【凹作】
【2003年12月27日】
オオクワ(である可能性も、見ようによっては ほんっっっっっっの僅かながら残るかもしれない)幼虫を
採ってしまったのが祝日であった先の火曜日の事。
待ちきれない思いで三日間を過ごし、やっと土曜日になったのでありました。
と、いうより...
やっと冬休みになったのです。
休日だってのに朝7時に起床。 巨大幼虫(←我が家基準)が私を呼んでいる〜♪
二匹目のドジョウを狙う凹の目覚めはすこぶるシャッキリなのであります。
30分で身支度を整えて、単独行にて出発!
カミサンには、帰宅予定は昼前と告げてあるので時間はタップリだ。
余裕を持たせたスケジューリングと綿密に積み上げられた 採らぬ巨大幼虫の皮算行 がはじき出した計算によると、
この日のGET予定は巨大幼虫(オオクワを希望。無論ヒラタでも可)を三頭程となっていたのでありました。
今日も採れて当然という気になっている凹。
先日(03/12/23)入った裏山の前に構える某施設の脇に到着です。
期待に胸を膨らませ、そして、意気揚揚と胸を張ってノッシノッシと某施設脇を抜けていきます。
巨大幼虫に乗っ取られたこの男のオツムに、前回背中を丸めて遠慮しながらここを通った慎ましさの反芻なぞ望むべくもありません。
皮算行の結果に引っ張られ、新たなる良朽木をと大股のハイピッチで求め流離う凹。
タップリと時間はあるってのに、あっという間に巨大幼虫発見現場も通り越し、更に山の奥にあるZ寺方面へと突き進んで行きます。
/ショボそうな材発見。
* |叩く。
\コ幼虫GET。
*の繰り返しを約5回。
予定通り、まずは露払いのコ幼虫狩りを30分程楽しんだところで、さすがの凹も飽きてくる。
さらに山道を進みつつ同じパターンを繰り返すも、とっても小さなコクワ♀成虫が出てきただけ。
ここで思い切って山道を離れ、薮に覆われた斜面を登ってみることに。
で、一時間半近くも道無き道を徘徊し、
大自然の厳しさをシコタマ思い知らされ、
手ぶらで山道の元の地点に帰ってきたのでありました。
当初のパターンに戻り、山頂のZ寺を目指して山道に従って標高を稼ぎつつの採集にしようと決断。
5分ほど淡々と歩み続ける。
と、みるみるうちに、周りに生える樹々の雰囲気が変ってくる。
杉林気味だ(汗)
なんぞと感じ始めてから感じ終わる前に、既に辺りは一面の杉林に(汗々)
これ以上標高を上げても、待っているのは辛い杉林だけと見切りを付け、
適当にそこにあった杉のような丸太を叩いてみる。
んんん〜、加水分解が進んでいてサックサク。 面白いように刃が進んでいくのです。
サックサックと楽しい歯応えを堪能し、杉丸太を1/4ほど粉々に分解したところでコ幼虫を一匹摘み上げ、この日の採集は終了といたしました。
コ幼虫を飽きるまで堪能し、そこそこ楽しい採集でありました。 終わり。
んっ? 二匹目のドジョウは何処に行った〜??
=結果=
コクワ幼虫を沢山
【2003年12月28日】
前日と同様、この日もZ寺を目指しつつの採集を企てたのであります。
ただし、今回は、某施設の裏山から入るのではなく、山の反対側からのエントリーなのであります。
休日の凹家の昼食会が終焉を迎える。
円やかな刻の流れに包まれて、暫しその空間に留まる凹とジュニア(兄)。
チャッチャと次なる行動へと身を移し、片付けや家事を始めるカミサンとジュニア(妹)。
汁までキレイに啜られたカップ麺の容器が、カランカランと音をたててゴミ箱に捨てられていく。
唸りを上げ始める掃除機。そして、秒を追う毎に目に見えて色を増すカミサンの年末大掃除オーラ。
凹:「兄妹喧嘩ばっかりして五月蝿いから、片一方を外に連れ出そうかぁ〜?」
柔和な微笑みを湛えつつ、凹の問いかけに頷くカミサンであります。
『私がジュニア(妹)のお世話と年末大掃除をやっている間に、パパとジュニア(兄)はクワ採りで遊んでいるのね。』
カミサンが こう↑思っていたかどうかは定かではありませんが、兎に角、カミサンの口から二の句が告げられる前に、
そそくさと出発してしまう凹&ジュニア(兄)なのでありました。
車を出してから助手席に座るジュニア(兄)にZ寺を目指すことを告げます。
昨日も来た某施設の前を通過です。
ジュニア(兄):「行き過ぎたよっ!!」
ここで初めて山の裏手を探索する旨を伝えられたジュニア(兄)でありましたが、
360度どこから登っても山の頂点は一つという原理に改めて気がつかされた様子でありました。
さらに一般道を走り続けること約15分。
某施設から見て山の反対側に位置するエリアに突入です。
とりあえずは山へのエントリー口を見つけなければなりません。
車で小移動を繰り返すうちに、Z寺への山道に続いていそうな小道を発見。
身支度を整え、いざ出陣。
小道をズンズンと歩いていきます。
!
