山梨県
【山梨ふたたび】
1月になって雪が増える前に小型種を存分にやっておこう。ということで、また山梨へ向かうこととなった。また早朝にピイさんに来ていただき、今回はピイ車で出発だ。
ピイさんは今週の頭からすでに休みに入っていて、東京でヒラタの52mmを筆頭に10頭近くの成虫を割り出したりしていたようだ。いきなり行った場所でよく採ってくるものだ。
今日の体感温度は先週よりももっと低いような気がする。雪の解け具合が心配だったが、先週とあまり変わっていないようだ。ピイさんの車にはチェーンが積んであるので、これはとても心強い。
山の麓で温度表示を見ると、気温はマイナス5度。先週よりも1度高いものの、寒いことには変わりはない。チェーンが必要かと思われたが、何とかポイントまでたどり着くことができた。
さて、車を一歩出た瞬間・・・
さっぶ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(>_<)
そりゃそうだ。(^^;) 骨の芯まで凍りそうだ。
雪景色
早くも怯んで温泉に行きたくなる。(^^;) まあ、せっかく来たんだから少しくらいは採集しなきゃ。
身体が動くかどうかわからないが、一応支度をして採集を始めることにした。
さっそく細枝にホソツヤの産卵マークを見つけた。
さっそく!
しか〜し、何も出ない。いつもいつも1頭目を出すのには時間がかかる。
まあ、今日は早いタイミングで採集を始められたから良しとせねばなるまい。
30分くらい徘徊してみたが、二人ともクワガタの痕跡を少し見つけただけで何も採れなかった。
ちょっと移動してみよう。
今日の主なターゲットはミヤマツヤハダだ。ここのところ、数頭は出しているものの、なかなか大きめの♂が出ないので、1頭くらい出しておきたいところだ。
が・・・
時々見つかるツヤハダ材はカチコチに凍りついて、全然ナタが入らない。これではどうしようもない。諦めてルリ属を狙うことにしよう。あ〜はホソツヤとコルリがなかなか出せないので、今日はこの2つを重点的に狙っていこう。
すんごい倒木
ピイさんと少し離れてコルリ材とホソツヤ材を捜し歩く。
コルリ材などは凍りついて地面から離れない。(^^;) なかなか採集にならない。
川も凍っている
こんな状態では仕方ないだろう。
ところが、全く場違いなものが目に入ったりする。
懐かしい
こんなものは見つかるのだが、クワガタはなかなかいない。
かなり歩いたころ、ボロボロの倒木があったので削ってみた。
やっと1頭
コルリ狙いだったのだが、ひっくり返してみるとルリだった。
う〜ん、いつものやつ・・・
何を狙っても、どこからでも出てきてしまう。いつものパターンだ。
再びコルリとホソツヤを狙って徘徊を続ける。しかし、痕跡も見つけられずに時間だけが過ぎていく・・・
そのうちルリ材を削っても何も出てこない状況に陥ってしまった。とっても下手クソだ。虫の姿を全然見られない。見つかるのはこんなのばっかり。(^^;) ↓
今度はエゾゼミかな?
クワガタ以外のものしか見つけられない。(T^T)
こんなことをしているうちにピイさんと合流した。
「何か採れましたか〜?」とあ〜。
「たぶんホソツヤです」とピイさん。
ほんと〜〜〜〜?
見せられた虫を見てびっくり!ホソツヤの♀とトウカイコルリの♀がルアケースに入っていた。
さんざん捜し歩いて採れなかった虫をピイさんはきっちりと採っていた。しかもあ〜の歩いたあとだ。(^^;)
小型種を始めてまだ4回目なのに、このセンスはすごい!
しかもトウカイコルリを採った場所はホソツヤと同じ材で、それも地上の枝先の部分だ。こういうパターンは自分は知らない。
さあ、ホソツヤもトウカイコルリもちゃんと存在することがわかったので、もう一度ちゃんと見ながら折り返すことにした。
そういう目で見ていくと、確かに材はたくさんあって、しかも産卵マークがべたべたとついている。
たくさん材はあった
よくぞこれだけ見逃してきたものだ。(^^;)
いるとわかっているのと、そうでないのとでは、これだけの差が出てくる。
なんと、落ち枝や枯れ枝のほとんどにホソツヤと思われる産卵マークがついていた!
