1/10報告

【凹作】


【2004年01月10日】

三連休、頭の土曜日。

11:30を示す時計。

午後には、ジュニア(兄)の水彩教室が控えている。

出発予定は13:30。

思案、思案、思案。

で、単独ショートクワ採行を敢行であります。

 

近所の神社の裏山。

登り始めてすぐに玉虫の羽を発見。

外道なれど、ここで成虫が採れたら面白そうであります。

 

乾いたショボ山。

一本目のショボ朽木。

首尾良く小さなコ幼虫を手に致しました。

 

次。

昨年の春には、未だ々々とっても硬かった立ち枯れ。

思い切って蹴飛ばしてみたら、簡単に折れてしまいました。

しごく叩きやすくなっています。

特に上部はかなり柔らかく、古い食痕だらけ。

フレーク状になったその下を叩き進み、大き目のコ幼虫をゲットであります。

 

僅か一年足らずの間に枯木が纏う変化。

ぜんぜん知らなかった凹なのです。

 

 

季節は巡る。

分厚い笹薮に覆われ 春には入れなかった場所。

冬の笹薮は、若干の手加減を知っているようで、凹はそこに割って入ったのです。

履いているのは釣り用のブーツ。

心理的には半無敵状態です。ズンズンズンと進んで行くのです。

 

稜線。

で、吃驚。

そこに残されていたのは、大き目の樹が片っ端から整理された伐採跡。

稜線を軸として我が家と反対の側を見下ろすと、そこは工事で削り取られた断崖絶壁となっていたのです。

薄々とは感じていたのですが...

屏風のような超極薄っぺたの山になってしまったことを改めて実感します。

 

その昔、神聖な鎮守の杜として大切にされていたであろうこの一帯。

もはや、面影も無いどころか、物理的にも完全に消滅しかかっている。

 

栄枯盛衰。

 

断崖面は、コンクリートで固められている最中でありました。

壁面の下方には、宙吊りで作業をしている三人ほどの作業員。

 

作業員A:「(凹に大声で)何をしてるー!?」

 

うわっ、子供ぢゃあるまいに。

大の大人が、こんな所にいたら、絶対に不審人物だ。

 

凹:「(努めて冷静、かつ、にこやかに)戻りま〜す」

 

撤退。

 

恥ずかしさの冷や汗と着膨れの熱汗。

ミックススウェットにビッショリとなりながら、笹薮をかなりのスピードで押し下り、

13:30丁度の帰還でありました。

 

 

一家揃って水彩教室へ出発です。

車内、脛のあたりがヒリヒリすることに気が付く。

ありゃりゃ、恐らくは折れた竹の先にでも引っ掛かったのでありましょう。

10cmくらいに渡って切り傷ができておりました。

 

葉山に到着し、ジュニア(兄)を お教室に送り込みます。

カミサンは、停めた車の中で、ビスト□ス▽ップの料理本を片手に一週間の献立を考える。

ジュニア(妹)はそれに付き合ったり駐車の周辺を散歩したり。

凹作はと申しますと、教室の裏山を攻めてみることにしたのでありました。

 

山道に入る遥か手前。

まだコンクリートで固められている地点から左側の薮に入ってみました。

 

 

まったく人の入った形跡が無い。

当然枯木が削られた後もなく、嬉しいことに朽木の独占状態!

 

一本目。

意外と硬いのです。 が、苦労してコ幼虫を1匹ゲット。

ありゃ、既に30分が経過していた。

二本目。

古い食痕ばっかりだ。

で、時計を見たら残り時間は後五分。

 

良く良く見渡せば、ヨサゲな太い朽木がゴロゴロしている!

 

数本を一寸づつ つまみ食い。

どれもすぐにコクワがゴロゴロと出てくるゾ!

 

く〜、ナンデ始めにもうちょっとよく探さないんだ > 俺。

まぁ、次回のお楽しみにとっておきましょう。

ここならお兄ちゃんでも入りやすいから、次回早めにきて一緒に叩いてもいいしネ。

と、今日のところはサックリと諦めて、

遠くに江ノ島の浮かぶ海を眺めつつ、車を家に向けた凹でありました。

 

 

家に戻り、釣り用ブーツを改めて確かめてみたら、ズッコリと穴があいていた。怖っ!

 

無敵と思い込んでいた釣り用ブーツも、切れる時は案外と簡単に切れるのだ。

昔の人は、鎮守の杜が山ごと消滅するなんて思いもよらなかったろうに...

現実には跡形も無くなっていく。

 

 

あぁ、無常。

杜が樹を育て、

樹は盛り、やがて衰え 枯木となっていく。

これが世の理(kotowari)。

枯木は玉虫の幼虫を育み、

玉虫の躯は朽ちて土に還る。

これも世の理(kotowari)。

タマシー達に【kotowari】も無く搾取されるサンクチュアリ。

もう、玉虫の宿ることもなければ、還りゆくこともない。

削り取られていく聖製流転。

あぁ、無情。

 

 

不滅と思い込んでいるモノって案外モロイのかも。

反対に、

脆く枯れて衰えたとみえるモノも、いつの間にか復活していたりして。

 

そう、人間の思い込みなんてその程度のことなのさ。

 

もしかしたら、近所でオオクワは採れないと思い込んでいる事だって不確かなことなのかもしれないぞー! なんちって。

近所の山を削って作られた高嶺のマンションを、指をくわえて羨望する情け無い凹パパの妄想は、ますます広がっていくのでありました。

 

=結果=

コ幼虫


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