2003年の採集記

【しんしん】                         


7月8日雨のち曇り(PM7:30気温28度)
 

またいつもの公園のヒラタポイントへ。
目指す木に近づくと、何やらでかい甲虫のケツが見え…? カナブンか…。 穴を覗くが何も無し。 そしていつもの木へ行くと、相変わらすスズメバチがいる…。 大きめのクワガタがいたので捕まえてみると、45ミリ程度のがっしりしたコクワガタ♂でした。
本来喜ぶべきところなのですが、一瞬ヒラタに見えたのに、捕まえたら大顎広げて気をつけ硬直したのに、何でヒラタじゃないの? ケツだけ見せたアイツも不在だし…。
 

しかーし!今日はカブト虫様がお目見えでした! 何と角まで入れて45ミリ程度の極小♂! こんな小さいのは初めて見た。 捕獲して是非標本に…と思ったのですが、カブト虫は去年懲りているのでストップ。

消化不良なので、山の公園へ行くことにしました。
ここでは何も無し!本当に何も無し! 待望のコナラは樹液の出ていた穴が土のようなもので塞がれており、残念ながら全く甲虫の姿は見られませんでした。

別の木の根本にゴキブリと蝶がたむろしていたので見てみると、何やら大きめの甲虫を発見…ってケツが尖ってないか? 大嫌いなマイマイカブリが穴に頭を突っ込んでいたのです! おまえは帰れ〜!! 帰らないなら僕が帰る〜!! という訳で今日はここまで。


7月15日晴(PM7:00気温28度)
 

またいつものポイントへ。
いつもの楠木の洞を見ると、黒い影が少し動いたのが見えました。
 

『やった、今度こそヤツだ!!』

ちょっと離れて待ってみたのですが一向に出てくる気配が無く、これは警戒されたかもしれないと思い、他の木を先に調べることにしました。

隣りのまた隣りの楠木で、腐れかけた切り株からノコギリの中歯型が大顎を出していたので摘んでみると…、体は小歯型並に小さかった…。 しかし、これはこれでカッコイイかも…、などと思いながらも結局リリース。 僕はコクワガタの方が好きなのでした。
 

さて、楠木の方は…? 何かが動いている気配あり! 今度はヘマはやりません、洞から完全に出てしまうまで待つことにします。

そして20分経過して蚊に刺されるのも飽きた頃、ようやく僕の方が我慢できずに洞を覗くと何とそこには……!!!

……な、な、何とそこには…30ミリ程度のコクワガタがいたのでした!!!
 

お……お…おまえは違う〜!!! なんでこんなヤツと間違うんだ〜!! 60ミリオーバーのヒラタのはずだ〜!! もしかしてこの前のは見間違いか〜!? そんなはずはない! 昼間に見たし、大きさや色や他の甲虫でないか確認する時間は充分にあった!!
しかし、こんなチンケなやつらがこの洞にいるってことは、もしかしてアイツは留守ってことなのか〜って今ごろ気がついたりして。

しかし、今夏いっぱい希望を捨てません。


7月28日晴(PM8:00気温30度)


今日は灯火ポイントへ。

ここは去年も何度か来ているものの、収穫はカブト虫の♀のみ(去年は3匹程で全てリリース)というポイントです。
愛車のMIRAGEで快調にポイントへ向っていたら、左車線の真中に何やら白い物体が横たわっていました。 すぐに動物の轢き死体と気付いたので、タイヤで踏まないように軌道修正した直後、左側から轢き死体に黒い猫が突進して来てびっくり! 『絶対避けきれない!』と思った僕は、黒い猫をタイヤで踏まずに車体が猫の真上を通過するよう、更に軌道修正を行いました。 以下実況です。
 

ぶうう〜ん!「ウヒョ!!」 きっ! きっ! かんっ!
かんっ! だとぉ〜〜!! MIRAGEのマフラーの辺りから、確かに小さい音がした!

道路を確認したのですが、轢き死体は白い動物一頭のみでした。 ほっ…。 
 

さて、ポイントの駐車場はすでに水銀灯が明々と光り輝いていました。 早速水銀灯近くにカブト虫の死骸を発見。おそらく鳥にでもやられたのでしょう。

死骸を確認していると、ものすごい羽音がして大きな甲虫が飛び始め、上昇中に力尽きたのかボトッと地面に落下しました。 見ればカブト虫の♂しかも極小で、上羽を貫通している古い傷がありました。 もしかしてクワガタに挟まれたのでしょうか? だとしたら結構な大きさのノコギリで、もしかしたらここに飛んでくるかもしれません。
 

カブト虫はリリースし、帰る途中にいつものポイントへ寄ってみます。 実はクワガタゼリーを仕掛けてあるのです。 去年仕掛けた時はスズメバチが来てしまい、自粛することにしました。 今年は控えていたにもかかわらず異様な程スズメバチが多いので、「まあ…構わないかな〜」なんてノリで仕掛けたのですが…何とそこにはキマワリ一匹のみ。
 

すぐ近くで炭なんぞ焼かれたら、そりゃークワガタも出て来れないでしょう。こんなしょぼい公園で、バーベキューをやっているとは思っていませんでした。


8月1日晴(PM8:00気温29度)
 

絶好の条件です。いつもの公園へ期待して向いました。
駐車場には車が1台停まっていましたが、気にせずいつもの楠木へ。 木に近づくにつれ何やら人の声が…?そして懐中電灯の光も…。

家族連れだと邪魔しては悪いと思いつつ、ちょっと偵察してみれば…そこには! 3人の大人が楠木を懐中電灯で照らしているではありませんか!! すごくでかい網も持っているし、木の上の方をやたらと見上げている。 明らかに場違いでは? 大人が3人がかりなら、もっと山奥で大物を狙えるだろうに、こんなチンケな公園で大袈裟な採集をやったら根こそぎになるのでは?

