採集記#7

【とぉ】


#7 4月30日(土)夕
天気 晴
気温 18℃(20.3/10.5℃)

 今日で4月も終わりだ。実は密かに目標としていた事がある。「4月中に野外活動個体を確認する」ことである。しかし、材割や材起こし等での確認はできているが、洞や樹液での確認(つまり今期活動を開始した個体)には至っていない。やはり4月の気候ではクワガタは活動できないのだろうか。そんな疑問を抱きながらポイントに向かった。

 今回は□□の少し南側から攻めることにした。昨シーズン中2〜3度訪れただけで、あまり樹の位置関係は覚えていない。とりあえず、行けるところはすべてチェックするつもりで入っていく。

 まず感じたことは今までと違って樹液の酸っぱい臭いが漂っているということだった。少し希望が湧いてくる。周りを見渡すと、あちこちで樹液が出てきている。懐かしい臭いだ。ケシキスイも今が盛りとばかり大発生している。



ケシキスイ@食事中



あちこちでこんな光景が見られた。

 ここでの最大の甲虫はシロテンハナムグリであった。この時期から活動しているとは思わなかった。写真を撮りたかったが、カメラを向けたら下に落ちてしまった。これならクワガタがいてもおかしくない。手当たり次第に洞を覗いて見るが、中はやはりケシキスイが陣取っていた。

 クルマで少し移動し、○○へ。まず昨年初めてコクワを発見した樹をチェックする。しかし、洞にはクモの巣が。毎年同じようにはいかない。これもクワガタ採集の醍醐味である。更に奥へ進む。この林は先ほどの林に比べて乾燥しているようだ。樹液の出方も少ない。ちょっと期待薄かな、と思った瞬間、前方の樹の幹に黒い虫を発見した。



地面へ向かって進んできた

 羽の部分に何か付いており、それが模様に見えて別な虫かと思ってしまったが、近づいて見れば今月の目標の「野外活動個体」であった。嬉しくなり、手にとって観察する。




 羽に付いていたのは何かの花びらのようだった。動きがぎこちなく、まさに出てきたばかりという感じだった。気を良くして更に奥地へ入る。すると、いくつも洞が開いた大きなヤナギに辿りついた。そのうちの1つを覗いて見ると、何とクワガタの尻が!先ほどの♀の存在がこれで確定的となった。待ちに待ったシーズン到来の瞬間である。

気が動転していたため、すっかり写真を撮るのを忘れてしまった。難しい洞ではなかったが、あせっていたため時間がかかる。何度も奥へ潜られそうになるがようやく掻き出しに成功した。



いばりコクワ

 大きさは40oちょっとか。先ほどの♀でかなり満足であったのだが、やはり洞採集は楽しい。これからイヤというほど見ることになるコクワだが、こいつがいなければクワガタ採集は始まらない。彼らの出現にただただ感謝である。

本日の結果
採集 0
確認 コクワ♂1、♀1


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