【S井】
【2004.6.17】
先週条件が良ければ福島まで行ってみようと思っていたのですが、天気はかなり悪く引き返すことになってしまったのがちょっと残念でしたので今回は週の頭から天気をチェックしていたのですが、条件は悪くは無いようでした。
「行ってみるか?」
ということでリトライすることにしました。
下見を兼ねていることと人が多いのを避けるのとで時間が異常にかかることだけはわかっていたため、金曜日に給休暇を取り木曜日の夜に出ることにしました。
6月17日−−−−−
仕事を終えて会社を出ました。給油したり食糧を買い込んだりしていたため長野を出たのは8時くらいになってしまいました。
「これから向かうんじゃ採集的にはちょっとキビシイかなぁ・・・。」
でも条件が良ければ採集者も多いでしょうから少し外れてした方が自分的には良いかもしれません。
一応平日の夜になるため道路は空いていて順調に目的地周辺に到達しました・・・んがっ。
「何だか虫が居ないなぁ・・・。」
予想はしていたものの、蛾くらいは目についても良いのではないかとと思うのですがとにかく虫が極端に少ないようです。
気温は・・・13℃?
いくらなんでも寒すぎです。
しばらく粘ってみましたが虫の飛来はひどく少なく、移動をすることにしました。
途中僅かにある街灯も一応チェックしてみましがどれも虫は少なくてたまに見かけるのはコクワです。
夜の県境は交通量も少なく(普段もあまり多くは無いですけど。)快調に飛ばして福島県に入りました。ちらほらと街灯も見つかるようになったので、ここから下見の開始です。自販機や街灯の度に車を止めて探索していくものの特に発見はありません。
「やっぱこっちも虫が飛ばなかったのかなぁ。条件は悪くないと思ったのに。」
それにしても寒い。車の窓を閉めていないとヒーターが必要なくらいの気温。
「またなのか?(T_T)」
昨年の8月に福島で昼間の気温15度を経験したイヤな記憶が蘇ってきます。
そのためかどうかはわかりませんがやはり虫はほとんど飛んでいません。
「有望街灯の一つでも見つかればいいかぁ。」(T^T)
国道沿いを中心に回って桧枝岐に到着した頃には空が明るくなってきていました。
6月18日−−−−−
起きてみると天気はイマイチ。
「おっかしいなぁ・・・天気予報では晴れとか言ってたけど。」
インターネットでの天気予報しか見ていなかったのですが、月曜日まで晴れのマークが並んでいたはずなのですが・・・。
(この時点で台風が接近していることを全く知らないでいました。)
「まぁいいや。折角来たんだから林道の近くまで行ってみようっと。」
買い込んだ食糧を食べながら国道を##方面に向かいます。
この時期にコルリが採集できるかどうかはわかりませんが、ヒメオオを樹液で狙うにはちょっと早いかなと思い道採集をメインにヤナギを見て行きます。
イイ感じにはなってきているもののまだ花のようなものが付いていて、状態的には長野とほとんど同じみたいです。
「ということはヒメオオの♀なんかが歩いているよね・・・多分。」
幸いなことに雨にはならず道路は乾いていたため黒いものが良く見えます。
大抵は外道の轢死体ですが、ちらほらとヒメオオ♀やアカアシ♀の轢死体が見つかります。
「♀ばっか。やっぱちょっと早いか・・・。」
ほどなく某有名林道の入り口に到着しました。
「ちょっとだけ歩いてみようかな。」
前回は入り口に車を止めて歩きましたが、途中に車を置けそうなスペースがあったのを見つけていたので今回はちょっとだけ車で入ってみました。
でもやはり一部車の下側があたってしまいそうな場所があり、最初の場所に車を置きヤナギを探しながら暫く歩いて居たのですが、時折見通しが利かない藪の中から「ガサッ」っと何かが動く音が聞こえます。
多分山菜採りの人だとは思いますが、何もあんな奥にまで行かなくても良さそうなものです。
「そういえばここって熊も出るんだっけ?」
「一人であまり深く入るのはヤバイかも。」
車を置いた場所の近くで暫くヤナギを見ていましたが特に発見はありませんでした。
「やっぱ道採集でしょ。」
林道を出て##方面に向かい始めたとき、道路の隅に動く小さな黒いものを発見しました。ヒメオオ♀です。
「やっと生きてるヤツに会えたぁ〜!」
写真を撮りさらに進んでみましたがその後発見は無く、空腹を覚え始めたため引き返すことにしました。
「桧枝岐だからやっぱり蕎麦かなぁ・・・でも焼肉食べたいな。」
