東京都
【群馬】
去年からずっとピイさんと小型狙いで「群馬に行ってみたいですね」と言っているのだが、なかなか行けずにいる。今日こそは・・・とも思っていたのだが、雪が気になったので走行中に急遽変更することにした。極寒の千葉を震え上がりながら出発する。この冬一番の寒気だそうな。本当に寒い。夜明け前だから当たり前だ。
走行中に地図を見ながらどこに行くか考える。雪の少なそうな場所ということで、突然ターゲットを東京にすることにした。東京で小型を狙ったことはなかったので、いい機会だ。
けっこう苦労しながら目標の場所に近づいた。
道も凍っておらず、雪もなく、なかなか順調だ。無事に車で行けるところまでは到着できた。
今日も車を一歩出た瞬間・・・
さっぶ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(>_<)
こんなので採集できるんだろうか???
車を置いて歩いて山を登る。ちょこっとのつもりが本格的な登山になってしまった。
登山道は思いっきり雪景色であった。
沢も完全に凍りついている・・・
ぐわぁ〜
ほんとに寒い。
それでも材を探しながら歩いてみる。
産卵マーク1つも見つからない。(+_+) 全然ダメだ。
こりゃボーズかな。
谷を下りたり、木の上の方を見たりしてみるが、これっぽっちもクワガタの痕跡はない。大失敗かも。
標高をぐんぐん上げていくと、多少日当りのいい場所が見えてきた。日当りは狙う種類によって○×があると思うが、あまりにも寒いのでついつい日の当たる方へ引き寄せられてしまう。これでツキも変わるかも知れない。
ようやく日当りのいい場所に到着。相変わらずクワガタの痕跡はないが、何となくムードは出てきた。何十分か歩いて登ってきたが、ようやく採集活動に入れるような気がした。
ここで思い切って登山道を離れることにした。崖のような急斜面を材を求めてよじ登っていく。
急斜面
いい材はあるのだが、全然虫がいない。う〜ん。
数十分が経過した頃、ようやく倒木にルリの産卵マークを見つけた。
やった〜!
虫はいるらしい
ところが削いでみても何もいない。ありがちなパターンだ。
しかし、いることがわかれば心理的にずいぶん違うものだ。さらに標高を上げて材を探す。
狙いはルリ、ホソツヤルリ、トウカイコルリ、ミヤマツヤハダ、マダラあたりだ。どれか採りたい。しかし、通常ブナ帯に見られるような赤枯れがない。どれも綺麗に白枯れしている。これは日当りが関係しているかも知れない。ツヤハダあたりはあまり期待できそうにない。
虫の採り方を忘れる頃、久しぶりに産卵マークを発見した。でっかい倒木の枝先の部分だ。
ホソツヤ?
シチュエーションとマークの形やサイズから、ホソツヤの可能性が高そうだ。
やっと小さいルリ属の幼虫が出てきた。ふぅ。
しかし、成虫は×。
そこから数十cm根元側を削いでいると、いきなりルリ属の♀の腹が見えた。
真っ黒な腹だ。(-.-)
腹の黒いヤツ
んもう、ホソツヤ狙いで削ってたのに〜。
腹の黒いルリ属の♀はルリしかいない。ちょっとげっそりしたのだが、初めての場所で1頭目の成虫だし、それなりにうれしかった。ホソツヤ狙いでルリを出すというのは、あ〜さんには日常茶飯事、とってもフツーのことだ。(-.-)
そこからさらに標高を上げる。ピイさんと離れてからかなりの時間が経っているが、クシャミの山彦が聞こえたのでどうやら無事でいるらしい。(^^;)
倒木たくさん
相変わらず斜面にはでっかい倒木が転がっているが、ツヤハダの入りそうな材はない。
どんどん斜面は急になるのだが、全く成果の出ないまま足は疲れていく。ほんとに何も出ない。
ものすごいところまで登ったが、ピイさんの気配が全くなくなったので、引き返すことにした。
下りるときは滑り落ちるだけなので楽チンだ。登ったルートをちょっとずらして、材を探しながら滑っていく。
やっと再びルリの産卵マークを見つけたので削いでみた。
また♀
今度はあっさり出た。ほんとにみんな白枯れだ。ようやく2頭目だが、まだ1目だ。
こいつばっか
かなりの距離を滑り降りて、直径5cmくらいの細枝を見つけた。
中が赤枯れしていて、こいつはマダラが狙えると思った。今シーズンは全くマダラに縁がない。ここらで出しておかなきゃ。早く励ましてやりたい。
予想通りマダラの食痕は出たが、虫は出てこなかった。んー、もう一息だ。
そうやっているうちにピイさんが上がってきた。
見事にホソツヤ2♂♂をゲットしている。上手いなあ、ほんとに。(^^;)
ホソツヤ@ピイさん採集
誰に教わったわけでもないのにピイさんは完全にホソツヤ採集をマスターしたようだ。さすがだ。
ピイさんがホソツヤを採集した場所に連れて行っていただくことにした。落ち葉に足を取られながら移動する。
思いっきりでっかい倒木があって、枝がたくさん斜面に突き出している。その落ち枝などにベッタベッタとホソツヤの産卵マークがついている。
おおお〜!
