採集記#6

【とぉ】


#6 4月29日(金)早朝(5:10〜6:55)
天気 曇
気温 19℃(24.2/13.0℃)

 今朝は4時半に起きて出発した。ほぼ日の出時刻の5時に現地に到着。低く垂れ込めた雲のおかげで、気温は昨夜からあまり下がっておらず蒸している。今日の目的は2つある。昨年秋の下見で気になっていた大きな洞のある樹と、カーテン状の捲れのある樹の確認である。

 まずは周りのヤナギを物色しながら進む。洞はあるが中は乾燥している。新たに開いた洞もある。樹液はこれからのようだ。

 第1ポイントに着いた。雑草もまだ出たばかりで、難なく林に入っていける。中に入って数m進んだところで足もとに良さげな材が転がっていた。寄り道している余裕はあまりないのだが、これ1つだけということで少し探ることにした。ひっくり返すといきなりクワガタの幼虫が見えた。その材の下にもう1つ材が埋まっており、その境目から顔を覗かせていたようだ。表面を薄く削ると成虫が出た。



おはようございます



 久しぶりのヒラタだ。大きさは25oほど。前胸板に上空の雲と周りの木々、そしてカメラを向ける私が映り込んでいる。まさに「ピカピカの」という形容詞がピッタリの新成虫である。少し手にとって遊んだ後、材と共に埋め戻してやった。あの幼虫たちも来年の今頃には成虫で出会えるかもしれない。場所を覚えていればの話だが…。

 更に奥に進んでいく。このあたりはみな樹の状態が良く、夏場はかなり期待できそうだ。




 ケシキスイも多数活動を開始していた。クワガタが付くのも時間の問題だろう。

 目的の樹はというと、捲れ部分の腐食が進んでいてボロボロに風化していた。次のポイントへ向かうため、この林を後にし、クルマで移動する。次は大きな洞のある樹のチェックである。

 第2ポイントに到着し探索を開始する。しかし、肝心の樹はその洞のところで折れてしまっていた。その部分が弱かったのだろう、昨年の相次ぐ台風に耐えられなかったものと推測できる。

 ここで当初の目的は達成できたのだが、まだ時間が少しあるので材起こしをすべく辺りを徘徊する。その途中でこんな足跡を発見した。




 可能性としてはカモシカだろうか。昨年もこのあたりで1度目撃した覚えがある。

材起こしの方はいくつかのハズレの後、ようやく当たりが出た。




 今度はコクワの越冬成虫だ。これでコクワは2頭目だが、前回と同様に材の裏側にへばり付いていた。

 これにて今日の探索は終了。手応えとしては材が無数に転がっていたので春の材割り期には向いているかもしれない。洞・樹液採集には少し早かったというところか。次回はぜひとも♂に出逢いたいものだ。

本日の結果
採集 0
確認 ヒラタ♀1、コクワ♀1


 


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