11/1報告

【凹作】


【2003年11月01,02日】

鉄ッチャン・ジュニア(兄)に引きずられ、江ノ電に乗って参りました。

もとより非鉄(鉄道を趣味としない者)な私。

基本的にはウンザリ顔系の同行ではありましたが、これがなかなかどうして、味わいがあってよろしい路線なので御座います。

 

玄関がイキナリ線路に面している民家やお寺、多数。

(↑即ち、住人達は、必ず一度は線路上に立たないと外界に出られない!)

一般道路と線路面の境界が曖昧なところ、数箇所。

 

それでいて、住民からは『路面電車』とは位置付けられていないのであります。

う〜ん、なんともアットホーム。

彼等にとっては、ごく普通に存在するごく普通の通勤通学電車なのであります。(ホノボノ〜)

 

 

この日は、およそ秋とは思えないような うららかな日和でしたので、ちょいとばかり砂浜にでも出てみやしょう。

ってんで、鎌倉駅から乗車して、目指すは鎌倉高校前駅。

高校時代の友人の最寄り駅だから、凹作は、若干この駅周辺を知っている。

この駅は砂浜へのアクセスがとっても容易なのであります。

 

 

さてと、駅に降り立つや否や、トットと駆け出していくのはジュニア(妹)。

但し、その行き先は、砂浜ではなくって線路際スレスレに設えられた駅のトイレなのでありました。

 

待つこと暫しの凹一行。

トイレの窓が開き、こっちに向けて何やら自慢気っぽく人さし指をおっ立てているジュニア(妹)。

 

何事?っと彼女の手元を凝視してみれば、、、

iMode写真の低解像度がこんなときに役に立つのです。

モザイクをかけなくとも皆様の御目にはソフトフォーカスであろう彼女の指の先。

 

どうやら、トイレットペーパーが無くってティッシュを使った。らしい。

そんでもって、慣れない紙の強度に力加減をいささか誤った。らしい。

 

爆! んなもん、満面の笑みで見せびらかすな〜!

 

コ火災発見→コかぶとトGET→コSeabassヒット→そして今日。

先週から続くコノ流れ。

う〜んこ れは絶対に、コ運がついて来たぞ〜!

 

 

さて、翌日。

釣りに行くでもないのに珍しく朝4時の早起きなのであります。

目的は、ちゃんとしたクワ採集を行う為。

 

はて?『ちゃんとした採集』とは?と お思いになられた皆様にご説明申し上げます。

ちゃんとした採集とは、Web越しの遠い存在・・・キラ星達の如く輝くクワガタ採集HPs・・・にでてくるような採集を指し、

ちゃんとしていない採集とは、凹的なヤツの事を指すのであります。(←我が家基準なり)

 

ひょんな切欠でメール交換をさせていただいたNさんは、ちゃんとクワを採っている方(←我が家基準)のお一人だったのです。

して、メール交換させていただいたご縁で、採集に同行までさせていただける運びになったのであります。

 

神奈川県内の何たら山の麓近くに集合。なのであります。

 

もうドキドキものです。

なんせ、実は実は、インターネットで知り合ったクワな方々とお会いする事自体も初めてなら、ちゃんとした採集も初めて。

そして、もちろん『何たら山』みたいに ちゃんと大々的に名称がついた高い山に登るのだって始めてのことだったのですから。

 

この年齢になってから、こんな初めてづくしなシチュエーションを経験できるとは思ってもおりやせんでした(汗)

 

 

標高1000mを越える山に登る。らしい。

標高400m位っから歩き始める。らしい。

途中、沢を渡るライクなことになる。らしい。

高級クワ(←我が家基準)が採れる。らしい。

オマケに鹿や熊の●●コもついてくる。らしい。

 

ふぇ〜、一介の唯のサラリーマンオヤジ・凹作にとっては、まるでテレビ画面越しの世界のようであります。

しかして、そのスタートラインに今、自分自身が立っているという現実がそこにはあったのです〜。

 

 

待ち合わせ時間の朝6:30。

NさんとSさんがやってきた。

 

Sさんも、凹と違って『ちゃんとクワガタ』な人(←我が家基準)だ。

汗、汗、汗、汗、汗、にてご挨拶。 で、登山口に向けて車でちょこっと移動です。

 

 

途中、Nさんが朝の儀式(大)を公共施設にて執り行う。

その間、凹はSさんとおしゃべりをする...

