かすごい生命力の強さを感じた。


裏側から失礼
 その後、他の洞をチェックしたが何も発見できなかった。ここまで来たのでもう1本見てみることにした。先日ゴキブリが入っていた洞である。

 かなりの藪を漕いでその樹に辿り着いた。ライトを左手に、掻き出し棒を右手に持ち、臨戦態勢で洞を覗き込む。中にいたのは・・・成虫になったゴキブリであった・・・。

次のポイントに向かうため、クルマへと戻った。だが、横着して迂回路を使わずに深藪を突き進んだのでズボンはまるで川に落ちたかのようにずぶ濡れになってしまった。歩くたびに太ももが冷たい。早く乾かしたいと思い、予定を変更してズボンを乾かすことにした。

 第2ポイントに到着。半分はズボンを乾かす目的だったので時間までひたすら歩いた。所々にある樹をチェックしたが何もいなかった。良さそうな樹は2〜3本見つけただけだった。とある倒木の上に何やら綺麗な色をした虫がいた。



ニジゴミムシダマシ?

図鑑で調べたが該当するものはなく、近いものでニジゴミムシダマシというのがあったが、ニジゴミは体が少し細長く、前翅には深い溝が何本も走っているのに対し、本種は体型がテントウムシに近く、点刻はあるものの、溝にはなっていない。まぁ専門外だからいいのであるが・・・

その奥にもまだ木立があるようだったので次回来てみることにする。5月最後の出動でヒラタを確認できて最高の気分だった。


本日の結果
採集 0
確認 ヒラタ♂1、コクワ♂1♀1


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