5分程歩いて行くと、そこに待っていたのは梯子級の斜度を湛える急なコンクリート製階段。
なんだか雰囲気違うなぁと思いつつも、絶えそうになる息を堪えて階段を踏破。
約3分間の脚と心臓の頑張りの結果掴んだ階段の頂上。
で、そこに待っていたのは...
行き止まり(涙)
あんまりにも口惜しかったから、「凹採集記ネタにしてやるぅ〜」と開き直り、
ジュニア(兄)をフレームに入れてiShotをパチリ。
馬鹿ナビな親を持ったジュニア(兄)に済まないなぁと思いつつも、
ネタが増えたことで変な喜びを感じている凹なのでありました。
再度の小移動。
Z寺方面へと折れる一般道に従って車を進める。
んんん?
なんだか標高が上がっていくのであります。
これは、もしかしたら山の中腹あたりまで車で入れるかもしれない!
ラッキーと思う反面、見渡せば杉・杉・杉となっていく周りの風景に不安を隠せない凹です。
まだまだ続く車道。
確実に山の中腹は越えているのでしょう。
しかし、杉林の真っ只中に来てから徒歩に切り替えたところで辛い目にあうばっかりなのは目に見えていますから、
そのまま道に従って車を進めて参ります。
いい加減、かなり車を走らせたところで、ようやく行き止まり。
看板をみれば、既にZ寺の境内なのでありました(ありゃりゃ?)
山の某施設側斜面は、クワ採りが似合う山道が敷かれていた...
反対側であるコッチ側は、一面の杉林に覆われた斜面に車道が敷かれている...
同じ山でも、その表側と裏側とでは、かなり雰囲気が違っていたのであります。
山の両面ともに同じような雰囲気であろうと端から思い込んでいた凹は、その違いに面喰ったのでありました。
さて、亡きモノとなってしまった当初の『Z寺を目指して山を登りながらクワを探そう』計画の代替は?
どうしたものかと、Z寺境内を徘徊してみる。
で、数分後、恐らくは某施設へと続いているのであろう山道に出くわす。
その山道を下ってみます。
すると、ものの3分もしないうちに、見覚えのある光景が!
そこにあったのは、昨日凹が削り残した杉のような朽丸太。
昨日は、あと数分も登ればZ寺という地点まで歩いてきていたということになります。
どうしたものかと削りかけの朽丸太の傍らに佇む凹とジュニア(兄)。
腰を据えて熟考...
なんだ! よく見れば、削りかけのヤツと同じような材が茂みの中に何本も転がっているではありませんか!
喜び勇んでコクワ目指して朽丸太群に取り掛かります。
/一心不乱に削る削る削る。
* |摘む。
\コ幼虫GET。
*の繰り返しを数回。
「ナ・ニ・ヲシテ イル ノ・デスカ?」
唐突に背後からカタ カ・ナで話し掛けられてしまった。
見れば、そこにはNavyの高級士官と思しき(←完全なる凹の想像です(笑))老紳士と品の良さそうな奥様が佇んでらっしゃる。
クワ採りの朽木削りをしていて背後からイキナリ声をかけられたならば、普段の凹なら飛び上がって吃驚してしまう。
しかし、今回は違っていたのであります。
イーストパック組の若いNavy達とは全く異なる落ち着いた物腰で、凹からの回答を待つ高級士官殿。
「Stag beetleを採ろうとしているんですよ〜」と、にこやかに発語しようとして一瞬躊躇する凹。
コンマ数秒の冷静な間合い。
マニアックな単語を入れて変に興味を持たれるよりは、より一般的な『Insects見物』という表現を選択した方が万事上手く回ると判断する凹のオツム。
発語直前。
少なくとも「Bug取り」なんて言っちゃったら凹採集記ネタものだよなぁ〜、なんぞと余裕でオツムにジョークを巡らす。
で、高級士官殿へ向けて、味もそっけも取り付く島も無い手短で端的で合理的かつ無難な回答を返信した凹。
Oh〜!トーヨー ノ シンピ デスネ!
