2004年の採集記

【しんしん】                         


【あ〜コメント】

しんしん様って虫取りする人だったんですね。びっくりです!

 

・・・失礼しました。

あっため続けていたしんしん様の2004年採集記を今頃アップします。

この人はどーしてこんなにおもしろいんでしょう??天才です。

以下、しんしん様のメールです。


【しんしん様のメール】(2005.4.18)
 

〜前略〜

2004年の採集記を送ります。
 

標本にしようと死骸をいくつか乾燥させていたのですが、ある人物が箱を落としてしまったため、バラバラになっちゃいました。
という訳で画像は2点だけです。 すんましぇん。


2004年採集記録

はじめに
 

2003年採集のクワガタの中で無事越冬できたのは、コクワガタ♂3 同♀3の計6匹のみでした。 今年は次男が誕生したため、クワガタの世話よりも赤ちゃんの世話に没頭したいので、「クワガタは増やさない」とヨメに約束していました。

当然その言葉の意味は『採集に行かない』ということだったのですが…。


5月24日/PM7:40/晴れ/気温21度


職場の人から頼まれて仕方なく、本当に仕方なく(うそぴょ〜ん!大喜びだぜ!でへへへ〜)、採集活動を始めてしまいました。


頼まれた理由は、その方のお子様(小学3年生)がカブト虫かクワガタをご所望とのことで、「捕れる場所を知らないから教えてくれ」とのこと。 

実はこの人、僕のことを昆虫に詳しいと勘違いされておられ、コガネムシらしき幼虫を持って来て「大きくなったら何になります?」などと質問されたことがあります。 いや〜僕も偉くなったものですね、あははは……って解るか〜そんなもん!!

何なんですかその芋虫は!!! しょうがないので「カブト虫の仲間です。」と言ったら誤解されまして、悪いと思いながらも訂正していません。 何せシャイなもので…。

いつもお世話になっている某公園のポイントで、夏休みに家族連れが採集に来るような場所は教えましたが、その人は夜行くのは怖いとのこと。 仕方がない(もちろん大義名分)ので僕が採集に行くことになったのです。 しかもひとりで。

二年前の僕と同様この季節からクワガタの成虫が活動していることなどご存知なく、幼虫を捕って来ると思われていたのですが、僕は幼虫の実物を見たこともありません。 こんな僕でも昆虫にやたら詳しいと思われているのですから、如何に大人達が昆虫に無関心なのかよく判ります。

某公園の楠には極小♀×1 のみで、手の届く高さでなかったため捕獲ならず。 付近のクヌギには甲虫の気配は全く無しで、コナラ地帯にはゴミムシのような甲虫を2匹見かけクワガタの気配は無し。 ま…まずい、言い訳を考えておかないと…。


5月25日/PM7:50/晴れ/気温22度
 

昨日クワガタが確認できたため、同じ公園にて採集活動。
今日も今日とてクワガタがおらず、楠木と隣りのクヌギに見切りをつけて、ちょっと離れているクヌギを懐中電灯で照らしてみると、40ミリ弱の♂を「ゲ〜ット」しました。 今年はこちらにお目見えでしたか。

木の上の方にもう一匹コクワガタの♂を発見したのですが、手が届かずに断念しました。 ところが先程「ゲ〜ット」した場所に甲虫のケツが現れているのを発見し、捕えてみればコクワガタの♀(30ミリ程度)。 ペアだったのでしょう、♀が樹皮の凸凹の陰になって見えなかったのです。 もう一度木の上の方を照らしてみましたが、ヤツはまだそこにいました…届かない僕を嘲笑うかのように…。


本日の成果 コクワガタ ♂×1 ♀×1

 

翌日、職場の人にクワガタを渡したら喜んで頂けたのですが、お子様からは「カブト虫のおじちゃん」と呼ばれはじめ、複雑な心境です。 今度はカブト虫を獲って来いと言いたいのか? ヤツらは下品だ、もらってから後悔しても遅いぞ。(カブト虫好きの方ごめんなさい。)


7月9日/PM8:00/雨のち曇り/気温26度


去年とは雲泥の差で樹液が流れ出している某公園の楠木にて、ヒラタらしき♀(30ミリ程度)を1頭ゲットし、よく見ると上羽にうっすらと縦筋が…。

見慣れているはずのクワガタでもよく観察していなかったのか、捕えた時には何クワガタかわからず(オオクワガタではないことだけは判りましたが)しばらく悩みました。
この程度で昆虫にやたら詳しいと思われているのですから、如何に大人達が昆虫に無関心なのかよく判ります。