いやまて、この木の付近で以前スズメバチの死骸を見たことがある。 もしかしてこの3人組はスズメバチ退治に来ているのか?ってな雰囲気でもなさそうだし。 しかし、何でまたこんなチンケな公園に興味を示したのでしょうか? コイツらが小物なりとも残しておいてくれることを祈りつつ、僕は公園をあとにしたのでした。


8月5日雨のち曇り(PM9:00気温30度)
 

今日は同僚の案内で新ポイントへ。
行ってみれば、一昨年前コクワガタを捕まえた公園のある山の周辺でした。 ここは梨畑に隣接し雰囲気は悪くないものの、カブト虫すら見かけない始末。 同僚には悪いのですが、下見をしてないのが敗因だと思います。 しかし仕事をサボる訳にはいかないし…。


8月21日晴(PM7:00気温30度)
 

今日は高速道路のサービスエリアのポイントへ。
ここは洞のあるコナラの木が数本あり、期待しつつも裏切られ続けた場所なのですが、今日はノコギリ♀(35ミリ程度)を発見。 洞にいたので落ちていた細い木の枝でかき出そうとしたのですが、奥へ引っ込んでしまい途方に暮れたその時、突っ込んだ木の枝に蟻がやたらと攻撃してきました。 蟻の巣になっていたものですから、当然ノコギリ♀は蟻の攻撃にたまらず洞の外へでてきました。 ラッキーと思いながら「ゲ〜ット!」。
このポイントでの採集は初めてだったので、ノコギリ♀でも大喜びです。


9月4日晴
 

今日は今年唯一のヒラタ♂(極小)がお亡くなりになりました。標本にしようとして去年の標本を出してみたら、去年捕まえた極小♂とほとんど同サイズでした。 去年の♂は新成虫で今年のは越冬固体でしたので、もしかすると兄弟だったかもしれません。


9月18日晴(PM7:00気温27度)
 

コクワガタのピークを期待してまたもいつもの公園へ。
洞を覗くとコクワガタ大歯型がこっちを向いて入っている。しかし洞採集の準備をしていなかったため、落ちていた木の枝を使う事に。 まず洞の中に一本突っ込んで逃げ道を塞ぎ、もう一本を噛ませて引っ張り、大顎を摘んでゲ〜ット!45ミリ程度の♂でなかなかカッコイイ固体でした。


9月25日曇り(PM5:15気温27度)
 

今日は明るいうちにいつものポイントへ。
洞を覗くといきなり長い脚が目に入り、一瞬ゲジゲジを想像して「うえ〜!」。
よく見るとクワガタっぽい脚で、大きさを想像してみたら(脚の長さだけを基準にして)50ミリ?これは何としてもゲットしなければ!しかし洞採集の道具を持たないので、しばらく待つことにしました。

15分経過…、動きがない…。

仕方ない、クワガタゼリーを使おう。 まずゼリーのフタを開け、汁を洞の周辺にたらしてしばらく待つ。

5分経過…、動きがない…。

それならば、細い小枝でクワガタの脚を優しく触ってみる。

動いた! 自分の洞に侵入する不届き者を追い出すべく、振り向いた勇敢なコクワガタの♂は……ってコクワガタだったの? しかも小さい! 35ミリ程度だ〜!? 想像していたのは50ミリオーバーのヒラタだったのに! こんなチンケなしみったれたしょ〜もない雑魚のために20分も費やしてしまった〜!! いかんまた暴言だ。 とりあえずキープして仕事に戻り、帰宅途中にもう一度寄ってやる! という訳で、洞を再確認すべく寄り道です。
 

 

(PM7:30気温25度)
結局洞にはコクワガタらしき♀が一匹いたのですが、コイツは懐中電灯の光に驚いて、洞の奥へ大慌てで逃げて行きました。

無駄足でした。


9月29日晴(PM5:00気温25度)
 

またもいつものポイントへ。
いつもの洞には……お…大物が…。

急いで木の枝を拾い、逃げ道をカット! もう一本の枝を噛ませて引っ張り、大顎を指で摘んで「ゲ〜ット!」。 相当な大物に見えたのに、コクワガタ45ミリ♂だったのが残念。 しかし大顎が長くてカッコイイ固体でした。

9月29日をもって2003年の活動は全て終了しました。

反省点としては、マンネリ化防止のために新規ポイントの開拓をテーマにしたのですが、いつもの公園で突拍子もないものを見つけたため優先順位が変ってしまったこと。 そして、デジカメを持ち歩いていないので写真が撮れず、如何に大物であったのかが残せなかったことです。
 

デジカメは無理だとしても、カメラ付き携帯電話を手に入れましたので、同じようなチャンスがあれば今度はヘマはやりません。
シーズンオフの間ですが、僕は材割をする程の実力も行動力も無いので、プラケースのコクワガタ達と共に長い長い冬を越そうと思います。


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