産卵マークの割に虫が少ないのがホソツヤの印象であるが、ピイさんはあっさりとホソツヤ1♂を追加採集。
おおお〜!
負けじとこちらも材を削ぐが、な〜んも出ない。
おおお〜。(T^T)
しかし、忘れた頃に突然現れた蛹室。
おおお〜!!!
裏返った♀の腹は真っ黒!
おおお〜。(:_;)
うぐぅ〜
ここまでして何でルリやねん。(T^T)
ダメだこりゃ。
急激に空腹を感じたので山を下りることにした。一人空腹で降り回すのは失礼なので、昨日撮影したココイチのカレーの画像をピイさんに見せて一緒に空腹になっていただくことにした。(^^;)
下りながらホソツヤを探していると、赤枯れ候補の材があった。これはツヤハダが出るかも!
叩いてみると、ツヤハダなんて全然いない。しかし、見覚えのある粒コショウのようなヤツが入っていた!!
久しぶり!!
やっと会えたね!マダラくん。
会いたかったよ〜。頑張れ〜!落ち込むな〜〜〜。
やっとこいつを励ましてやることができた。
削っていくと、「俺も」「俺も」と落ち込んでいるヤツらが励まされるために出てきた。全く縁がなかったマダラであるが、出始めると際限ない。あれよあれよと10頭ほどが出てきた。ひと振り4頭というのもあった。例外なく頭を垂れて落ち込んでいる。
下を向いて固まっている
この中途半端な材は、ほとんど白枯れだ。
ツヤハダ狙いでマダラが出たが、オニの幼虫、狙い通りのミヤマツヤハダの死骸・幼虫、挙句の果てにはルリ属まで出てくる始末。
あんた誰や?
何でこんなところから・・・?
トウカイコルリかも知れない、いや、ホソツヤでもいい・・・と思ったが、取り出してみると当たり前のようにルリであった。細い材だったが4目が入っていた。ちゃんとした赤枯れはこの斜面にはないようだ。
さらに斜面を滑り落ちる。
またホソツヤのマークを見つけた。根元に近い方はルリのマークだ。
べたべた
ピイさんが隣の材であっさりルリを出したが、こちらは全然ダメ。しばらく粘ったが、お腹が空いたので先を急ぐことにした。
すぐに車に戻れるかと思ったが、いつの間にかけっこうな距離を歩いていることにあとから気づく。よくもまああれだけ歩いたものだ。
急峻な山道を下りていく。膝が思いっきり笑っている。
最後は足を引きずるようにして、ようやく車までたどり着いた。
買っておいた食事にバクバクとむしゃぶりつく。動いたあとは何でも美味い。
そして食ってしまうと落ち着いてしまう。(^^;)
6時間近くもここで採集をしていたので、ちょっと場所を変えてみることにした。
天気はいい
再び地図を見ながら次なる目的地を決める。
いろいろ迷ったのだがようやくターゲットが定まった。
しかし、これが行けども行けども植林で、とうとう一度も車を降りることなく山を下りてしまった。
採集記にすれば1行で終わりなのだが、けっこうこの間も長かった。
消化不良のまま帰途につく。まだもうちょっと日があったが、他に行くところがないので仕方ない。
でも日があるのがもったいないので延長戦を行うことにした。夕刻の某所に降り立った。今日はとことん東京だ。
都内某所
以前から何度か下見をしていた場所だ。ピイさんがヒラタを何頭も採集した場所からほど近い。
しばらく歩いていると、埋まっている材があった。
こういう採集をしていて、ありそうでなかなか見つけられないのが埋没している材だ。
今日はあっさり見つかった。ものすごいいい朽ち方をしていて、コクワがと出てくる。
元祖:いつものやつ
全部埋め戻す。(^^;)
またしばらく歩いていると、いかにもヒラタのいそうな場所があった。
珍しく材も多い。埋まっていた部分を削ってみると、表面部分に汚いクワガタがへばりついていた。
越冬ヒラタ♀
一目でわかるヒラタの♀だ。う〜ん、久しぶり。ヒラタを採集したのは一昨年の夏以来かも。
フセツも何個か取れていて、実に汚い♀であった。(^^;)
さらにこの材の下の部分から小さいドルクスの♂が出てきた。
小さいスジ♂
小さいくせに内歯がしっかりしているのがスジの特徴だ。
短時間でいろんなものが出てきておもしろい。ピイさんはしっかりとノコの幼虫を出していた。
もっとやっていたかったが、あっという間に日は落ちて何も見えなくなった。ここで終了を余儀なくされた。
久しぶりにお金を下ろして温泉へ。
この温泉が全然ダメであった。サウナがない!!大失敗だ。
そしてココイチへ・・・
昨日食べたばっかりなのに、24時間後に500gが食えてしまうのだから不思議だ。
今日は東京でいろんなものが採れてよかった。
いろんなものが採れますねえ、東京
ルリあり、ヒラタありととっても節操のない採集となってしまった。何目採れたんだろう?
コクワ:いっぱい
ス ジ:1♂
ヒラタ:1♀、幼虫数頭
ノコギリ:幼虫2頭
オ ニ:幼虫数頭
ミヤマツヤハダ:幼虫数頭
ル リ:2♂♂3♀♀
ホソツヤルリ:3♂♂、幼虫数頭
マダラ:10頭くらい
2002.1.4