ここまで来てフロンティアに寄らない理由は無いでしょう。
途中桧枝岐の町でお土産の蕎麦を購入し、フロンティアに向かいました。
「観光シーズンでも無いし、やってるのかなぁ・・・。」
営業してなかったら戻って蕎麦を食べればいいかなと思いダメモトで向かってみると・・・
「んんっ?やってないのかな?でも反対側からもお客が入ろうとしてるけど。」
道路の反対側から来た大型のオフ車も駐車場に入ろうとしています。
「あれっ?なんか見た覚えのある車。もしかしてマスター?」
それは買い物帰りのフロンティアのマスターの車でした。
「おひさしぶりで〜す。お休みですか?」
暖簾は出ていませんでしたがすぐに用意をしていただき、永い間待ち望んでいたおいしい焼肉にありつくことができました。
「ん〜、満足!虫は全然ダメだったけど・・・。」
たまたまマスターが点けたテレビで台風が接近していることを知りました。
「早く帰った方がいいかな?」
わざわざ福島まで行って成果はヒメオオ♀1。これは惨敗と言って良いでしょう。
ミヤマくらいは気合いで採ろうよ>自分。
フロンティアを出て**の方に戻ります。時間的には##のポイントに到着するのが灯下採集の時間近くになりそうです。
「再度立ち寄ってみよう。昨日はほとんど採集にならなかったし。」
ちょっと早めに到着したため暫く車で休んでいると程好い感じになってきました。
早速街灯に向かってみると採集者は居ないものの、虫も飛んでいませんでした。
「何で〜。(ToT)」
暫く粘っていましたがやはり虫の数はひどく少ないようです。
そのうち一台の車が現われ、採集者がウロウロし始めました。
「はぁ〜、またかぁ。」
なんか見覚えのある車だなぁ・・・と思っていたのですが、暫くするとその採集者が話しかけてきたのを見てビックリ。
「去年も会いましたか?(^^;)」
それは去年まさにこの場所で話しかけてきた人でした。
「今日は虫が少ないですねぇ。」
「下のほうは人がいっぱいいますか?」
と聞いてみるとやはり大勢の人が押し寄せているようです。
昨年同じ時期にこの場所に何度か来ていますが、下の街灯は一つを除いて全て点いていなかったはずですが、何故か今年はこんな時期から点灯していて、しかも採集者が集まっているようです。
昨年はこの時期採集者は居なくてほとんど独占状態だったと思うのですが、どうも昨年よりもさらに採集者が増えているみたいです。しかも観光シーズンでもない平日の夜に何で街灯が全て点いてる?
「これじゃ自分には採集は無理かなぁ・・・。」
下の街灯も見てみたかったのですが、とても行く気にはなれず結局この一つの街灯のみでゴールデンタイムを過ごしました。採集できたのは小さなミヤマ♂1とコクワ♀1のみ。
「ダメかぁ・・・移動だな。」
車に乗り込み下に位置する街灯を通るとき様子を見てみましたがやはり大勢の採集者で賑わっていました。
「街灯の数の数倍の人が居るんじゃん。」
この中に割って入り採集をすることはやはり自分には無理です。そそくさと通り過ぎて別の街灯に向かいました。途中一つだけポツンとある街灯でミヤマの♂を採集できましたがやはり虫の数は少なく、時折雨が当たっている状態です。
とある街灯を過ぎようとした時、黒い影を発見して車を降りてみると・・・
「んぁ?カニ?サワガニ?何で?」
それは何故かサワガニでした。
「川なんか近くに無いけど・・・。」
「あ〜〜〜、もうイイや。他行こ。」
昨年オオクワの轢死体を発見したもう一つの場所に向かいます。
温泉の街灯ではシデムシが2頭。(T_T)あと競合のネコ様が2匹街灯に張り付いていました。
「ここもダメかぁ・・・。」
周囲の街灯も一通り見てみましたが成果は出ませんでした。
「今日はダメダメの日なのかな?」(自分的には)
寝不足のツケが徐々に出てきてしまい、灯下採集もだんだんいい加減になってきてしまったため戻ることにしました。
就寝場所まで移動し、車を止めてみると目の前の自販機の前をヨタヨタ歩いているヤツがいます。
「うわっ、ミヤマじゃん。」
テンションは下がりきっていましたが、このミヤマのおかげで幾分復活し、近くの街灯を回ってみることにしました。
気が付けばなんとなく気温が上がっているようです。さっきまで車の窓を開けていると寒いくらいだったはずなのにイイ感じの気温になっています。
「普通は朝方に向かって気温が下がるハズだけど・・・台風の影響なのかな?」
