クワガタ多産地訪問、IN山梨 塩山!! その1

【冷凍ピラフ】


                        

【あ〜コメント】

冷凍ピラフ様から遠征の採集記をいただきました。力作です。

ごゆっくりお楽しみ下さい。

以下、冷凍ピラフ様の採集記です。


7月某日、夏休み。
都会のど真ん中から出発してからはたしてどれほどの時間が流れたのだろう?
塩山には何度か来たことがあるが、その度に山の空気の新鮮さを思い知らされるほどの良い所である。
「いっその事、採集結果など気にせずのんびりとしていたい。」
いつもそう思うのだが、それではここに来た意味が無い。
今日は2泊3日の予定でとある宿に泊まりに来た。
すでにご存知の方もおられると思うのだが、ここには虫を採りながら泊まれる某クワガタ誌でもとりあげられた有名な宿がある(私が泊まったのは残念ながらその宿では無い)。
だからなのだろうか?昼間っから採集者の数が多い。おそらくヒメオオクワガタを狙っているのだろう。
おとなしく見ていてもしょうがない。早速ネットをひろげてルッキングを開始する。
すると目の前から突然ミヤマカラスアゲハが飛び出してきた。ネットを振り遅れたのか逃げられてしまった。
「まあ、どこかでは取れるだろう。」
焦ってもしょうがない。ここで焦ると後々の結果に大きく響いてしまう。気にしない、気にしない・・・・。

時間経過。

何本のヤナギを見回っただろうか?ようやくヒメオオクワガタが姿を現してくれた。♀だけだがしょうがない。しまった・・・・心臓がドキドキしてきた。悪い癖だ。
「(゜▽゜)/恥ずかしながら自分、いままでヒメオオクワガタを採集したことが有りません!!」
なんとかして緊張をほぐす・・・・。慎重にネットを構えて〜、

ヒメオオ 「ポロリッ」

自分   「(゜Д゜)・・・・・・・・」


自分   「うあ〜〜〜〜〜〜〜!?何っ!?こんなの有りか〜〜〜〜!?」

よく見ると下には勢いよく川が流れていた。ネットには当たったはずなのに、見事に枠にはじかれた。まったくツキがない。
ヒメオオクワガタの初採集はお預けとなった。今度はいつ、お目にかかれるのだろう?
ところで、さっきから気になっているがヤナギの樹液には大量のスズメバチが集まっている。
こんな山の中で刺されたくはない。病院に行き着く前に手遅れになるだろう。
「うおっ、オオスズメバチか!?」
大きなハチが勢いよく飛んできた。しっかし速い。90キロぐらい?は出てるだろう。

慌ててネットを振ると見事にネットイン。ネットの中をよく見るとアカウシアブではないか!!まったく、やっかいな虫だ。
今度は綺麗な赤い蝶が飛んでいる。その赤い蝶は道路脇の壁にとまった。遠くから見ると目玉模様がある。そ〜っとネットをかぶせる。
「クジャクチョウだ!!ヨッシャ!!」
俄然やる気が出てくる。
だがその後は珍しい虫も出てこない。昨年はたしかこの辺りでコムラサキを採ってたっけ。そこにはなんの変哲もないただの空き地がある。
と、そこに一匹のボロボロのミヤマカラスアゲハが飛んできた。夢中で花の蜜を吸っている。
「一応採っておこう。」
そう決め楽々ネットイン。
「ん?色が変?おー!!♀だ!!」
ネットの中には淡い緑色の美しいミヤマカラスアゲハがいた。♂のみだったのでちょうど♀がいればと思っていたので嬉しい。

山道を歩き、時間経過。

ようやく目的地である宿に着く。気が付けば、足はヨレヨレ。各部屋の説明が余計に長く感じられる・・・・。
自分が泊まる部屋は2階だったので疲れた足には応える。
やっと部屋に着き、ドアを開けるとそこには美しい畳の青が目に入ってきた。
その部屋の第一印象は「とてもきれいな部屋」。まさに、これぞ和室!!と、いったような感じである。
窓からはブナ林が見え、川の流れる音が聞こえる。
けして都会の高層ビルが立ち並ぶようなマンションからではいくら家賃が高くてもこのような贅沢はあじわえないだろう。
気分は最高!!疲れを癒してくれる・・・・。

夜。

さ〜、楽しみの一つの晩飯!!階段を駆け下りる自分の足のスピードが徐々に上がっていくのに気が付く。
テーブルに着くと目の前には美味しそうな料理が並んでいた。
食事中。
「美味しい・・・・。幸せ。」
食事終了。
あ〜、眠い。いけない、いけない。外灯回りをしなくては!!
外に出るとライバルが沢山いる・・・・。あちゃ〜、宿の近くの外灯は全部見られちゃっただろうな〜。
なるべく人の少なそうな外灯を見回るがダメ。ガキの虫カゴにはカブト♀が入っている。ガキにだけは負けてたまるか〜!!
道路に出てみるが路上には大量のカマドウマがいるだけ。懐中電灯の明かりも小さすぎて5メートル先も見えない。
結局収穫無しで宿に戻る。と、玄関に黒い影が・・・・。近寄るにつれ顔がにやけてくる・・・・。
「やった〜〜。ミヤマの♀だよ。」
すぐにルアーケースにしまって部屋に戻る。
「ふ〜。」
初日に1匹でも採れると楽である。

ちょっとテレビを見てから外灯回りに再び出かける。
玄関を見るとまた黒い影。しかも少し大きい。だがそこまでツキがある訳が無く、それはノコギリカミキリへと姿を変えていった・・・・。
先ほどよりも少し肌寒くなっており、採集者の数も減っていた。だが相も変わらずクワガタの姿は無い。もう採りつくされてしまったのか?それとも寒いからか?
がっかりして宿に戻る。またも玄関に黒い影。
もう騙されたくない。
だが、それは紛れも無いミヤマの♀だった。

部屋。
「もう、寝よう。」
おっと、ルアーケースにしっかりフタをしておかないと。夜の間に部屋を歩き回られると困るので。

初日の結果 ミヤマ2♀ ミヤマカラスアゲハ1♀ クジャクチョウ1


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