12/13報告

【凹作】


【2003年12月13日】

隔週の土曜日にお兄ちゃんが通うのが葉山の水彩教室。

ここに長年通ったところで、小学校の図工の成績がUpするわけではないのです。

 

水彩教室ってくらいですから、絵画の技術を教えてくれるのかと思いきや、

この教室にそういった部分ばかりを期待してはイカンのであります。

 

感覚だの、心の表出だの、人間wholeとしての成長だの...

点数では表し難い、客観的には曖昧不確実とも捕らえられがちなこういう部分のエデュケーション。

これが、シュタイナー教育の一環として水彩を教えているこの教室が目指しているところ。らしい。のです。

 

結果の見え難いこういう一見不確かにも思えるようなモノに金を払う凹作家...

一般的には、やっぱり奇特モノの部類に入ってしまうのでありましょう(笑)

 

 

良く晴れ渡った年の瀬の土曜日。 この日も、お兄ちゃんは水彩教室でありました。

家族四人で教室のある葉山まで車で赴き、いつもと同じパターンでお兄ちゃんを送り出します。

 

一旦は四人そろって車を降りたものの、ママと妹は羊毛を買いに行きたいとのことで、

凹作パパをそこに残して再度車に乗って手芸屋さんに向かい、1時間後にここで合流することに。

 

てな訳で、この日は水彩教室が終わるまでの1時間ばかりを使った単独クワ行となりました。

 

 

水彩教室の裏山の山道を一人で登っていきます。

気持ちの良い青空。

ほんの少し標高をあげた場所にはウェルカムといわんばかりに枝を広げた大きな樹。

ちょっと、一休みして眼下の相模湾を見渡せば、江ノ島が遠くにぼんやり見えている。

気ままな単独行。

そして、晴天の空と見晴らしの良い景色が与えてくれたハイテンション。

 

なんとなく思い立って、この日は山道沿いに攻め登っていくのではなく、

山道を逸れた藪の先に入ってみる気になってしまったのでありました。

 

 

クワガタは、道の脇や少し開けた場所などの日当たりの良い周辺にいるケースが多いと聞いた事がありました。

だから、この日の行動は、その知識に反する行動であり、ちょっとしたトライだったのです。

 

藪に覆われた視線の届かないその先に何があるのか?

もしかしたら、誰も足を踏み入れない素晴らしいポイントが広がっているのではないか?

 

道沿いを攻めるよりもよっぽど不確かで先の読み難い行動ではあったのです。

でも、、、

それでも、見えないその先に『何か』を期待して、惹かれるように深い藪に分け入ってしまったのでありました。

 

 

5分経過...

お日様の光の届き難い深い藪の中の行脚が続きます。

10分経過...

藪の向こうに存在するかもしれないポイントを追って...

しかし、その間も、目ぼしい朽木は殆どみつかりません。

 

藪の奥へと、一歩また一歩と深く踏み入れていく毎に、

『クワガタを見つけ易いのは道路ギワ』という予備知識が実感へと変っていきます。

 

先の見えないアホたれ行。

そろそろ諦めて引き返そうかと朧に思いあぐね始めた頃、徐々に藪が開けてきて、空から注がれる光量も多くなってきたのでありました。

 

そして、藪が開けた手付かずの一帯に、ようやくと太いヨサゲな朽木を発見したのでありました。

 

嬉!

それまで、先の光の見えない薮漕ぎ行をしていただけに、朽木があったというだけでカナリ嬉しかったのでありました。

 

で、さっそくその朽木を一撃。一発。ツモ!

最初の一太刀で黒い成虫の背中が現れてくれました!!

 

丁寧に朽木を切り崩していって、出てきたのはグッドサイズ(我が家基準)の♀成虫でありました。

まぁ、グッドサイズとはいえコクワですけどね(←って、これコクワっすよね?あ〜さん?)

元来から♀の判別はコクワとノコとミヤマっくらいしか判らないのに輪をかけて、

樹液シーズンから遠ざかってしまって感覚が鈍ってしまうとノコ♀とコクワ♀の判別すら怪しくなってしまう凹作なのでありました(トホホ笑)

 

たかが♀成虫一頭。

されど、一時は先の見込みのまったく見えない状況であったのだから、その分、採れた嬉しさは倍増な一頭なのでありました。

 

 

薮から戻り、山道を下って待ち合わせの場所に到着。そして数分後...

手芸屋で買った羊毛を使って、海沿いの公園にてノンビリと雪だるま人形の作成を楽しんでいたカミサンチームと合流です。

雪だるま人形は、一週間後に予定されている親友邸でのクリスマスプレゼント交換用の品となるのです。

 

水彩教室を終えたお兄ちゃんとも合流し、最後にちょこっと海岸線に寄り道です。

そこで、グッドサイズ♀成虫GET&雪だるま人形作成の記念撮影を行ってから帰路についた凹作ファミリーでありました。

 

(↓お湯を使わずにフェルト化させることができる特殊加工を施した羊毛なのだそうです)

誰の手に渡るとも知れぬ届き先の不確かなプレゼント。

それでも、手にした誰かの笑顔を思い描いて丁寧に羊毛を紡ぎ合わせていく。

 

 

先が見えない方がむしろ楽しみや喜びも増すってこと、世の中には結構あるものなのかもしれませんね。

 

=結果=

ピカピカでグッドサイズ(我が家基準)な♀成虫


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