採集報告 その8

【Cretaceous】


2005/04/30-05/01
待切れない!
 
050430 群馬県北部
 
Part I ××編>
GWに突入した。初夏を通り過ぎて汗ばむ陽気。もう、待切れない!
虫取り道具と温泉グッズをまとめて、いざ、出発!
 

 
 

Fig.1 快晴!3連休の中日なので道路も空いていて快適ドライブ(^^)。

あっという間に最初の目的地に到着!

 

 



遠目に見ると簡単に見える××へのアクセスも、いざ歩き出すとなかなか手強い。やぶこぎ&土手超え、子供を片腕に抱えながら##を渡って、汗だくになりながらようやく××に出た。で、息を整えつつ、まずは小さな埋もれ木を叩いてみると…。
 

 
 

Fig.2 早速成虫ゲット!


わが子初の材割り採集による成虫

 



久しぶりに見る野外の成虫、久しぶりに撮る成虫の写真(^^;)。しかし、この直後に悲劇が…。父親が隣の埋もれ木をえいやっとひっくり返したあおりで、わが子の「生涯初材割り採集個体」はあえなくどこかに吹き飛んでいってしまった!<呆然…>親子で猛然と付近を捜しまわるが、時既に遅し。。。非難と恨み言を背中に受けながら、しばしヤナギの洞などを覗きながら川辺を散策しなければならなかった孤独な父親であった(^^;)。
 

 
 

Fig.3初夏の川辺は本当に気持ち良い。

 

 

 



初夏の心地良い風が子供の涙をすぐに乾かしてくれた。河原の石に腰掛けてしばし休息。お茶が旨い(^^)。場所を変えてもう一度チャレンジ!
 

 

Fig.4 場所を変えて、今度はコクワガタ♂をゲット!

 

 

 

 

 

Fig.5 続けて大きめのコクワガタ♂をゲット!

下には大きな幼虫も見えている。



 

 


子供の手でも割れる位に朽ち果てた埋もれ木の中からは幼虫がごろごろ、成虫も2匹ゲット!わが子はクワガタ両手に御満悦。あれぇ?さっきまで泣いていたのはだ〜れ?(^^)。



Part II 高地編>


無事にお昼御飯も済ませて、子供は紙コップで作った「虫かご」をだっこしているうちにいつものように夢の国へ。ここからは「大人の時間」。
さて、今日は憧れの君達に出会えるのだろうか?
 

 
 

Fig.6 ぐっと標高を上げて沢登り。
これ、実は物凄い急斜面(^^;)
 

 

 



標高800mを超えたあたりから、徐々に残雪が見られるようになった。たった一週間で見違えるほど少なくなっている。山の遅い春もようやく本番だ。倒木が豊富な沢を選んで登ってみた。きつい(^^;)。しばらく登ったところで足下が崩れ、見事に滑落。落ち葉のそりに乗って、滝つぼ状のところまで一気に落ちてしまった。「やばっ!」。緊張が走る。下手に倒木につかまって後から追い掛けられたら目も当てられないので、とにかく滑り落ちるのに身を任せた。ほどなく「滝つぼ」へ。相当の衝撃と雪解け水の洗礼を覚悟したのだが、何とそこには残雪の上に分厚い枯葉の極上のマットが敷かれていた。「助かった(^^;)」。左足首を多少痛めたものの、擦り傷以外特に怪我もなく済んだのは本当に幸運だった。。。  
 

Fig.7 材も立ち枯れも一杯ある。
日の当たる斜面には、もう残雪はない。
 

 