 

クワガタのこと以外は、Sさんも凹と同じ、フツーのパパさんだ!

当たり前のことではあるが、そんなことを実感し、改めてなんだか急に安堵感が芽生えてきた。

(山に入る以前にこんな所で戸惑っていてどうするよ? > 凹 )

 

と、初対面の戸惑いも打ち溶け、登山口の駐車スペースに到着。

で、チャキチャキと長靴に履き替えてイザ出発!

 

って、たった今、『長靴』って単語をさらりと文中に埋め込んでは みましたが、

凹作にとって、長靴を履いてクワガタを採るって事自体も既に非日常なのでありやす。

 

長靴を履いた三人組が山道を登って行きます。

 

当日の小春日和も手伝って、モノの10分もしないうちに、背中にうっすらと汗が滲んできます。

先頭を行くホストのNさんは、続く二人を快調に引っ張っていきます。

(職業のこと↑ぢゃなくって、主役ってことね。念の為)

 

凹作の額に一粒の汗玉が浮いた頃、ゲストチームから質問を...

「アトどのくらいで到着ですかねぇ〜?」

 

Nさん:「あぁ、やっと、この辺りで到着ですよ〜(微笑)」

Nさん:「だけど、『登り口に到着』ですけどね(ウララかな微笑)」

 

背中に染みた熱い汗が『冷なヤツ』に変わったのを感じた凹でありました。

 

 

確かに凹は、歩いたり走ったりすることに関しては『バカ』であります。

例えば、勤務地である市ヶ谷から自宅のある横浜まで、好き好んで深夜のジョギングをして帰ったりするような『バカ』なのであります。

 

でも、クワ採りと深夜の狂行(通勤ジョギング)とは別物なのであります。

 

狂行に向かうには、それなりに覚悟というか、そういう心持モードでありますから、耐えられるので御座います。

しかして、凹の既成概念中にあるクワ採りというモノには、長距離歩行の存在感は気薄なのであります。

 

体力的やら物理的な問題ではないのであります。

『クワ採り×長距離歩行』においての既成の思い込みとのギャップとでも申しましょうか、はたまた、心理的な問題とでも申しましょうか。

こういう部分の按配で、汗が『冷なヤツ』へと変わっていったのであります。

 

 

なんぞと考えている間にも、すんばらしい大自然の景色が次々と現われてまいります。

これは、深夜の狂行や近所のプチ採集なんぞでは決して味わえない!

 

清々しい景観に魅せられているうちに、いつの間にやら小川のような流れをジャブジャブと渡って...

いよいよ、本格的な山間の隘路に突入でございます。

 

 

いけどもいけども杉、杉、杉、杉、杉、の杉林。

して、ゲストチームの脚を気遣い休憩を入れるNさん。 で、頭上を見上げる凹。

ふむむ、なんて樹だか知りませぬけど、デッカくってその割には楚々としていて...

ん〜、気ン持ちイイ〜!

 

その後、着々と標高を稼いでいって...

富士山なんぞを遠くに臨んだりして、

鹿の●●コなんぞも真近に臨んだりなんかして...

 

ようやくと残す道程はあと1/4っくらい。らしい。

とっても雰囲気のある樹々の坂道を登っていきます。

 

カラっとしているというか氣が良いというか...

兎に角、凹の近所の林にありがちな、ジメッとした鬱蒼感とは雲泥の雰囲気なのであります。

 

これならば、高級クワ(←我が家基準)が住んでいても不思議はない!

って、どういう根拠じゃ!> 凹

 

 

『Nさんvs凹作』のバカ度自慢大会なぞをしながら登っていたら、本当なら苦しいはずの登山の道程も、なんだか少し短く感じられて...

