林道三昧

【S井】


                        

【2004.5.30】

帰宅しました。

午前中は真夏かとも思えるほどの暑さだったはずなのに午後は急激に気温が下がり、##あたりでは12度とかの表示が出ていました。

まったく暑いんだか寒いんだか・・・。

 

5月30日−−−−−

朝早く家を出ました。なんと5時です。

地元の採集なのでこんなに早く出る必要は無いのですが、とにかく林道の様子が気になって仕方なかったんです。

いつものコースを快調に飛ばして、△△ちょっとで林道に突入です。

さすがにまだガスが出ていましたが、視界が悪いというほどでもなくて、辺りの様子を見ながら走っていると、ヤナギがいい感じになってきていました。

「まさかヒメオオがついてたりなんかしないよなぁ・・・。」

とは思うのですが、ついつい気になってヤナギを見てしまいます。

(まだ花がついてるんですけど・・・^^;)

どうも自分ヤナギ病に罹患してしまっているようです。(何を今更)

冬の間どこかに影を潜めていたようなのですが、「空の青、ヤナギの緑」を見てしまったために再発です。これは「クワガタの黒」を見つけないことには治癒することの無い厄介な病気ですよね。

(「クワガタの黒」を見つけると一時的に治癒するもののすぐ再発してしまうので治癒するわけでは無いのかもしれません。)

新芽を探すはずが、ヤナギを見かけるたびにスイッチが入ってしまうために、ちっとも集中できません。

そうこうしているうちに□□に到着です。

 

〜中略〜

 

仕方なく**方面に進みました。

新芽を探しながら走りますがどうもこちらの林道にはブナの新芽はほとんど無いみたいです。オマケにヤナギが多いので新芽採集はちょっとキビシイ感じです。

「ん〜ヒメオオも居ないしなぁ・・・。オニでも探してみようかな。」

道路沿いにはこれといって叩ける材が見つからなかったためちょっと車を降りて奥に入ってみることにしました。

歩き始めてすぐに誰かの材割り跡を発見。近寄ってみるといい感じに朽ちています。

「コイツはどうだろう?あまり削れるところも無いけど。」

とりあえず削るように叩いてみると、何かの食痕が見えました。

「このあたりだとヒメオオが一番濃いんだけど、これはヒメオオにしてはあまりにも細いなぁ・・・ビンゴかぁ?」

更に削ってみると小さな幼虫が出てきました。

「これはオニでしょお〜。」(^^)

同じ材から4頭のオニの幼虫を採集しました。

「もうちょっと奥に行ってみようかな。」

さらに進むと太い立ち枯れがありました。

叩けそうな部分は見えませんでしたが、裏側に回ってみるとボコボコに朽ちています。産卵痕の類は見つかりませんでしたが、

「まぁ削ってみればわかるよね。」

ということで早速叩いてみると、今度はちょっと太目の食痕が見えます。

「おっ!やっとヒメオオゲット・・・なのか?」

食痕を追う様に削っていくとまあまあのサイズの幼虫が出てきました。

「幼虫かぁ・・・。」

相変わらず幼虫の同定が苦手なんですよね、私。

数頭の幼虫が出てきましたが、さらに叩いていると♀の成虫が出てきました。

日陰でちょっと薄暗い場所だったのですが、大きさといい出てきた材の感じといい標高といいこれは絶対ヒメオオだろうとルアーケースに納めました。

疲れてきたので材割はこのくらいにして移動です。

先週と先々週採集できた##方面に向かおうと山を降り始めた時、今日来る予定だったピイさんからさんからメールが入り、仕事の都合で来れなくなったことがわかりました。「青いコルリの写真を送ってください」とのことだったので**に向かうことにしました。

**に着いた頃には天気は下り坂でガスが出てきてしまい、たまに雨が当たるようになってきてしまっていましたが、ここで30頭ほどのコルリを採集し、写真を撮る事ができ、ケータイのカメラで撮ったコルリの写真をピイさんに送りました。

「目的は果たしたから今度こそ##に向かおっと。」

「コルリはリリースしちゃおかな。」

と思った時、別の採集者がいたのを思い出し、

「遠くから来た人だったらあげちゃってもいいよね。」

ということで車で後を追い、声をかけてみると名古屋からということでしたので、リリースするつもりのコルリを渡したら大変喜んでくれて、名刺をくれました。

「かえって迷惑だったかもしれないなぁ・・・。」

またまた移動です。

一旦山を降り、##を通り抜けて再度登り始めた頃やって天気が回復してきました。ポイント付近に到着した時には日差しが出てきてたまたま目に付いた場所で車を降りて新芽に近づいてみるとショボイ新芽なのですが、数頭のコルリが飛来しています。

数枚写真を撮り、移動しながら20頭ほどのコルリを採集しました。ルアーケースに収めたコルリの写真をリリース前に撮っている時、朝に採集したヒメオオも明るい場所で写真を撮っていなかったので取り出して良く見てみると・・・ん?

