【凹作】
【2003年8月25日】
いつもの生活が戻ってきた。
夏休みが終っちったのだ(涙)
会社の隣の緑地帯を睨みつける。
いつものことだ。
隣の会社の人達にとって、この睨みオヤジの佇まいは、
もう、日常の景色として定着したものとなっているのであろう。
空に目を移せば、そこには夏の青空。
なんてこったい。
秋の間に夏休みなんて取るんじゃなかった。
慌てるコ時期にゃ貰いは少ねぇ。
秋が去り、そして、やがて来る夏をジックリと待ってから休暇を取るべきだった。
コクワしか居ないような気候の時期に休暇を充てた自分が愚かだった。
ふむ、それにしても、いつから季節の順番が改正されていたんだろう。
やはり、今の世の中、情報はしっかりと押さえとかにゃダメだな。
世の流れに遅れた男の自嘲の思いと、青空の輝度とがコラボレート。
しかめっ面の凹作の鼻に、更に深い皺が寄る。
隣の会社の最上階の人達のどよめきが聞こえてきそうだ。
いつもは水平方向にガンを飛ばしているオヤジが、
今日は最大限の悪態面でもって自分達の方を見ているのだから。
きっとそのうちに、隣の●〇●●ミュージック某社さんから苦情の電話が弊総務部に入るのだろう。
クリエイティブなお仕事をされているのであろう某社さんにとってみれば、近隣に悪態面が転がっているってことは、
それだけで、気になってしまって仕事の妨げになるだろうからな。
総務部に呼び出されたビジネスマン・凹作は、どんな言い訳をするんだろう?
「ムシを見ているんです」って言うのか?
話にならん(^-^;
金の成る樹ならば、みんな一生懸命に見るだろうな。
だから、「凹作にとっては、虫はお金みたいに魅力的なものなんです」って説明するんだろうな。
常識的な大人とはチョッピりズレた凹作の所業を、金の成る樹を媒体としたトランスレート手法でもって説明するんだろうな。
総務部みたいに仕事上で多方面と渉りあう人達ならば、変人に対する包容力もあるだろうし、
トランスレートや例え話に対する柔軟性も持ちあわせているから、これで大丈夫だ。
●〇●●ミュージック某社の社員さんから直接声をかけられたなら、何と言おう?
ああいうクリエイティブで柔軟な人達ってのは、常に新たなる価値観やら感受性やらの習得に勤しんでるはずだから、
金の成る樹みたいな例え話なぞもちだしたら、反対に拒絶反応を起こされるかもな。
そんな二階から目薬みたいな説明してないで、もっとネイティブな心でもって伝えてくれって思われるかもな。
例え話での伝達に逃げようとすることは、むしろ感性のプロフェッショナルである彼らに対する態度としては失礼なことなのかもな。
自分としては、大満足のうちに幕を閉じた夏休み。
あの9日間で、何が自分に残ったんだろう?
里山の風景、オフショアの潮風、コクワ、カブト、、、
感性のプロフェッショナル達ならば、彼等の9日間にどれだけ多くの事を感じ取ってくるのだろう?
いつもの『睨みつけの儀』を終えた後、ちょっとだけサボって近くの公園を散策してみた。
打ち捨てられた空のプラケース。
そして、セミの抜け殻。
何かが終わってモヌケの空...
ううぅ、いやぢゃいやぢゃ。
夏休みを終えた凹作には、何かが残ったと思いたい。
来年の夏には、凹は何を残すだろう。
十年後は?そしてジジイになって...
自分の心にダイレクトに響く何かを、その時の凹はいったい幾つ持っているのだろう。
自分の価値観にあわせ込むためのトランスレート無しに、直接感じとることのできるモノが幾つ残るんだろう。
そう考えてみると、凹の中にある このクワ心だって、結構な宝物なのだな。
=結果=
ボーズ(というか、何もせず)