採集記#105

【とぉ】


#105 10月3日(日)夕
天気 曇
気温 18℃(19.2/14.8℃)
場所 ポイントA
目的 採集 #92

 今日は朝方まで雨が降っていた。午前中は薄日が差したり、小雨になったりした。午後は雨こそ降らなかったものの、どんよりと曇ったままだった。気温も低めで、最高気温は20℃に満たなかった。

 この時期は1日1日が勝負である。今日生きているものも明日まで生きているかはわからない。今月はなるべく今までに訪れたポイントを回ってみたいと思う。

 今日はAに的を絞ることにした。まずは##側の林に入る。樹液を出している樹も少なくなり、スズメバチの姿も少なくなった。8月にヒラタペアを確認した洞で小さなコクワの♂を発見。この林ではこの1頭のみだった。

 続いて人工樹皮捲れの林へ。ここではクワガタの姿は見られず、ススメバチとゴマダラカミキリのみであった。



採集者の天敵



遠目で見ると紛らわしい

 その林を抜け、△△へ向かう。すると7月の大雨で倒れたヤナギの前に出る。一時は枯れたかに見えたが、新芽が上向きに出てきているので生きているとわかる。

 しばらく進むと左手に3本ヤナギが生えている。夏場にはカブトも採れた樹だ。その樹の根元に近い洞に奇妙なものがいた。毛の生えたカタツムリである。「トリビアの泉」でも紹介されたことがあるが、実際に見るのは初めてであった。




 さらに進むと、夏場は藪に覆われて見えなかったものが見えてきた。ヤナギの大群生地帯である。ここには初めて入る。下草が少ない今がチャンスである。

 20本ほどの良型のヤナギをチェックする。洞のある樹が半数以上あり、樹液も出ているものもまだある。クワガタの姿は見ることができなかったが、来年につながる発見をした。

 〜中略〜

しばらく進むと右側に10本ほどの木立が見えてくる。

 その奥から2番目の樹に大きな洞がある。そこには以前大きなヒラタが入っているのを確認している。その後は別のクワガタが入っているのだが、いつも奥に逃げられてしまっている。今日こそ確認しておきたい。



写真では見づらいがほぼ中央に洞がある

 早速洞に近づいてライトで照らす。すると、入口付近まで出てきていたらしく、光があたるとすぐに奥に入り込んでしまった。ライトでも照らせないほど中は深いようだ。当然掻き出し棒は役に立たない。一旦ここは諦めて他を廻ることにする。

 その樹の向かい側にも小さなヤナギの群生がある。そこで見たものは・・・



何と中歯のノコギリ♂であった!今朝はこの付近は12〜13℃台まで冷え込んでおり、このノコギリはそれに耐えたことになる。手にとってみたが、あまり力もなく、寿命が近づいているようだ。このまま放っておくのも自然の流れであると思うが、家で飼ってやれば外よりはエサには不自由しないと思い、持ち帰ることにした。


 その後付近を探索したが、前回コクワとヒラタを発見した樹も含めて何も確認はできなかった。

 そろそろ時間も無くなってきたので最後に先ほど「何か」がいた樹に戻る。

 今度は右手にピンセット、左手に掻き出し棒を持ち、奥に逃げられないようにし、このままでは暗いのでライトを口でくわえて樹に近づく。そして、洞を照らすと同時に掻き出し棒をつっこむ。今度はうまくいった。掻き出し棒で背中を押さえ、徐々に入口へ押し出す。

 しかし途中で反転し、洞の上部へ逃げようとしたので今度はピンセットで体を挟む。その後、おとなしくなったので掻き出し棒でようやく出すことに成功した。その正体は・・・



おそらく35oに満たない小さなヒラタ♂であった。

 しかし最初に見たときはもっと長い顎だったような気がする。もしかしたらまだ中にいるのだろうか。それは次回確かめることにして、本日は終了となった。

本日の結果
採集 ノコギリ♂1(中歯:50o)
確認 コクワ♂1ヒラタ♂1
 


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