本日の成果 ヒラタ ♀×1  ヨメにないしょで自宅のプラケースへ入れました。


7月13日/PM7:30/晴れのち曇り/気温30度
 

またもいつもの場所にて採集活動を行いました。
コナラ地帯をぐるっと廻って見たものの、クワガタはおろか甲虫の気配無し。 樹液が出ている木が1本あるのですが、ここは一昨年に越冬ヒラタの40ミリ♂を獲った場所で、同年極小のコクワガタを数匹採集した以外クワガタは全く獲れていません。
 

付近では去年コクワガタの大♂大♀などを採集しましたが、今年その木はゴミムシみたいなやつ(こいつがいるとクワガタがなぜかいない)を数匹見かけただけです。

コナラ地帯に見切りをつけ、クヌギ地帯へ行ってみるとことにしました。 相変わらず樹液ダラダラの楠木には、カナブンと蛾とヨツボシケシキスイのみ。 隣りの細いクヌギもカナブンが2匹のみ。 楠木の太い枝を懐中電灯で照らしてみると、やっとクワガタらしき姿を見ることができました。

45ミリ以上のコクワガタ♂だと思いますが、いかんせん全く手が届きません。 しばらく車の中で時間をつぶしてもう一度来てみると、手前のクヌギにコクワガタ♂35ミリを発見し「ゲ〜ット」。 楠木にもコクワガタ♂30ミリがいたので「ゲ〜ット」。 あの太い枝には…相変わらずヤツがいました…。

届かない僕を嘲笑うかのように。

クワガタに嘲笑われてばかりな僕が昆虫にやたら詳しいと思われているのですから、如何に大人達が昆虫に無関心なのか(以下略)。


本日の成果 コクワガタ ♂×2 (2匹とも職場の人にあげました。)

 


7月28日/晴れ/仕事中


昼間に仕事で福岡の××(年中無休24時間営業なので、従業員は休日が無く寝る時間もありません…ウソです。)に行ったついでに、光に寄って来た虫の死骸を確認してみました。(コクワガタ・ヒラタ・ノコギリ・ミヤマの死骸 が確認されています。)

@駐車スペースの横のコンクリート上に、ノコギリ♀の死骸が1つ。


A駐車スペース内に、カブトムシ♂の死骸が2つ。
 

B敷地内の溝に、チビクワガタの死骸が1つ。
 

C同じ溝に、シロスジカミキリ(でかい!!)の死骸が1つ。
 

D ←勝手に番号が出てきますけど、Cで終わりたいのですが…
 

E あ、ちょっと待って……Bで「!?」 チビクワガタだと!?
 

F ←番号はもういいってば。 いったいどうやったら出なくなるんですか?
 

G コクワガタのパンチミスかと思って確認しましたが、全然ちがいます! 似ています、確かに似ています!某HPで見た写真のチビクワガタに!! 大きさ2cm弱、上羽にスジがあり、小さいけれど大顎も確認できます!!

うおお!カメラ持ってない〜!! 嬉々として死骸を摘み上げ、細かい特徴を確認しましたが、断言します!
これは間違いなくチビクワ…!!! ま、間違いなく……ま…ち……間違い???何かおかしい…何だ?…何か違和感がある…どこかおかしい…どこだ?……え?引っ張りすぎですか?…ではそろそろ…

そうだ!触覚がおかしい!!これはクワガタの触覚ではない!! 折畳めない節だらけの触覚の持ち主とは…ま・さ・か!!! 慌てて死骸を放り投げ、手のニオイを嗅いでみたら、これがまた臭いのなんのって!!! ゴミムシですよ!ゴミムシ!! 
 

