採集記#106

【とぉ】


#106 10月10日(日)午後
天気 晴
気温 23℃(27.6/17.2℃)
場所 ポイントAGHI
目的 採集 #93

 前回から1週間が経過した。心配していた台風も通過し、今日は午前中から日差しがきつい。8日ぶりに夏日を記録し、暑い1日となった。待ちに待った出動である。

 2:15過ぎ、家を出る。最初に向かったのはポイントIだ。ここは現在もっともクワガタの生息数が多いと思われる地点だ。

 程なくして到着。まずは「ノコの樹」を見に行く。犬の散歩をしている人と出会った。犬は2頭おり、付近に放たれていた。近くを通ると激しく吠えられた。どうも怪しまれているようだ。しかし飼い主が制し、その場を通り過ぎてノコの樹へ近づく。

 だいぶ枯れてきたススキをかきわけながら、ノコの樹に辿りついた。早速チェックを開始する。が、やはり何もいない。ノコはもういなかった。かわりにオオカマキリとスズメバチが出迎えてくれた。カマキリはいいのだが、スズメバチがしつこく頭上を旋回していたのでその場を退散することにした。



樹上のハンター

 クルマで少し移動し、いよいよIの入口に到着。お茶を飲み、喉を潤してから出発する。しかし、台風の影響でかなりひどい状況になっていた。これではあまり奥へは行けない。とりあえず行ける所まで行くことにした。

 水のない場所を選びながら進む。胸ポケットにいれたクルマのキーホルダーを片手で鳴らしながら歩く。念のためのクマよけである。やがて、大きなヤナギの樹の前に出た。

 この樹は9月12日に来たときにはコクワを数頭確認できたが、今回は1頭も確認できなかった。やはり気温が高いだけではもうだめな時期なのだろうか。

 入口近くに戻ってきた。すると、砂地に動物の足跡があるのを発見。初めはわからなかったが、消去法で考えると残るのはあの動物しかいなかった。



左下は自分の足である。大きさは指先から踵まで12〜3pといったところか。大人のツキノワグマのものである。しかし、輪郭がややぼやけていることから、ここに来たのは数日前であろう。今年は秋に入ってからクマのニュースが各地で相次いでいる。ここ富山は全国で最多の被害者が出ている。自分もタイミングが悪ければこの足跡の主と遭遇していたかも知れないのだ。クマとのニアミスは8月に次いでこれが2回目となる。

 早々にその場を立ち去り、Hへ向かうために一旦県道へ出る。◇◇の手前で右折し、Hに到着。

 何本か細いヤナギをチェックしたが、見つからず。樹液は出ているのだが・・・。しばらく進むと、少し太めのヤナギを発見。近づいてみると、黒いものが樹液のところにへばり付いていた。



本日初のクワガタであった。こういう時はコクワでもほっとする。秋が深まるにつれて1頭のクワガタを見るのに費やす時間と労力は増していくであろう。

 ここでは一番奥まで探したが、追加はできなかった。クルマに戻り、Gを目指す。

 通路をしばらく走り、Gへ到着。8月にノコが大量発生していた地帯を抜け、ヤナギ林に入る。今回はクモの巣がひどかった。網を破って進むための木の枝が綿飴状態になっていく。あまり気持ちのいいものではないので新しい枝を拾う。

 ここも台風の影響からか、足元がぬかるんでおり、所々クリークとなっていた。油の浮いている地帯もあった。北側から南の方へ攻めていく。すると奥の方でかなり良い状態のヤナギを発見。捲れがきれいに残っていて、採集者が来た形跡はない。洞をライトで照らして見る。捲れの隙間から見えたものは・・・



 この時点でオオクワの可能性は消えた。捲れがカーテン状になっているので掻き出し棒も「窓」からつつく程度しか使えない。すると中にいたクワガタが「窓」から正体を現した。



40o台後半のコクワ♂であった。

 その後は発見できず、クルマに戻る。この時点で汗だくになっていた。変な虫にも刺されたようで、腕の数カ所が赤く腫れあがっていた。

 最後にAを目指した。ここで先週正体がわからなかった「大きな顎」の主を確認するのが今日の目的だった。前回同様、水溜まりを避けて少し南側から入っていく。

今回はまず南西方向に向かった。ここは過去1回しか入っていない場所である。その時はそのエリア全体でコクワ数頭の発見に終わっていた。あまり濃い場所でないだけに、今回は何も発見することはできなかった。

 続いて、先週入ったエリアへ。日もだいぶ傾いてきたので真っ先に前回の樹へ向かった。手前でライトと掻き出し棒を準備して、洞を除くと・・・いたのは大きなナメクジであった。こいつが入るということはこの洞も終了ということになる。

 その後付近を探索するも、何も発見することはできなかったが、とあるヤナギの下で夏の「名残」を見つけた。



手にとってみたがとても軽かった。☆になってからだいぶ経っているようだった。家にはまだ2頭生き残っているが、果たしていつまで生き永らえるだろうか。

 夕日も沈み、辺りも暗くなってきたので本日の探索は終了となった。

本日の結果
採集 0
確認 コクワ♂2
 


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