ハイ!頂(いただき)に到着で御座います。

 

 

Nさんに頂いた麦飯オニギリをぱくつく凹。

ウメ〜ウメ〜と貪っていると、Nさんが材を持ってやって来た。

 

Nさん:「入ってるかもよ!」

 

『入っていそうな木のサンプル』兼『期待度大の木』として数本をかき集めて戴いてしまった。

 

で、分けて戴いた材を有り難く頂戴し、それらを削り始める凹。

 

数本目。

んっ?なんか居るわ。

 

して、ド素人・凹作の手元には、あんまりにもアッサリと捕らえられた勲章が!

 

もしかして、これがアレなのか?

 

 

コ瑠璃?

そうに違いない。 *.コルリだ。

 

コルリが、今、本当に自分の手の上に居るという現実。

コ運、ここに極まれり!の感でありやす。

 

ニセカナガワホソセアオエセツヤコルリモドキ(←小型カミキリを指す我が家特有の呼称)ではなくって、本物の*.コルリが手の中にあるのだ。

うへぇ〜、雲の上にいるような心持ち過ぎて、実感が伴なわないのであります(涙笑)

 

 

ん〜、でも、さっきNさんは何て言ってたんだっけ?

*.ルリとは言っていなかったなぁ。

何とかコルリって言ってたよな〜?

 

*.コルリの実物なぞ全く見たこともない凹は、何たらコルリが採れそうだと教えて戴いてはいたものの、

あんまりピンと来ていなかったので、名称を忘れていたのであります(トホホ)

 

『何て名前だったかなぁ〜、この*.コルリ』と、記憶の糸を手繰るも、コやつの本名は忘却の霧の中。

あんまりにも恥かしくってSさんにも聞けない凹作でありました。

 

 

その後、ちょっと崖ライクな斜面を下って移動。

おっとっと、心持ちだけではなくって、本当に周囲が雲の上の霧状態になって参りました。

さてさて、途中、熊の●●コを跨ぐという有り難い経験をしつつ、次なるポイントへ。

 

 

良さ気な材を只管ムシリ続ける凹。

ん?なにやら背後に獣的気配!

でも、『どうせ鹿でしょ』って見向きもしない凹なのでありました。

 

この男↑、クワに夢中になり始めると熊の心配すら忘れてしまうようであります(汗)

 

で、こっちのポイントの結果はと言いますと、、、

NさんとSさんは順当に *.コルリの成虫を何頭も出してらっしゃいました。

Sさんは、ヒメオオの食痕も追ったとのことでしたが、残念ながら『抜け』た跡だったようで、、、うむむ残念!

という結果でした...

って、う〜ん、やっぱり自分の結果も書かねば。ですね。

同行のお二方とは比較にならな過ぎて書きたくなかったのですが(笑)、、、

幼虫ばかりで成虫0頭。でありやした。

 

 

下山途中、鳥の巣と思しきモノが落っこちていたりして、何やかんやと楽しくおしゃべりをしながら山を降りていく。

途中、自然な会話の流れの中から、NさんかSさんのどちらかが、トーカイコルリって単語を口にしていた。

うん、間違いないのです。 この手の中に在る勲章の*の部分には『トーカイ』が入るのでありましょう。

 

一歩一歩、復路の坂道を踏みしめ降りる度に、『俺の勲章 = トーカイ.コルリ』GETの実感が湧きあがってくる。

 

決して爆発的な喜びではなかった チッチャな獲物・トーカイ.コルリのGETの瞬間。

頭ではスンゴイ事だと理解はしていても、あんまりにも心がキョトンとし過ぎていて、その価値を感じ取りきれていなかったようであります。

でも、時が経つにつれ、徐々に徐々にその嬉しさが濃くなっていくのが不思議な心持ちなのでありました。

 

 

あ〜さん採集記のクワカタログにて、コやつの名称を調べなおしてみました。

トウカイコルリ@コ運を分けてもらい自分の手足を使ってGET!

 

 

公共施設でのNさんの朝の儀式(大)。うむむ、思えばあの時に違いない。

凹作は迂闊にもあの時、ノンビリとお喋りなんぞをしていたが...

あの儀式(大)によって、凹作はNさんにコ運をつけてもらったのだ。

既にあの朝の時点で、Nさんのコ運を分けて貰っていたのだ!

きっとそうだ、そうに間違いない...

 

 

=結果=

トウカイコルリクワガタ♂@神奈川 、 ←の幼虫×多数


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