ほとんどの材にマークが・・・
今まで何を見ていたのだろう。(^^;)
削っても成虫は出てこないのだが、存在だけはしっかりと認識できる。ここは絶対に濃い場所だ。
そうしているうちに、立枯れから綺麗なブルーのホソツヤ♂の死骸が出てきた。
本当に綺麗なブルーだ。これは死骸だからこんな色になっているのか、もともとこんな色なのかわからないが、これの生き虫を絶対に採ってみたい!しばらくはこれが目標になるだろう。忘れられない。
ブルーのホソツヤが出た材
それからしばらく沢沿いを歩く。さっきのホソツヤの死骸やツヤハダの死骸、ルリの死骸などが出てくるのだが、生きた虫は全然出ない。ダメだ〜〜〜。
クワガタの死骸とセミの抜け殻などのロクでもないもんしか見つけられないのか〜?などと思っていると、突然こんなものがあったのでびっくりした。(^^;)
うげ〜〜〜!
至近距離でシカに刺されるかと思ってびっくりしたのだが、ツノだけであった。
削ったらホソツヤが出るかと思ったが、削るのはやめておこう。
上のほうはまるでオオクワの大アゴだ。これはゲットしておこう。こんなもんしか採れんのか。(^^;)
しばらく歩いた場所でピイさんが絶好のルリ材を見つけた。
これはたくさん出そうだ。近くにも同じような材があったので、削ってみることにした。
彼らの好きそうな場所だ
久しぶりにクワガタを採った。1本の材から10頭近くを見つけてこの場所をあとにした。ここでピイさんが出したルリの♂が14mmをオーバーしていた。ルリのギネスは何mmか知らないが、最大級の個体であることは間違いないだろう。
帰ろうと言いながらもなかなかまっすぐ帰れない。
今度はホソツヤの採れそうな材があった。
マークいっぱい
上のほうはルリの産卵マークがベタベタとついているが、枝の下のほうは全部ホソツヤのマークだった。マークはたくさんあってもなかなか見つからないのがホソツヤだ。
この微妙な材で両方の産卵マークの真ん中を削ってみると、やがて1頭の成虫が出た。ホソツヤに期待だが、こいつはどっちだろう?
微妙な材
まあ、当たり前のようにこいつはルリであった。やれやれ。
ここでヒマつぶしにピイさんが叩いた材から出たのがトウカイコルリの♀。(^^;) あっさりと出してしまう。これも空中部分の材で、コルリのシチュエーションではなかった。
知らない間に6時間も採集していた。どえらい寒いので、ここで終了して温泉へ行くことになった。とうとうあ〜は今日もルリしか採れなかった。下手っぴだ。
雪のない麓に下りて、とっとと温泉に行こうということで、心当たりのある温泉に直行したのだが、なんと「本日休業」であった。(+_+)
ついてないなあ。
別の温泉を見事に探し当てたので、現地に行ってみるとこれも「本日休業」。ダメじゃん! もう年末で営業していないらしい。
途中でヒラタが気になったので、ちょっとだけ狙ってみることにした。
しかし、手も足も出ずに惨敗。ピイさんの採集した虫を撮らせてもらうことにした。
ルリ属集合!
♀の集合写真だ。左の2頭があ〜採集のルリ。右3頭がピイさん採集のクワガタだ。
真ん中がホソツヤルリ、右の2頭がトウカイコルリ。こうやって見れば全然違うのがよくわかる。
ちょっとアップ
いろんな写真を撮っていると、ピイさんがトウカイコルリの♂も採集していることがわかった。ホソツヤの♂もいる。(^^;)
アゴを開くホソツヤ♂
こうやってみると、なかなか濃い内容の採集であった。
やっと見つけた温泉がなかなかすごかった。
一見小奇麗な公衆便所のように見える。(^^;) 人も少ないので穴場だと思った。
一歩入った途端にびっくりした。休業中の病院のような雰囲気だ。匂いもそんな感じ。
サウナがあるかどうかも不安であったが、かろうじて存在していた。ところがこれが全然温度が高くない。
10分入ってても全く汗が出ない。そのうちサウナの中で居眠りをぶっこいてしまった。
全く埒があかないので、いい加減に湯船に入ることにした。洗い場に行くとシャンプーがない。(+_+) しかもシャワーがとっても微弱で水量が少ない。湯船は一つしかなく、温度が異様に低かった。いくら漬かっても全く温まらず、キリがないので出ることにした。さむ〜〜〜〜〜い! 脱衣場に出た時点で震えている状態だ。全く意味のない温泉であった。二度と来ることはあるまい。
今日は高速が空いているのでスイスイと千葉まで帰り着くことができた。当たり前のようにココイチで夕飯を食べてお開きとなった。
ルリ:♂♀10頭ちょっと
ホソツヤルリ:1♂1♀
トウカイコルリ:1♂2♀♀
2001.12.31