【凹作】
【2003年7月3日】
平日。夜。雨。風。明日も会社。
誰がこんな日に採集に行くかってんです。
と、会社から帰宅する電車の中ではそう思っていた。
でも、結局行ってしまった。
ヒラタやオオクワが採れるかもしれないってんならそれもわかる。
しかし、どうせコクワしか採れないクセに行ってしまうってのは、正常な大人の行動とは決して言い難い。
もしかしたら、何か得たいの知れない病気にでも感染してしまったのかもしれない。
怖い...
怖いといえば、この日のクワ採行はとっても怖かった。
何があったというわけでもないのだが。
前日に、怪談めいた記述を数箇所で目にしてしまい、その事が頭に残っていたからだ。
ポイントの闇が怖いのなら行かなければ良い。
それなのに。
当たり前の理屈が通用しない変な病気に感染したようだ。
闇に撒かれる風雨。
肝を冷やしながら、一本目の樹に辿り着く。
先日ここで採れたコクワ2頭を返却。
返却品よりも更に小さい2頭が洞の奥にしがみついていたが、見逃してあげた。
オッカナさが大きすぎて嫌な気持ちになってくる。
タッタカと次の樹へ進む。
何にも居ない。
怖い。
煙った闇へと続いていく小路の奥先も怖いけど、病気の方も怖い。
これ程怖い思いをしていながらも、洞の中を覗いている自分のアホさが怖い。
背後が気になってしまって採集どころの精神状態ではない。
僅か5分で林から戻ってきてしまった。
アホか> 凹
=結果=
コクワ2頭(珍しくお持ち帰りせず)