痛む左足を引きずりつつ、歩けそうな場所を探す。自分基準では良い雰囲気の場所が続く。そんな中で崖に突き出た物凄い立ち枯れを見つけてしまった(余りに危険だったので写真はない)。どうすべきか悩んだ挙げ句、「これを削らなくて何がGW!」と決断した。根元がかなりしっかりした立ち枯れだったので、痛む左足と左手で木を抱き、右手で斧とシャベルを順に使いながら根元付近を削り出した。第2刀で凄まじい食痕を見つけた。一瞬木を抱いている左手さえ離してしまいそうになったその食痕は、延々と木の地下部に伸びている。時折、崖を登って休みながら格闘すること小一時間。期待空しく、食痕は地中へと消えていった(;;)。木を抱き続けた左腕は痺れ、先ほどの滑落で痛めた左足首は腫れ上がって力が入らない。続きは来春ということで、穴を埋めて立ち枯れを後にした。それにしてもあの太い食根、一体誰のものだったのだろうか。。。
 

 
Fig.8 ここまで登るとまだ一面の残雪。
 

 

 

 


かなり疲労していたが、子供もまだ夢の国に出かけたままだったので、取りあえず行き着くところまで登ってみることにした。標高1100m付近で積雪のため行き止まりとなった。山奥はまだ、冬景色だ。


Part III 灯下編>


宿に入り夕食を食べていたら、子供が「食事終わったら街灯回りに出かけるんだよね」の一言。マジ???と思いつつも、気温を考えると8月の天気が悪い日よりもずっと高い。「一丁でかけますか!」。どこまでもおめでたい親子は、「温泉に出かけるついで」と自分達に言い聞かせつつ、本当に街灯回りに出かけてしまった(^^;)。しかし、山の天気は子供の機嫌以上に読みにくい。車の出発に時を合わせて雨が降り出し、気温もぐんぐん下がり始めた。


 温泉から出てくると外はすっかり本降りの雨。気温も12℃をさしている。やっぱ無理だよね〜と話しつつ、車は去年何度も回ったポイントを一つずつなめるように走る。当然、何もいない(^^;)。出がけには風船のように膨らんでいた子供の期待も急速に縮んでゆく。折り返し地点についた時、雨も小降りになっていたので、手足を延ばしに外に出てみた。悲しいかな、どうしても地面に目がいってしまう(^^;)。去年ミヤマクワガタを拾った水銀灯を見上げると、何とそこには蛾達が舞っているではないか!シーズン中には邪魔者以外の何ものでもない彼等も、この季節には気分をぐっと盛り上げてくれる。その後何ケ所かの街灯で蛾が舞っていることを確認した親子は、本当に満足した気分で宿屋へと帰っていった。。。


050501 群馬県北部
 
Part IV 再び××編>


翌朝目が醒めると、左足の腫れも大分退いていた。これならいける!と、再び××にチャレンジだ。今回はつるはしなども担いで枯れ木の根っこ掘りを試みたが、出てくるのはコクワガタと思われる幼虫ばかり(^^;)。雲行きが怪しくなってきて気温も急激に下がり始めたので、早めに撤収することにした。最後の土手を登ろうとした時、大きな朽ち木を見つけたので持ち上げてみたら、覗き込んだ子供が大きな声で、「うわぁ!おっきな幼虫!!!」。気合いでひっくり返してみたら、そこにはカブト虫の巨大な幼虫達が整然と並んでいた(-。-;)。カブト虫の幼虫は家に山程いるので、これは丁寧に埋め返してきた。ちょうどそこに何やら野草を摘みに来たおばあちゃんが通りかかって、「何探してるんかい?」と。「虫取りに来たんです。今カブト虫の幼虫一杯見つけました!」と応えたら、「そりゃ、よかったねぇ」と笑顔で手を振ってくれた(^^)。心暖まる一時であった。
 
かくして、我が家のささやかなGW家族旅行は、観光地の喧噪に巻き込まれることもなく、静かに終わりを告げたのであった。帰りの渋滞は、、、思い出すのはやめておこう(^^;)。


今回の成果


成虫  コクワガタ ♂×2、♀×1
幼虫  コクワガタ 多数
     ヒラタクワガタ(?) ×1
     カブト虫 多数
その他 マイマイカブリ、蛾、日本ザル、カモシカ など


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