「これってデカいコクワじゃ〜〜〜ん!」

大きさ的には中くらいのヒメオオの♀ですが、上翅はざらざらした印象ですが良く見てみるとスジのような模様が見えます。前胸の切れ込みも小さく、何度見直してもコクワはやはりコクワです。

「がぁ〜ん・・・オイラはあんなに汗だくになってコクワを採集してきたのか・・・。」

「この林道でコクワを材割採集した人って少ないんじゃないのかなぁ・・・。」

(T_T)

ダメダメです。採集を終えて帰宅することにしました。

 

〜中略〜

 

5月31日−−−−−

朝起きて携帯を見てみると、ピイさんが##に来ていることがわかりました。

昨夜はなんたがひどく眠くて早めに寝てしまっていたため気が付くのが遅くなってしまいました。

「これからすぐ向かいます。」

とメールを入れて家を出ました。

時間を稼ぐために高速に乗り、##に到着です。

「お久しぶりです〜。」

ガスが出て寒い位の状態でしたが、この時点でピイさんは20頭ほどのコルリを採集していたようです。さすが・・・。

気温が上がり始め、ポツリポツリとコルリが飛来するようになってきていましたが折角ですので**に向かってみることにしました。昨日と同じルートで林道に入り××の近くで車を降りると、コルリが飛来しているのが見えました。天気予報とは裏腹に天気は良くて夏の雰囲気でしたのでコルリが飛来すると上翅が太陽の光を反射して綺麗です。

「飛来するコルリの写真が撮れたらなぁ・・・。」

しばらく眺めていたのですが、ピイさんが

「うわ〜、居る居る。どんどん飛来してるし。」

と言いながら網をかけているのを見ると、私が思っていた以上にコルリが居たようです。あっという間に20頭くらいのコルリを採集してしまいました。

私には目があまり良くない(言い訳)せいか飛来しているコルリくらいしか見えていなかったのですが・・・。

「ここで一日粘ったら一体何頭採れてしまうのかなぁ〜。」

暑いので一箇所に留まっているのも結構大変なんですけどね。

移動しては車を降りて採集を繰り返しながら進んでいきましたがここで折り返し、一番採れた場所で数頭追加採集してピイさんと別れました。なんでも△△のポイントに向かうそうです。

昨夜仕事を終えてから%%に入り、朝の6時から##、その後**で採集した後に××に向かうとは・・・ってほとんど寝てないじゃん!

まさに鉄人です。

あ〜さんもピイさんも、一体どこからあれだけのパワーが湧き出ているのですか?

何か特別なジェネレーターがあるとしか思えないんですけど・・・。

一旦山を降りたのですが、時間が早かったのと昨日ヒメオオの轢死体を見つけていたのとで、

「もしかして道採集ができちゃうかもしれないな。」

と甘いことを考えて再度向かってみたのですが、実際に行ってみると道を歩いているのはツチハンミョウやカミキリ、そして種類もわからないコガネムシばかりでした。

「だめかぁ・・・。」

唯一見つけられたのはヒメオオ♀の轢死体でした。

昨日と合わせて0勝2敗です。(コクワにダマされているので実質0勝3敗ですね。)

午前中は天気が良かったのですが、この頃から天気が不穏になりついに雨になってしまいました。

帰り際道路脇に立ち枯れが雪の重さで折れて落ちてきていたものを発見し、叩いてみると小さな幼虫が出てきました。

「オニでは無いなぁ・・・コクワかな?まあいいや飼育してみよっと。」

結局成虫はコルリ以外はボースで二日間の林道三昧は終了となりました。

それにしても暑い二日間でしたね。

一体どれだけの汗をかいたかわかりません。でも九州地方は梅雨入りしてしまったらしいですね。今年の梅雨はどうなんでしょうか。長引かないといいなぁ。


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