近くの街灯で数頭のミヤマとノコを採集し、今回2回目の車中泊となりました。
6月19日−−−−−
朝起きてみるとお休み用サンシェードの隙間からエンジンをかけたまま隣りにとまっている黒いオフ車らしきものが見えました。
「この場所でエンジンをかけたまま泊まっている黒いオフ車?」
なんとなく心当たりはあるのですが、特に連絡も無かっので「まさかなぁ」と思っていました。しばらくボーっとしていたのですが、とりあえず行動を開始しようとサンシェードを外してみると・・・
「うわっ!あ〜さんじゃん!!!」
ビックリです。
いつもは「お休みセット」をしっかり付けているのに今回は到着したそのままの状態という感じでした。
「これって例の気絶状態?まぁそうだろうなぁ・・・自分がこの場所に来たのだって3時を回っていたハズだし。」
暫く時間を潰しているとどうやら目を覚ましたようです。
「ご無沙汰です〜。」(^^;)
挨拶後、昨夜の成果を見せていただいたのですが・・・
「コクワばっかりですねぇ。」
と言って渡されたルアーケースの端に大きな黒いものが見えました。
「うわ・・・デカ。」
なんだかフツーに渡されたそのルアーケースの中の黒いものの大きさはただ事ではありません。
「これって・・・オオクワじゃないですかぁ〜〜〜!!!」
ルアーケースを開けてみるとそこには立派なオオクワ大歯が鎮座していました。
そういえば昨年も今頃あ〜さんに樹液採集のオオクワ大歯を見せていただきました。二年連続のビックリです。
ダニが付着していますがそれがかえってリアルです。
我慢できずに写真を撮らせていただきました。
暫く興奮していましたが、
「今日はどうしましょう。中途半端な時期ですよね。」
あれこれ予定を考えてみましたが、コルリには遅く、ヒメオオ/アカアシには早い全く中途半端な時期です。
「アレを見にいってみますかぁ。」
−−−−−その後の行動はご存知の通りです。(中略)−−−−−
あ〜さんとお別れした後、○○に向かいひた走っていると徐々にパワーが復活してきました。時間が早かったのもあって、林道での採集をしてから帰ることにしました。
林道に入り、道を重点に見ながらヤナギを見て行きます。
時折ヒメオオ♀の轢死体が見つかりますがヤナギには何もいません。
結局この林道ではヒメオオの♀の轢死体を見つけただけに終わりました。
迷いましたが折角なので別の林道も見てみることにしました。
暫く進んでいるとヤナギに小さな黒いコブを見つけました。
「ヒメオオ?にしては小さすぎるな。何だろ?」
写真を撮ってみるとどうやらコクワっぽいものが写っています。
「この場所でコクワが採れたことは無いけどなぁ。」
「でも大きさといいこのオシリの部分の尖り具合といいやっぱコクワかな。」
今年初めてドルクス系狙いで5mを取り出し採集にチャレンジしてみますが何故かコイツはちっとも落ちてくれません。暫く頑張っているとたまたま通りかかった車からなんだか車の止め方が悪いとか文句を言われました。
「すみませ〜ん。」
ちょっと目を離したスキにその小さな黒いものは見えなくなってしまいました。
「あぁ〜!今年初のドルクス系の樹液採集だったのにぃ〜。」
「充分車がすれ違える状態で停めてあったんだからイチイチ文句言うなよ〜。大体土浦ナンバーのボロボロのワゴン車が何でこの時間にこんな山奥を走っているんだよぉ〜。運転に自信が無いなら国道回ればイイのに〜〜〜!」
(↑八つ当たり以外の何物でもないけど・・・。)
結局二つの林道で採集できたのはヒメオオの♀2だけでした。
でも発見した轢死体は13。全てヒメオオ♀です。
2勝13敗ですね。(←この表現は適切なのかな?^^;)
温泉に抜けた頃丁度灯下採集の時間のちょっと前くらいでしたので、暫く時間を潰して灯下採集もしようと車を止めた直後にどうやら寝込んでしまったようです。
気が付いた時にはゴールデンタイムは過ぎていました。(何しに行ったのか・・・)
仕方なく灯下を見ながら山を下りていると、とあいる自販機前でミヤマ♂を見つけることができましたが、成果はそれだけでした。
「もう限界だなぁ・・・今度こそ帰ろ。」
睡魔に襲われながら何とか帰宅し、布団に入った直後から記憶が全くありません。
こうしてまるまる2日+αの惨敗採集は終わりを告げたのでした。
今回の成果−−−−−
ミヤマ/♂7♀1
ノコ/♂5♀3
コクワ/いっぱい
ヒメオオ/♀3
カルビ/1
タン塩/1
タマゴスープ/1
全身の痒み/いっぱい
惨敗感/少々