東京某区でクワガタを!?

【冷凍ピラフ】


                        

【あ〜コメント】

東京23区内在住の冷凍ピラフ様より採集記をいただきました。10代ですが非常にしっかりされていて、地元で楽しむことも大切にされています。将来はサイトも立ち上げたいという希望も持たれていますので楽しみですね。

以下、冷凍ピラフ様の採集記です。


東京某区でクワガタを!?

あれは、たしか2004年初夏のこと・・・・(回想中)
5月31日、もう5月最後の日をむかえてしまった・・・・。
5月中に何度その場所に足を運んだことか。行くたび行くたびヒラタはおろか、コクワすら目にする事は無かった・・・・。
いつもなら今頃には数えきれないコクワを目にしていた頃なのに・・・・。
「何がいけない?何がいけない?」
と、何度自分に問いかけたことか。それとも、時期が早いのか。
と、そんなある日、珍しく月曜日に休みがとれた。しかし、この日は朝からついていなかった。PCはフリーズするし、柱にひざを強打した。
「こんなツキの無い日にクワガタなんて採れるのか?」
だがここでガマンしなければ後で後悔するという事が、頭をよぎり、徐々に採集意欲が復活してきた。

現地到着後
最初は林に沿った道路でクロアゲハ、ナミアゲハ、カラスアゲハを狙いネットを構えた。が、どうした事か?アゲハどころかモンシロチョウもいない。
結局、何も採れずに林に入る。だが、林の中に入るとなんとお目当ての木からは樹液が出ていないではないか?気を取り直し試しに足元の木を見るがそこには脱出口が有り、蛹室は割れども割れどもモヌケのカラ・・・・。段々腹が立ってきて近くにある切り株を思い切り蹴る。すると、切り株が地面からスッポリ抜けて根っこからは丸っこい幼虫が!!それも3匹も!!ヒラタか!?ン?よくよく見てみると・・・・カブでしたか。ガックリ!!一応、東京物なので採集する事にする。
今度は見回りを強化してみると、樹液が出ているうえににブイブイがたかっている!!
「そうか、もしかしたらこの木にクワガタがたかるのか・・・・。」
しかし昼間からクワガタは表に出てこない。仕方なく木の根元をほじくってみる。
すると、コクワの♀が姿を現した。一頭いればまだまだいるはずだ。
「ヨッシャ!!!!」
と一人で気合を入れてみたりする・・・・。ん?今度はコクワの♂が出てくる!!
「よーし、だんだん調子が出てきたようだ。」
そして、次の一堀りでデカイ、クワの尻が出てきた!!
「デ、デカイ!?これはおそらくヒラタの♀か!?」
だが、人生それほど甘くなかった・・・・。なんと、そのクワガタは木に開いた穴に突き刺さっていたのだった!!ここで自分の重大なミスに気ずく事になる。
「しまった〜!!掻き出し棒を忘れた〜〜〜〜〜〜!!」
仕方ない、こうなったら手でホジクリかえしてやるしかない。だが、こりゃまたきつく刺さってるな。その虫自身ももしかすると自らでも脱出不可能になっているかも・・・
だが、その虫の前胸が見えてきて絶句・・・・
「♂なのか・・・・?」
たしかに前胸は四角い形をしている。前胸、そして頭部、そして大顎が見えてくると同時に自分のテンションも少しずつ上がってくる・・・・。
そして、ついにその「時」が訪れる。

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオ、出たーーーーーーー!!」

50mmは有りそうな立派なヒラタの新成虫だ。だが大声を出す度に犬の散歩中のオバハンが「な〜に?あの人?」と言いたそうに通りすぎていくのであった・・・・。
その後もコクワの嵐で、「もう、いいよ」と言うほど出てくる。
そして、またデカイクワガタが出てくる。
「もしかして、またヒラタなのか?ヤッタ・・・・げ・・・・」
うかつに喜んではいけなかった。なんと、ちょっと大きめの48oのコクワだった。
だが、これも欲に負けて採集してしまう・・・・。
「気を取り直して行こう!!」
でも結局その後もコクワのオンパレード。
「はい、採集終了ーー。」
もう、これ以上コクワを見てもしょうがないのだが、これが某区だと思えばいい結果だったと思う。

結果 ヒラタ1♂コクワ10数頭

最後に
この日は改めて身近な自然を再発見できた充実した一日だと思ってます。
皆様の周りにもまだまだこの様な自然が少なからずも残っているはずです。なので、週末にでも自分の住んでいる市区町村内を少し歩き、自然の魅力に魅せられるという一日も、悪くないと思いますがどうでしょうか?
 


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