8/17報告

【凹作】


【2003年8月17日】

爽やかな朝の目覚め。

久しぶりの感覚だ。

 

昨晩泊まったのは、清潔感溢れるこざっぱりとしたコテージ。

 

宿泊費がリネン代よりも安い破格っぷりと聞けば、ボロボロの宿を思い浮かべるところだが、

なかなかどうして、しっかりとした施設でありました。

恐らくは、日本一レベルのコストパフォーマンスでありましょう。

 

この日は、一泊遠征の帰りの日。

熊と相撲をとったというお話が残る金太郎さん・・・恐らくは日本最強の子供・・・の故郷を後にします。

 

日本一高い山に日本一近い温泉を目指し、2台の車に分かれて出発です。

 

そこの附帯施設である温水プールで家族サービスに勤しもうとする凹作と親友は、

きっと日本一の良いパパ達でありましょう。

 

はあぁぁぁぁぁ。

なんぼ『日本一』を並べて強がってみたところで、

日本一採れなかった・・・ボーズだった・・・ことには変わりが無い。

はあぁぁぁぁぁのハァ〜。

 

 

ダップリと温泉に浸かっているうちに、

いつの間にやら『気の抜けたハァ〜』が『気持ちイイはぁ〜』に変わっていったのでありました。

 

 

さてさて、この日はお盆の最終日。

トラフィックジャムの濃さでは、一、二を争う日のひとつであります。

って、ボーズショックをサッパリコとお湯に流し去ったはずのこの時点では、『一番話し』は既にどうでも良いことでありました。

 

そうは言っても交通渋滞の酷さには変わりがありません。

混雑が緩和されるまで、どこかで晩飯でも喰っていようという作戦をとることになりました。

 

向った先は、地魚も食べられる××の回転寿司屋。

すっかり暗くなった街に、回転寿司屋の煌々とした照明が際立っています。

 

キラリッ! クワパパ・凹作の目が光ります。

 

未練たらしく、否、

粘り強く であります。

寿司屋の待ち時間を利用して、粘り強く一縷の望みを託してのアーバンクワ採行を試みます。

 

街中の寿司屋の駐車場を、いい大人が怪しげに徘徊してまわる。

どんな贔屓目で評したところで、フツーの大人の行動基準からはハミ出してしまっています。

自分でも判っています。

いやいや、結局ヤッているんだから、判っているつもりというのが正解でありましょう。

 

大吉クンとジュニア−ズの為という大義名分の御旗の下、

生き生きとした動きでハンターが徘徊します。

 

いや、正確に言うならば、その背中に大義名分の御旗を見ているのは、本人だけなのでありましょう。

客観的に見たら、目だけがキラキラと輝く唯の怪しい煤けオヤジなのでありましょう。

 

 

この結末を誰が予測出来たであろう。

 

 

結果さえ出してしまえば、怪しい徘徊者という評は、効率良く時間を使うチャッカリ者という称号に変わるのだ。

 

...

......

.........

 

当たり前のように当たり前の時間が流れ、然るべきところに事は流れ着く。

手ぶらで帰って来た不審人物。

 

この結末を予測出来たのは、日本国民全員(但し、凹作を除く)でありました。

 

ようやくフツーの大人の恥性が戻ったのか、皆の待つ寿司屋の玄関で、消え入るように大義名分の御旗を仕舞った凹作でした。

 

はあぁぁぁぁぁ、いい加減にアーバンクワ者も何か結果を出さなければ。なのであります。

前フリ10000行。そして、いつも結果は『次に期待』

このままでは、川□浩率いる探検隊よりも人気が出てしまいかねません。

 

 

ハイコストパフォーマンスの寿司に大満足の後は、ガラ空きの車道を軽快にとばします。

ここから暫しの間は、右手に海を見ながらの走行です。

 

夏の夜の海。 何にも見えないはずなのに、そこに何か良さを見てしまう。

時折見えるのは浜辺の打ち上げ花火。 若者達のC調な躍動が響いてくるようで心地が良い。

 

ありゃ?この浜辺はサザンビーチという呼び名に改称されていたのか。

過ぎ去った表示板の残像を反芻しながら、江ノ島をパスしていきます。

 

 

イナムラが見えてきた。俺の家も近い。

目に入ってきたのは、稲村ヶ崎の袂に位置するレストラン・M。

従姉妹の友達のご実家であります。

女だてらに大型バイクを駆るその姿は、学年ひとつ下だった高校生・凹作にとって、高嶺の憧れの華だったなぁ〜。

 

おっとっと、危ないアブナイ。

若い頃を偲んで美化してシミジミしてしまうのはオヤジ指数増大の為にアブナイし、

第一、運転中にボーとするのはもっとアブナイことなのだ。

 

慌てて意識をドライビングに戻す。 カーステレオからは少し前の流行歌・波乗りジョニーが流れていた。

 

疲れて静まり返っている車内。 ジュニアーズ(妹)にそっと教えてあげた。

「この歌を歌ってる人の別荘がこの辺にあるんだよ」

 

「え〜、クワガタ圭祐のお家があるの〜?!」

 

静まり返っていた他の二人と凹作は、爆笑の波にライドオンであります。

 

バツが悪そうに直ぐに言い直した小学二年生でありましたが、

この後、家に着くまでに、更に二度ほど、クワガタ圭祐とヤッておりました。

日頃の会話のせいで、舌の回り具合が『クワガタ』の発音に染められてしまっている様子の二年生なのであります。

よしよし、いいぞ と微笑むクワパパ・凹作でありました。

 

凹作の直属上司・Iさんの海岸沿いのご自宅前を通過。

いよいよ横浜に帰り着くゾ。

 

あっ、そうだ。Iさんは明日から夏休み明けで出勤だったよな。

確か凹作と入れ替わりだったんだ。

 

ここで、フと疑問が芽生える。

 

待てよ、今日は日曜日だよな。

凹作は明日から休暇をとっているんだよな。

 

おぉ、そうか!

ということは、凹作は未だ夏休み前じゃないか!

 

よ〜し、明日から仕切り直しで頑張るぞ〜。

明日からが本当の Oh!夏休みぢゃい。

 

一人勝手に変な屁理屈を頭の中で唱えつつ、

この遠征の惨敗を Oh!夏休み前の過去の出来事として切り離そうとする健気な変わり者・凹作。

 

豪雨に呑み込まれ、冷夏コールド負け寸前だったこの流れ。 サクッとリセットボタンで再起動です。

何はともあれ、クワ魂を再び奮起せんとする凹作なのでありました。

 

=結果=

ボーズ


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