と、こう思ったかどうかは定かではありませんが、にこやかに納得して去っていく老夫婦なのでありました。
イヌノサンパーのお婆ちゃんに声をかけられてシドロモドロになり、
クワガタを狙っているのに「カブトムシをチョットね、」と答えてしまう男(←03/06/01ご参照)が、不思議なものである。
相手が変わった途端に生じたこの余裕の原因は?
イヌノサンパーと高級士官の違いとは?
『カ・タ・カ ナの使い手』である高級士官と『ネイティブジャパニーズの喋り手』である凹の間には、予め、一つの暗黙の了解が存在しているのです。
『文化や価値観、感性等に隔たりがあって当然』、『違いに気を使いながら互いを尊重して触れ合う』。
こんなノリが初めから存在しているのであります。
だから、お互いに多少『ズレた』言動や『同意できない』発言をしても、大抵は容赦されるだろという了解が暗黙のもとになされているのです。
だからこそ、高級士官は初対面の異人に遠慮無く質問を投げ掛けてくるし、
元来が小心者であるコノ中年日本男子も、堂々と胸を張って己の行動を端的に淀み無く発語することが出来たのであります。
一方、『ネイティブジャパニーズの喋り手』同士であるイヌノサンパーと凹には、この暗黙の了解は介在しないのであります。
そこにあるのは『思い込み』。
同じ肌の色をした人間なのだから...
同じ地元に暮らす住人なのだから...
同じ山のサンパー同士なのだから...
だから、文化や価値観、感性等にそれほど隔たりなぞ無いだろうという思い込みがあるのです。
同質と思い込んでいた人間からイキナリ異質な回答を与えられたら?
受け手の内に生じるであろう何らかのショックを恐れるあまり、小心者はシドロモドロな回答になる訳なのであります。
「何をしているのですか?」とやられたら死にそうに吃驚する癖に、
「ナ・ニ・ヲ シテイル ノ・デスカ?」と背中越しに呼びかけられても全く動じない凹のヘンテコ心理のカラクリ解説でありました。
おっと、いけない。
またもや採集現場の山道から逸れること数十行となっていたのであります。
ではでは、太朽木の散在する現場へと戻ることに致しましょう。
昨日削り残した朽丸太に手をかけ始める凹。
案の定、コ幼虫がサクッと登場してくれます。
サックサックと快調に削っていると、なにやら太目の食痕が!
で...
で、出たぁ〜!!!
こいつは、紛れも無く先日採ったオオクワ(である可能性も、見ようによっては ほんっっっっっっの僅かながら残るかもしれないとも思われる気がする)幼虫だぁ〜!!!
んん? 「杉のような朽木にオオクワが入るかな〜?」、ですと?
おっしゃる通りであります。
「普通はミヤマも入らないよな〜」、って?
その通りでありましょう。
「ヒラタにも見えないしなぁ〜」、と?
そうやも知れませぬ。
「コクワではないよな〜」
ですよね。凹でもそう思います。
そしたら...
・
・
・
エー、結論を申し上げますと、
この幼虫は『暫定オオクワ殿扱い』でございます。
ただし、この審判は、あくまでも幼虫同定技量完全欠落一家である凹家基準によるモノであり、
0.00000001%でも確率の残っているうちは暫定王者の位を与えましょうというスタンスに立脚する凹家ルールに則ったものであることを付け加えさせていただきましょう。
んん?
そういえば、もう一つ疑問点が...
この日出した巨大幼虫と、先日(03/12/23)出した巨大幼虫は果たして本当に同じモノなのだろうか?
巨大な図体に吃驚して、考える間もなく同種類と決め付けておりましたが、これも単なる思い込みかも...
なんてったって、我が家は幼虫同定技量完全欠落一家なのでありますからね(トホホのホ)
気分だけはオオクワゲッターな凹&ジュニア(兄)コンビ。
意気揚揚とご帰還となったのでありました。
=結果=
(最長でも蛹化までの暫定王位であろう)不明幼虫×1頭、 コクワ幼虫数匹
P.S.
あ〜さんに写真を送ったその後はどうなったのか? ですよね。
同定をしていただきましたよー。(ありがとうございます。あ〜さん)
でも...んんん。 機会があったら、写真ではなくって、実際に実物を見ていただこうと考えている次第なのでございます。