【S井】
【2004.7.9】
ここ数日の異常な暑さから少しでも逃れるなら多少の天気の悪さを我慢してでも採集に行きたい・・・。
「夜の涼しい時間に採集活動をして涼しい場所で爆睡する。」
そんな妄想を抱いて今週も出撃です。
部屋にエアコンを付ければこんなことをする必要は無いのですが、じゃあそれで採集に行かないかといえばそんなはずも無いので、これはこれで正当な出撃の理由・・・かもしれない。
寝不足のうえ天気に恵まれないことは承知していましたが、長野市内は週の後半から全く異常な暑さでした。真夏でもこれだけの暑さはなかなか無いと思います。気温が高いだけではなく、湿度もひどく高くて夜になっても気温があまり下がらず、おちおち寝てもいられません。
7月9日−−−−−
会社を出て、向かう方面の空を見てみると真っ黒な雲に覆われていて、時折稲妻が見えます。##が近づく頃からついに雨になってしまいました。
「もしかして目的地周辺は大雨降ってる?」
こんな条件でわざわざ県外まで採集に向かうのはどうかとも思いますが、
「降ってるならきっと涼しいよね?先週は寒かったくらいだし。」
普通の状態であれば諦めて帰宅するところですが、暑いのが大の苦手な私はさらに期待を膨らませます。
「あまり中途半端な時間に付くと採集者が多くてイヤだなぁ・・・。」
今回も腹ごしらえを先に済ませることにしました。
ついでに明日の朝食を購入しようと大手スーパーに立ち寄って買い物をしているといきなりの停電です。
丁度レジに並んだところだったのですが、レジは全く動かないようです。いつもならイライラしながら待つのですが、今回は時間つぶしも兼ねているので全く気にはなりませんでした。
そんなこんなでやっと目的地に到着してみると、思った以上に虫は飛んでいるようです。
「おおっ、こんなに虫が飛んでいるのは今年初めてだぁ。」
期待の街灯を次々に見て行きますが・・・
「何でクワガタがさっぱりいないの?」
蛾やカナブン等のクワガタ以外の虫はかなり飛んでいるのですがなぜかクワガタはさっぱり見つかりません。
「これは多分ここだけだよね・・・?」
と思っていたのですが、見る街灯はどれも似たようなもので、僅かにノコ♀とコクワが見つけられた程度で、ミヤマさえも見つけられませんでした。
「こんなにクワガタが少ないのは久しぶりかも・・・っていうか今日は採集者も妙に少ない気がするな。」
「なんとか気温は下がったみたいだし、疲れたから寝ようっと。」
早々に引き揚げることにしました。
就寝前にいつもの川沿いの街灯をチェックしてみましたがここも虫は少なくて、クワガタの姿はほとんど見つかりませんでした。
7月10日−−−−−
道の駅に到着して寝る準備をした直後から記憶がありません。
「ちょっと一服してから寝よう。」
とか思っていた気がしますが、どうも実行する前に寝てしまったようです。
目が覚めて外を見てみると天気は悪くは無いようです。
昨夜雨が降ったせいか、先週と比較すると幾分快適な気温です。
「林道はきっともっと涼しいよね。」
早速朝食を摂り、行動開始です。
いつものルートでぐんぐん標高を上げていきますが、思ったほど気温は下がっていきません。
「おっかしいなぁ・・・この時間にこんなに気温が高かったことなんて今まであったかぁ?」
ブツブツ言いながら進んでいくと徐々に天気は悪くなり、ついに雨が降ってきました。
「これで気温が下がって涼しくなるよね。良かった〜。」
とか呑気なことを考えていたのですが、その雨は次第に激しさを増し、ついには土砂降りになってしまいました。
「何もこんなに降らなくても・・・。」
さすがに車で走るには視界が悪すぎると判断したため、道路脇に車を止めて暫く天気の様子を見ていると、暫くして雨は止みました。
「なんか夕立みたいな降り方だったけど。」
ヤナギと道を見ながら林道を進んでいきますが、ちょっと厳しい条件です。外道は見つかるもののここでもクワガタの姿はひどく少ないみたいでした。
「はぁ・・・、疲れてきたなぁ。」
よさげなヤナギを見かける度に車を降りて丹念に「黒いもの」を探していたため、最初の林道が終わる頃にはすでに午後3時を過ぎていました。最初の林道が終わる場所で帰宅しようと長野方面に向かい始めた頃、またまた激しい雨が降ってきました。
「雨の様子をみながらちょっと休もう。」
シートを倒し仮眠に入ろうとしたのですが、この雨も一時的に激しく降ったものの、間もなく止みました。雨が止むと今度は強い日差しが当たって寝ていられる状態ではありません。
「もう一つの林道の様子も見てみたいな。」
引き返し、もう一つの林道に入りました。
林道に入った頃から再び天気はアヤしくなり、雨が降ったり止んだりを繰り返しています。
いつもの場所で車を止めてヒメオオの様子を見てみようとしたのですが、どうもヒメオオも今日は留守みたいです。ちょっと外れのショボい柳を見上げた時、数箇所に小さな「黒いコブ」を見つけました。
「ヒメオオ?にしてはちょっと小さいかな。でもアカアシにはまだ時期が早いような気がするけど・・・まぁ採って見ればわかるか。」
とりあえず写真を撮ったのですが、逆光のうえ光量が足りないため写真的にちょっと無理があるみたいです。幾分大きめのペアから採集をしてみると、良いサイズのアカアシでした。
「へぇ〜、アカアシがもう樹液で採集できるんだぁ。」
良く見てみるとあちこちに黒い小さなコブが見えます。ヤナギに当たらないように網を伸ばして、次々に採集していきます。
落としてしまったものも居ましたがここで一本のヤナギで10頭ほどのアカアシが採集できました。
「ここではアカアシが採れたこと無いんだけど・・・。」
「まぁいいか。採れればやっぱ楽しいし。」
最大のものでも40ミリ中頃でした。
「ん〜っ、やっぱ40ミリ超えるとカッコイイなぁ・・・アカアシ。」
「今年はアカアシの年?それはそれで楽しいことになるかも。」
(↑単なる妄想)
「もしかして例のアカアシポイントも爆発してるのかな?」
ちょっと寄り道してみたのですが、ここにはクワガタの姿をみることさえできませんでした。
雨が徐々に激しくなってきていたのでここで採集を切り上げ帰宅することにしました。
「なんかショボい結果・・・まぁイイや涼しかったし。」
途中で道ミヤマ♂1を拾って今回の採集は終了となりました。
今回の成果−−−−−
ミヤマ/♂1♀1
アカアシ/♂5♀5
ノコ/♂1♀2
コクワ/♂1♀2
追伸:帰宅してみると先日採集したミヤマとオニが全滅、アルキデスが暑さで★になってしまっていました。梅雨明け前のこの猛暑、尋常ではありません・・・とメールを打っている今日は肌寒いくらいなんです。
ネブトのそこそこのサイズの♂も羽化しました。20ミリ前半程度ですけど。
他はみんな小さいヤツばかりです。