2005年の採集記(その3)

【sandman】


【sandman様のメール】(2005.8.16)

 

〜前略〜



クワガタの写真は撮るのが難しいですね。樹皮の樹液に張り付いているのは良いのですが、洞にいるやつは捕るので精一杯です。

夏休み期間も中盤に入り、前回あれだけいたカブトムシ達もあの樹では捕りつくされたのかとうとう見かけなくなりました。樹液が出ているのに虫が居ないのは寂しいものです。

今年は夜の樹液場巡りで子連れの採集者とかちあうことが多いですね。ムシキングの影響でしょうか?


7月?日(日付を忘れてしまいました)

 この日は外せない仕事があったので車で出社し、終業後大阪北部方面へ行くことにします。 
能勢方面へ行くことも考えたのですが、他の採集者も多そうなので、以前仕事で訪れたときに道路脇の樹でミヤマクワガタを数匹捕っているのでミヤマ狙いで行くことにしました。

 この場所一帯はダンプが行き来できるように道幅が広がっています。当然のごとくミヤマクワガタを捕った樹は無くなっておりました。。。。。

 このまま帰るのも何ですので、付近を散策してみることにします。

 少し荒れ気味ですが栗畑のようでした。(荒れているのは用地買収が済んでいる土地だからかもしれません。)クリの他にはコナラやクヌギが所々に生えていました。

 栗畑の入り口のところに樹液が出ているクヌギを見つけましたが、カナブン15匹程とその周りにミヤマカミキリが数匹居ます。畑の斜面を登って行くと樹種はわかりませんが初めて台木というものを見つけました。もう樹自体は枯れているようで樹の芯の部分は無くなっていて樹皮とその周辺のみ残っていました。

 日没後樹液を見に戻ったのですが、灯火をされている方が居りました。ここなら周辺に民家は無いですし、オオクワガタも捕れそうな気がします。

 樹液のところに戻ってくると、たくさん居たカナブンたちは居なくなっておりましたがクワガタ・カブトムシも居ませんでした。灯火の場所からあまり遠くはないのでもう捕られてしまったのでしょうか。

 結局仕事中の駐車場代&高速代を使ったにも関わらず、ボウズに終わりました。


8月6日

 この日は少し気になっていた京都の下見に行くことにしました。

 以前夜釣りで数回来てはいたのですが植生の方には全く気がいっておらず、その確認も含めて明るいうちに出かけました。とはいうものの14時頃なんですが・・・・

 観光地化している割にクヌギやコナラの樹が結構生えていました。
目に付く所の樹はトラップこそ掛けられてはいないものの根元が掘られています。
何で掘った後埋め戻さないんでしょうね。樹のためにも虫のためにも良くないと思うのですが・・・・・

 気を取り直して徘徊していると1箇所樹液の出ているクヌギがありました。スズメバチクン3匹とカブトムシのメス1匹&カナブン多数が樹液を吸っています。ひとまず樹液場に虫がいたので一安心です。

 他に樹液が出ている樹が無いかと探しているとミツバチの巣になっている?枯れた大木を見つけました。洞の入り口にはビッチリとミツバチが付いています。所々に空いている穴からもミツバチが出入りしていました。
もっと観察したかったのですが、あれだけの数に攻撃されると命に関わりそうなので退散します。

 結局樹液が出ている樹は1本しか見つけられませんでした。明らかに去年より機動力が落ちているのを実感しました。


8月7日

 この日は夜になってから家の近所樹液場へ行きました。この樹はあまり太くは無いのですが、樹液の出がよく、洞も数箇所にあるのでチェックしがいがあります。
樹液が出ている樹皮の部分にはカブトムシが4匹ほど残っていました。競合者が少ないと思われます。樹皮はカブトムシに占領されているようです。今年は樹液でノコギリが捕れないかも・・・・・・
気を取り直して一番下の洞からチェックします。

1番目・・・・・・・・・空っぽ。。。。。

2番目・・・・・・・・・居ない。。。。。

3番目・・・・・・・・・!!


 大き目のお腹が見えました。ペンライトで照らされたせいで体の向きを変えて奥に潜ろうとしています。
慌てて掻き出し棒を挿入して奥に潜られるのを阻止しました。
次は頭を出口に向けさせます。・・・・・・・掻き出し技術が未熟な為なかなかこちらを向きません。
数分後ようやく大あごが見えました。

 ヒラタだ!!

 以前に別の樹で見たヒラタより大きいです!!

 おしりを突付き少しずつ出しにかかります。

 大あごの先が洞から出ました!大あごの先を手で掴もうとするも樹液で滑って掴めません。何度か掴み損ねているとするすると洞の中へ戻っていきます。。。。。

あぁ・・・・・・

 出て来い出て来い!お尻を突付きます。

 また大あごの先を出したところで止まります。手強い・・・・・

 また掴もうとするとするすると中へ・・・・・・・・

 もっと出て来い!もっと出て来い!!

 さらに突付きます。なんとか大あごの先を掴むことが出来ました。

 あと少し!!出て来い!!出て来い!!

 お尻をさらに突付きます。


 出た!!やりました!!人生初ヒラタです!!

 手の中で観念して大人しくなってしまいましたが、それでも風格があります。
顔面&腕を蚊に刺されましたが粘った甲斐がありました。

成果:ヒラタクワガタ♂ 1匹


8月14日

 ヒラタ様は先日採集することが出来たので、今度はミヤマ狙いで行くことにしました。
ヒラタ様が捕れた山と同じなのですが、数年前に友人がケリ採集でミヤマを捕っているのでまだ生息して事を信じて山に入ります。
入り口近辺のコナラの樹を数本蹴飛ばしてみるもセミが飛び立つばかりです。。。。。

 蹴りが効きそうなコナラ&クヌギを探して奥へ進みます。

 手ごろな太さの樹はありません。ほどなく小さな池のほとりへ出ました。
この池では以前釣りをしていたときに樹液の匂いを感じた記憶があったので、コナラ・クヌギ・アベマキを探して周りを見渡して見ます。

 ん??

 目の高さにクワガタの♂♀1匹ずつ樹に付いています・・・・・・・

 んん〜??

 金色の産毛が生えてますねぇ・・・・・

 ・・・・・・ミヤマだ!!

 慌ててカメラを出し記念撮影しました。洞があるわけではないので安心して撮影できました。
撮影後持って帰ろうとして♂の方を掴んだ途端、♀のほうはポロッと地面へ・・・・・・

 ア〜ッ!せっかくのペアが!!

 地面の草や枯葉で捜索は難航しましたが、何とか探し出すことが出来ました。



 この樹はクヌギでもコナラでもアベマキでもありませんでした。葉の形はクヌギ・コナラ・アベマキに似ているのですが、色は濃緑で常緑樹のような色をしていて樹皮はわりとのっぺりとした感じでした。樹液の匂いもあまりしません。カミキリが齧ったのか、クワガタが齧ったのかは解かりませんがわずかに染み出ている樹液をすすっていました。

 数十メートル離れたこの種類の樹ではカブトムシの♀も樹液をすすっていました。樹種に対する知識の無さを感じました。

成果:ミヤマクワガタ 1ペア
   クワガタが付く樹種の追加(名前は知りませんが)
 


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