ミヤマの写真が撮りたくて

【S井】


                        

【2004.7.23】

「昼間の樹液に付くミヤマの写真が撮りた〜い!」

結局昨年は納得のいく昼間のミヤマの写真は撮れませんでした。

「今年こそっ!」

と思っていたのですが、先週の悪天候のための欲求不満気味の採集の影響なのかテンションは上がりません。

「でも行かなければ撮れないんだよね〜。」

ということで今週も飽きもせず出動です。

 

7月23日−−−−−

仕事を終え、そのまま山に向かいました。

時間的にはゴールデンタイムの中盤くらいに到着予定です。

今日の目的は自分用のミヤマ(60ミリより大きなもの)を採集することです。

現時点ですでに数頭のミヤマを採集していますが、どれも小さなものばかりで、「ミヤマらしいミヤマ」というのには程遠いものばかりです。

1頭だけ新潟で採集したものはなかなかのサイズでしたが、ちょっと前の異常な暑さで★になってしまったのです。

「やっぱ夏といえばミヤマでしぉお〜。」

というわけで通いなれた山を目指したのですが、今回は勝手がちょっと違います。なんとタイヤが新品なんです。(これもテンションが上がらない理由)

今年4月に購入したばかりだったのですが、既にスリップサインが出てしまっていて山道を走るのにはちょっと心許ない状態でした。

「まぁ去年もそうだったからなぁ・・・仕方ないかぁ。」

一応慣らし運転も兼ねているので、いつものように思い切りアクセルを踏み込むことは控えてトコトコと山を上がります。

「なんか調子でないなぁ・・・。」

 

〜中略〜

 

仕方なく移動し、近くの街灯を回ってみましたが、見つかるのはミヤマの♀ばかり。

「ミヤマの♀ばっかりこんなに持ち帰ってもなぁ・・・。」

♀にはたくさん産んでもらって来年に備えて欲しいので拾っては安全と思われる場所にリリースしていきますが、さすがにそればかりやっていると飽きてきます。時々ノコの♀やアカアシの♀も見つかりますが、これも全てリリース。

結局小さなミヤマ♂1を採集しただけで就寝場所に到着しました。

「何か物足りないけど・・・まぁ今日のところは早く寝よ。」

「おやすみまさ〜い。」(←誰に言ってる?)

 

7月24日−−−−−

起床後、朝食を摂り行動開始です。

「ミヤマならそんなに標高上げなくても採集できるっしょ。」

多分特に標高を上げなくても採集は可能だと思いますが、それではツマラないので、一応地図とにらめっこしてアタリを付けます。

最初に向かったのは一昨年偶然採集できた場所の近くの**です。ずくずん標高を上げていくと道幅は狭くなり巨大なナメクジが這っていたりして雰囲気は悪く無いと思いますが、ヤナギは少なくミヤマというより新芽採集という感じの場所でした。でも実際は標高1000メートル程度ですから新芽採集もちょっと微妙な感じです。

「ヤナギがほとんど無いからミヤマの採集もちょっとキビシイかな?」

ミヤマはヤナギにしか付かないわけでは無いと思いますが、あまり目の良くない私にはヤナギでミヤマを見つけるのも困難なくらいですので他の樹種では例え目の前に居たとしても発見は難しいかもしれません。

「前に採集できた場所に行ってみようかなぁ・・・。」

一旦戻り途中の分岐点で記憶を頼りにあたりを探索してみますが、どうもその場所をすっかり忘れてしまったようです。

一帯はのどかな田園地帯で、ところどころにヤナギが見つかりますが、どうもイマイチです。クワガタどころかカナブンさえ見つかりません。

時々車を止めてヤナギに近寄ってみたりもしますが、樹液の出ている木特有のニオイもありません。

「ちょっとキビシイ感じ。場所を変えてみよう。」

そんなに標高を上げる必要は無いと踏んでいたのですが、

「やっぱりあの林道に行ってみるしかないかなぁ・・・。」

早速移動です。

ヤナギが目に付き始める場所まで一気に標高を上げルッキング開始。

でもここに来るとどうしてもミヤマよりもヒメオオを探してしまいます。

目に付くヤナギを丹念にチェックしていくるうちにちょっと奥にあるヤナギに怪しい黒い影を発見しました。

「あれは・・・?ヒメオオの♂?じゃなくてコブかな?」

暫く考えていましたが、5mを取り出し確認してみることにしました。

ちょっと下に網を当てて軽く揺すってみると「ポロッ」と網に落ちました。

「うわ〜、ヒメオオじゃん!写真撮っておくんだったぁ〜。」

サイズは40ミリ後半のフツーサイズでしたが、今年初の5mを使用して採集した♂です。さらにその横の木にも黒いコブのようなものを見つけてしまい、これにも網をかけてみるとこれも「ポロッ」と網に入りました。