よく似ています、マジそっくり!凹みましたよ実際! いや、当のゴミムシには凹みは無かったのですが、もう少し早く気付くべきでした。 オイル用の強力な洗剤で洗ったら臭いは消えたので、とりあえず落ち着きました。 5歳の頃のカメムシ素手掴み事件以来です。 ゴミムシとクワガタは全く違う昆虫ではありませんか? 進化の過程でどっちがどっちに似たのか知りませんが『似すぎ』です。 とは言っても、これくらいの区別もつかずに昆虫にやたら詳しいと思われているのですから、如何に大人達が(以下略)。


8月9日/採集活動無し
 

7月9日に採集しましたヒラタ♀が、早くもお亡くなりになりました。 死因は乾燥によるものと思われます。 本当に可哀相なことをしました。
それと、もう1匹コクワガタの♀も虫の息で(普通なのか死にそうなのか判断に苦しむと思いますが、この場合話の流れから察してください)、手当てもできず死を待つのみとなっています。 この♀は去年5月に採集した越冬個体で、当初ヒラタと思い込む程大きかったこともあり、ほんとうに残念です。

しかし、コクワガタをヒラタと間違うような程度の低さで、昆虫にやたら詳しいと思われているのですから(以下略)。


これで飼育中のクワガタは、コクワガタ1ペアのみとなってしまいました。 2匹とも越冬個体ですので、あとどれだけ生るか判りませんが…。


8月15日/某大手スーパーにて
 

ドリンク(栄養ドリンクではなく飲み物のことです)のコーナーで、オマケ付きの500ミリペットボトルを見ていたら、『ムシキング』の文字が目に入りまして…つい…。 オマケを袋の上から触ってみると、小さめですがクワガタらしく、興味本位で1本買ってみました。 オマケの中身は、50ミリ程度の『オウゴンオニクワガタ』でして、これがまたリアルでカッコイイのです。 僕は材割採集を行わないので、冬場の心の支えにするために、2日後仕事の移動中に同じスーパーに買いに行ったのですが……ありません!! 同じドリンクはたくさんあるのですが、全てオマケが付いていないのです。 他店でも探しましたが……ありません!! 「こ…これはいったい…?まさか食玩マニアの仕業では?」

インターネットで情報を集めようとしましたが、『ムシキング』のHITが多すぎて面倒くさくなって止めました。 オマケの入っていた袋を捨てなければ、製造元のホームページで確認できたかもしれないのですが、今更しょうがないですね。

その夜、眉間にシワを寄せて鼻息荒いヨメがスゴイ見幕で、「この気色悪いものを台所のテーブルの上に置くな〜!!!」とのこと。

確かにアレに似ています、リアルなだけに尚更そっくりです。


8月16日/採集活動無し
 

明日は可燃物の日なので、クワガタの餌の交換をしました。マットが乾燥気味だったので心配になり、クワガタの安否を確認すると、コクワガタ♂の元気な勇姿があり、その下に♀の背中が見えました……が…お亡くなりでした。 そういえば、一週間前に乾燥に気をつけると誓ったばかりだったような気がします。

クワガタの世話すら満足にできない僕が、昆虫にやたら詳しいと思われて(以下略)。

この♀は、最近プラケースから脱出したがっていたので、本当に可哀相なことをしたと思います………が、生ゴミと一緒に葬られることになりました。
コクワガタであることと、普通サイズであることが、見事「差別」に結びついたのです。 いやぁ〜人間って弱い生き物ですねぇ〜、あははは…。


本日の成果 コクワガタ ♀×(▲1)


終わりに
 

2004年は次男が誕生したもので採集活動は行わないつもりでしたが、そんな時に限って人からアテにされるもので…。 僕がクワガタ採集に行ったことは、ヨメはおろか長男ですら全く知りません。 「クワガタが増えてない?」と聞かれても、「冬眠してたヤツじゃない?」と恍けてました。

職場の人からクワガタのお礼にと「鹿児島産のタマムシの死骸」を二匹頂きましたので、クワガタ採集以上の収穫になりました。 美しいタマムシは、チンケなコクワガタ(失礼!)と違ってお部屋のインテリアにぴったりです、きっと良い標本が出来るでしょう。 職場の人から感謝とご褒美が頂けましたので、8月までは気分よく過せました。



しかし、9月に入ってからコクワガタのピークを狙おうと思っていたのですが、台風の連発で全く活動できずに消化不良で終わっています。 そういえば、職場の人に頼まれて仕事帰りに寄っただけの採集しかしておりませんし、自宅に持ち帰ったのはヒラタ♀のみで、あとは越冬させたコクワガタだけを飼育していました。 来年は本格的な採集活動を行いたいと思ってはいるのですが、長男が友達と虫捕りに行くようになったら、僕がクワガタ採集に行く大義名分が失われる危険性があります。

それでも、こっそりと行くに決まっていますが…。


戻る