「え〜〜〜っ!コイツもヒメオオだったのかぁ〜!」

「また写真撮らなかったよぉ〜。」(←バカ)

離れた場所でしたし、天気は曇りがちで多分写真を撮ってもブレまくりだったとは思います(負け惜しみにしか聞こえない)がちょっと後悔です。

その後さらに進んだ場所で小さな♀のクワガタを発見し、

「あれはアカアシだよね・・・多分。」

と思い網をかけてみるとこれもヒメオオでした。

「ちいさ〜い、まるでコクワだよ・・・。」

「肝心なミヤマはちっとも見つからないのにヒメオオは見つかるんだぁ。」

これはこれで嬉しいのですが、なんだか今年も樹液のミヤマの写真が撮れないんじゃないかとちょっと不安になってきました。

その後特に発見は無く、林道はおわってしまいました。

「もう一本行ってみる?」

「なんか疲れてきちゃったかも・・・でも目的を果たしていないしなぁ・・・。」

「そりゃ〜やっとかんと!」(←誰?)

突入です。(^^;)

今回はヤナギのミヤマの写真を撮ることが目的なので道を見るのははテキトーにして、ヤナギを丹念に見て行きます。

「あれは?」

ちょっと奥まった場所のヤナギに黒いコブが見えた気がしました。

車を近づけてよく見てみると、どうもアカアシのようです。

「ん〜、アカアシかぁ・・・でもなんか大きくないかい?」

車を降り、5mを伸ばして採集してみるとそれは40ミリ中頃のいいサイズのアカアシでした。良く見てみると他にも数頭のアカアシが樹上を歩いています。

そのうち1頭はやはり40ミリ中頃で「これぞアカアシ」という感じの個体でした。

(普段小さなアカアシばかり採集してるのがバレバレですね。^^;)

その後しばらく発見は無かったのですが、一昨年あ〜さんが大きな個体を逃した場所で数頭のアカアシを発見し採集している時、すぐ横にあるショボいヤナギに黒いものが付いているのが見えました。

「あれは枯葉かなんかだよね〜、きっと。アカアシにしては大きすぎるし。」

アカアシの採集が終わり念のため確認するために近づいてみると・・・

「うわぁ〜っ、ミヤマの♂じゃん!しゃしん、写真〜〜〜っ!」

慌ててカメラを取りに車に戻り数枚の写真を撮ってから採集しました。

「ふぅ・・・。樹液に付いたってのとはちょっとイメージが違うけど、やっと昼間の

ミヤマの写真を何とか撮ることができたぁ・・・。」

フツーサイズのミヤマでしたが、すっかり満足しました。

そのまま林道を進もうか迷ったのですが、疲れてきたため帰宅することにしました。折り返し戻り始めると、先ほどは見つからなかったのですが、ポツポツとミヤマやスジが道を歩いているのが見つかります。

「今日はクワガタが活動する日なのかな?」

「だったら##にも行ってみたいな。」

戻りながら迷いましたが、ついつい##方面に曲がってしまいました。(^^;)

「先週行けなかったしね〜。途中でダメそうなら戻ればいいよね。」

携帯の電波の入る場所まで戻った時、メールが入っていました。

「あれっ?あ〜さんからだ。」

かなり時間が経ってしまっていたようでしたが、一応返信し##方面に向かいました。

なんとかコールデンタイムの始まる頃有名ポイントに到着してみると、全ての灯火に人が張りついていて自分の採集する場所はありませんでした。

昆虫採集用の大きなネットを持った人なんかも居て(何をするつもりなのか?)

何だか異様な雰囲気です。

周囲の(とは言ってもかなり距離はありますが)別の有望ポイントを数箇所回ってみましたが、見つかったのはミヤマ♀、ノコ、コクワ、カブちんのみでした。

「ん〜、ダメかぁ・・・いい加減帰ろ。」

快調に飛ばして帰宅しました。

 

今日の成果−−−−−

ミヤマ/♂4♀いっぱい

アカアシ/♂4♀3

ノコ/♂2♀1

コクワ/♂2♀3

スジ/♂2

ヒメオオ/♂2♀1


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